このページは、書籍『考えない練習』(小池 龍之介 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・私はむしろ、考えるせいで、人の集中力が低下したり、イライラしたり、迷ったりしているのではないかと思っています。いわば、「思考病」とでも申せましょうか。
・脳の一部を酷使して考えれば考えるほど、人は身体や心の情報をちゃんとキャッチするこができず、「無知」になっていくのです。
・一般的に人が否定的な感情を抱いた説きの行動には、大きく二つあります。ひとつは、文句や愚痴を言うなど、怒りを「発散」させるという行為。もうひとつは、無理やりなかったことにしようと目を背け我慢する「抑圧」の行為。(中略)
見つめるものは己の感情です。もし、ムカつく!と思ったら、すぐにこの「ムカつく!」をカギカッコでくくってしまうのです。自分はいま、「ムカつく!」ことが真実だと思っている。それが究極の真理であり、正しいことだと思っています。
・仏道には「十善戒」と呼ばれる十の戒めがあります。
一、不殺生 ふせっしょう (生命を殺さない)
二、不偸盗 ふちゅうとう (与えられぬものを取らない)
三、不邪淫 ふじゃいん (浮気をしない)
四、不妄語 ふもうご (事実に反したことを言わない)
五、不悪口 ふあっく (ケチをつけたり批判をしない)
六、不両舌 ふりょうぜつ (ネガティブな噂話をしない)
七、不綺語 ふきご (他人に無駄話を押しつけない)
八、不貧欲 ふとんよく (心の中に欲望をつくらない)
九、不瞋恚 ふしんに (心の中に怒りをつくらない)
十、不邪見 ふじゃけん (無常・苦・無我の法則を知る)
十のうち、話すことに関するものが四つもあることに気づかれるでしょう。
・何より、「ありがとう」と思っていないのに「ありがとう」と思うのは、嘘をついていますから、心が歪むだけです。
・「ありがたい」というのは、何か予想外に好ましいことがあって嬉しいと感じた時に生じてくる気持ちです。文字通りなかなかありそうにない。有り難いことだからです。
・人に何かをいただいたら、「ありがとうございました」と言ったり書いたりするのではなく、「○○を美味しくいただきました」とか「家族で嬉しくいただきました」とするなど、「ありがとう」という言葉を使わずに感謝の意を伝える工夫を凝らすと、先方にも気持ちが伝わりやすくなります。
つまり、定型化していない言葉を選ぶ工夫をすればいいのです。
・書きたいことが一〇個出てきたとしても、取捨選択して、三つか四つにとどめておくと良いでしょう。(中略)他人に有用でなものは削って本当に良いものだけが残ります。
・電子メールでは、「お返事が遅れて、すみません」「すっかりご無沙汰してしまって、申し訳ありません」という言い訳から書き出す方が多いようです。(中略)
受け取る側は無意識に、自分が放っておかれるような人間で、しかも返事が来ないことに翻弄されていたのだ、という自己イメージを見せられてしまいます。(中略)
相手の自我を刺激しないというのが、人間関係におけるたしなみです。
・「してはいけない」と思えば思うほどしたくなる脳の不思議(中略)
ダイエットしなきゃ、と思い始めると、人はむしろ食事のことばかり考えるようになります。本当は食事のことを考えないことがダイエットには一番理想的なのに、常に「食べちゃダメ、食べちゃダメ!」とネガティブに食事のことを考えてしまいます。
・料理する(中略)
丁寧に作るためのコツは、まず「音を立てずに作る」ということです。特に、包丁で野菜を切る時に、トントントンという音を鳴らすのが料理の定番のように思われていますが、上から下に圧をかけてしまうと、野菜の細胞をよけいにつぶしてしまします
・何かがほしいというのは、裏を返せば、それがなければ不安だ、それがなければ不十分な気がするという苦をあらわにしています。
・「安いから買う」でも「ほしいから買う」でもなく、「必要なものだから高くても買う」「本当に必要なものを少なく買う」という姿勢を貫いていれば、欲にまみえず、良い心持ちで生活し続けることができるのです。
・「あなたのため」のアドバイス攻撃をしない(中略)
たとえ、「あなたがここを直せば、良くなるのじゃない?」などと親切っぽく言ってみせたとしても、それはつまり「あなたは間違っている」と否定していることになるのです。
大切なことは、その方がいま何に困っていて、何を望んでいるかが浮き彫りになるまで、じっくり話を聞くことです。
●書籍『考えない練習』より
小池 龍之介 著
小学館 (2010年2月初版)
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