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日本の出版物は、取次を経由した流通ルートが全体の物流のおよそ70%を占めるといわれています。それだけ取次を通すメリットが大きいということです。
そんな中、取次を通さず、書店と直接、取引している出版社もあります。どんな出版社があるのでしょうか。また、なぜ、取次を通さず直取引しているのか。取次を通すメリット、通さないメリットを考えてみたいと思います。
・ 岩波書店
・ アスキー
・ ディスカヴァー・トゥエンティワン
・ ミシマ社
・ トランスビュー
・ アスク出版
・ 永岡書店 など。
トランスビューは法蔵館から独立した3人が2001年(平成13年)に設立。直取り引きを成功させたその方法論は「トランスビュー方式」と呼ばれています。近年は、他出版社の受注・発送業務の代行や、共同DMによる協業化も行っているようです。直取引の書店数は2200店ぐらい。
書籍『本屋がなくなったら、困るじゃないか~11時間ぐびぐび会議』(ブックオカ 編集、西日本新聞社)にこう紹介されています。
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◎書店への卸正味・・・68 or 70%
◎書店への納品スピード・・・1~4日
◎委託条件・・・継続的に販売に取り組む書店は委託扱い
◎清算方法・・・
①通常の清算法
・初回発注分は3カ月後締め翌月末払い(3カ月延勘)
・追加発注分は当月末締め請求翌月払い
・返品は随時可能
②小規模店向けの清算法
・半年(1~6月、7~12月)ごとに実売分(当期納品-当期末在庫)を確定。請求翌月末払いで清算
・店頭に残る在庫分の負担はない
◎送料など・・・上記①②いずれかの場合も納品送料はトランスビュー負担。清算時の振り込み手数料もトランスビュー負担
◎その他・・・取次ルートでの納品も可能。ただし買い切り。
●書籍『本屋がなくなったら、困るじゃないか~11時間ぐびぐび会議』より
ブックオカ 編集
西日本新聞社 (2016年7月初版)
※amazonで詳細を見る
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永岡書店は、資本金7050万円、従業員数140人、全国9000店の書店と契約を結んでいます。※参考:永岡書店のウェブサイトはこちら
ディスカヴァー・トゥエンティワンは正社員35人、資本金2000万円、常設直取引は4000店舗。※参考:ディスカヴァー・トゥエンティワンのウェブサイトはこちら
※書籍『白書出版産業 2010』を参考に作成
日本出版学会 著, 編集
文化通信社; 1版 (2010年9月初版)
※amazonで詳細を見る
1、全国の書店へほぼ一律で発行した本を流通させられる。
2、売り掛け回収を行なってもらえる。
1、物流や売掛回収を自前で行う必要はでるが、反面、利益が大きくなる。
2、返品率低下への抑制。
3、書店からの注文にいち早く応えられる。
4、マージンを高く設定することで多くの本を置いてもらえる可能性がでる。
5、独自に書店へのプロモーション可能。
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