このページは、書籍『信頼の構造~こころと社会の進化ゲーム』(山岸 俊男 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・集団主義社会は安心を生み出すが信頼を破壊する
・信頼には以下の2種類があり(中略)
①社会関係や社会制度の中で出会う相手が、役割を遂行する能力をもっているという期待。
②相互作用の相手が信託された責務と責任を果たすこと、またはそのためには、場合にとっては自分の利益よりも他者の利益を尊重しなくてはならないという義務を果たすことに対する期待。(中略)
①相手の能力に対する期待としての信頼と、②相手の意図に対する期待としての信頼(中略)
簡単にいえば、相手がやるといったことをちゃんと実行する能力をもっているかと、やるといったことをやる気があるかの区別である。
・信頼がもっとも必要とされるのは社会的不確実性の大きな状態においてである(中略)
信頼は社会的不確実性が存在している状況でしか意味をもたない。つまり、他人に騙されてひどい目にあう可能性がまったくない状況では、信頼は必要とされない。
・安定したコミットメント関係の中では、相手が信頼できるかどうかを心配する必要がないわけである。
・他人に騙されてひどい目にある可能性のある状況では、特定の相手とだけつきあうこと(コミットメント関係を形成すること)で、(少なくともその相手との関係においては)騙される可能性を低めようとするわけである。
・人間の心を理解するためには、心そのものの内側から出発するのではなく、心のおかれた環境から出発する必要があるという視点は、心理学の新しい潮流を形成しつつある。
●書籍『信頼の構造~こころと社会の進化ゲーム』より
山岸 俊男 著
東京大学出版会 (1998年5月初版)
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