このページは、書籍『装丁問答』(長友 啓典 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・平野甲賀という装丁家がいる。(中略)その書体は完成度が高く、あるときは凛として、あるときは軽妙酒脱な表現になっている。変幻自在だ。(中略)平野さんの文字はコンピューターで作られているにもかかわらず、アナログ的な温かさがある。
・新書版のデザインは本当に難しいものがある。なにしろどんな内容のものが出てくるかわからない。どんな内容にも対応しなくてはいけないからあまり個性というか、本として主張し過ぎるとことも出来ない。普遍性が求められる。
・常々自論なんだけど、数は質を凌駕する、と信じている。表現者にとっては鍛錬、訓練で勝ち取る作品の数が勝負なんだから。
・品川インターシティにある本屋さんは、場所柄ビジネスものの単行本が良く売れるようで、平積みされているものが多く、とりわけソニーの関係本が多い。港南口に大きなソニーの本社ビルが出来たので、今まで以上にソニー色が強まっていることもあるのだろう。
品川駅のなかにある本屋さんは、料理、ファッション、化粧などOL向きの本に重きを置いている節がある。大型店はともかく最近の本屋さんは、事ほど左様にお店のコンセプトがはっきりしてきている。
・恩地孝四郎という人のことをもっと知りたくて、ことあるごとに古書店に出向いては探し求めていたところ、ついに見つけた。『本の美術』という本を。
●書籍『装丁問答』より
長友 啓典 著
朝日新聞出版 (2010年12月初版)
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