このページは、書籍『池上彰の情報力』(池上 彰 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・自分が理解したことを視聴者にもわかってもらえるためにはどんな工夫をすればいいのか、自分なりに咀嚼してみる。その結果を文章にし、ビジュアル化する。さらに、子どもの素朴な質問に即座に対処できるように、自分の頭の中で「想定問答」を繰り返しておく。
・「要するに、どういうことか」を大切に
・「わからない」ことがわかれば、「わかった」も同然
・ニュースを見たり、新聞を読んだり、自分なりに考えたこと、調べたことを下に書き込んでいく。これを続けていくと、さまざまな事柄に関しての、自分なりのものの考え方や判断力が養われていきます。
・ラジオは映像がない分、聞いている人の想像力をかりたてます。聞きながら、「果たしてこの原稿の文章は、耳で聞いただけで脳裏に絵を描けるだろうか」と考えるのです。聞き手の想像力をどれだけかきたてるか。これが、よい文章であるかどうかの判断になります。
・東京都内に配られる新聞に大々的に掲載されている特ダネが、栃木県や群馬県で配られる新聞には出ていない、ということもしばしばあるのです。(中略)
見方を変えると、郊外から都心へ通勤してくる人が駅の売店で新聞を買う場合、都心に近い店で買ったほうが最新情報を掲載している新聞を入手する可能性が高い、ということになります。
・新聞に生まれた赤ちゃんの写真がズラリ・・・・・・が地方紙の魅力(中略)
こうした地元密着の編集方針が、販売拡大の営業方針とも合致することになります。
・通信社とは、独自に取材して、記事や写真を新聞社や放送局に提供する会社です。地方紙は、通信社の運営費用の分担金を払っていて、通信社が送ってきた記事を、まるで自社の記者が書いた記事であるかのように掲載していい、という仕組みになっているのです。
海外の通信社ですと、AP(アメリカ)やロイター(イギリス)、AFP(フランス)、イタル・タス(ロシア)、新華社(中国)などが有名ですね。
・新聞記事は、「本記」「雑感」「解説」と大別することができます。「本記」は、いつ、どこで、誰が、どのように、何をした、というニュースの基本情報が書かれたものです。「雑感」は、特に大事件や大事故の際、現場がどのような状態だったかを描写するものです。(中略)
「解説」では、その出来事の背景、過去の歴史、今後の見通しなどを記者が説明しています。新聞社、そして記者の力量が如実に現れます。これは、じっくり読むようにしています。(中略)
読んでみて感心する内容だったら、その記者の名前を覚えておくといいでしょう。(中略)その記者が書いた解説には気をつけて目を通すようにしています。
・アメリカの新聞の場合、一つひとつの記事は大変長いのが特徴です。いままさに動いているニュースの場合、途中経過ばかりでなく、そもそもの歴史から丁寧に書き起こしています。その日から新聞を読み始める人がいても、どんなニュースなのか、よくわかるようになっているのです。
・アメリカでは、一部で宅配もありますが、多くは街頭売りです。街頭売りでは、読者が毎日読んでくれているとは限らないということになります。
・情報を収集するとき、あなたは何を知りたいのか、まずは自分自身への問いかけから始めましょう。何を知りたいのかがはっきりしたら、相手には「教えを請う」姿勢が大切なのです。
・人から話を聞き出すときは、「仮説」をぶつけてみる(中略)
「私はこう思うんですが、どうでしょう?」
・聞きにくい質問をするときは、どう切り出すかは頭が痛いところです。一般的には、「私はそう思っていないのですが、世間にはそう思っている人がいます。それについてはどうでしょうか?」とか、「私は純粋な好奇心として聞きたいのですが」とかいう聞き方が無難なところでしょう。(中略)
かといって「私はそうは思わないけれども・・・・・・」というのもしらじらしい。「こういっている方もいますが、どうお考えですか?」と聞くのがいちばんいいのではないでしょうか。「私には判断できないので、教えてください」という姿勢が大切です。
・スクラップという「アナログ」が大切だ(中略)
新聞記事の検索はインターネットでいくらでもできますが、そこで見つかるのは、自分が調べようと考えているキーワードが含まれている記事だけです。自分でも気づかない自分自身の関心は、デジタルではなかなか発見できないのです。
・立花(隆)さんも、本屋に行って、そのジャンルに関係するものを全部買い、片っ端から読んでいくうちに、そのジャンルの基本となる一冊か二冊に行き当たるのだそうです。
・一行メモの読書記録(中略)せっせとやっていると、少しはたまってきます。穴だらけのバケツで水を汲んでいる状態なので、どんどん忘れていきますが、少しは残る。そこに意味があるのではないかと思っています。
・すっかり使い古した本は、それはそれで愛着がわくものです。
・あふれる情報の中で、何を取り入れ、どう解釈するのか。こうした「メディアを読み解く力」のことを「メディア・リテラシー」といいます。「メディア・リテラシー」の力をつけるためには、「健全な猜疑心」が必要です。
・事実と解釈をごっちゃにしたものは、報告の名に値しません。
・お詫び会見で「倫理観」「社会性」を学ぶ(中略)
どんなお詫びの仕方をするのかにも注目する必要があります。「申し訳ありません」「大変遺憾なことでした」と口にはしていても、何をお詫びしているのかが問題です。(中略)
企業のお詫び会見では、よく「世間をお騒がせして」というフレーズが使われます。しかし「お騒がせした」ことよりも、「やってはいけないことをしてしまった」ことに対するお詫びをするべきでしょう。
・アナウンサーが読み上げたニュースを書き写していました。東京の第一線で活躍している記者が書いた原稿は、きっと文章が上手だろうと思ったからです。他人の原稿を書き写すことで、文章表現の秘密を知ろうと考えたのです。
・文章を書くときは、接続詞を極力少なくする努力をしてみてください。接続詞が多い文章は幼稚に見えます。(中略)幼稚な上に、リズムが悪くなります。
・何の工夫もなく「はい、現場です」では、視聴者は関心を示してくれません。「寒い朝です・・・・・・」と現場の気温から入ったり、「事故から○時間経ちました」と、時間の経過から始めたり、常に表現を工夫しました。原稿を書くのも同じだと思います。「つかみ」が大切なのです。
・ゆるやかな「演繹法」でストーリーを組み立てる(中略)
あらかじめ考えた仮説にしたがって内容をまとめる方法を「演繹法」、調査した内容をもとにストーリーを組み立てるやり方を「帰納法」とすれば、あなたは仕事の上で、どちらの手法を使っているのでしょうか。私は、ゆるやかな「演繹法」が効率的だと考えています。
・図解を中心に編集した本でも、本当に優れたものは、使われる矢印をきちんと区別しています。ある種の矢印は論理の流れを示し、別のものは時間の経過を表すなどと区別しているのです。あるいは矢印は最小限にするなどの配慮がされています。
・一度に全部を見せれば一目瞭然と考えてしまいがちですが、そんなことはありません。人間は、情報を一つひとつ咀嚼していく生き物。一度にすべてを理解することは困難なのです。
1枚の図ですべてを説明しようとしないこと
・大きな数字は、身近な数字に置き換えてみよう(中略)
82兆円
大きすぎてよくわからない!
→家計に置き換える→820万円
・どうして入浴中に思いつくのか。それは、風呂に入る前に、考えて考え抜くという過程を経ているからです。考えていたからこそ、頭の中で発酵し、血のめぐりがよくなってひらめきのスイッチが入ったのだと思います。
・偶然ではないのですね。自分が問題意識を持っているからこそ、気づくことができるのです。考え抜いて行く詰まったら、別のことをして頭の血流を活発にする。すると、思わぬアイデアが生まれてくるのです。
●書籍『池上彰の情報力』より
池上 彰 著
ダイヤモンド社 (2004年1月初版)
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