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木下 山多 氏 書籍『サンタが贈るお母さんの教科書』より

このページは、書籍『サンタが贈るお母さんの教科書』(木下 山多 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・実は日本人の場合、総じて大人の自己肯定間自体がかなり低いのではないないかと思います。


・「親」という漢字は「立つ木を見る」と書きます。(中略)

でも、いまの口うるさい親は「盆栽」をつくろうとしてしまいます。枝を切り、芽を摘み、無理矢理に伸びる方向を決めて行く。これはやってはならないことです。


・乳児の夜泣きに悩まさせるお母さんが、睡眠不足のため極限にまで追い込まれることは少なくありません。その結果、かなりの割合のお母さんが、「一度は我が子に殺意を抱いたことがある」と聞いたことがあります。そして、ある意味、それは「ごくふつうのこと」なんだそうです。(中略)


「新米お母さん」は、(中略)我が子に殺意を抱くほどの精神状態になった結果、「我が子に対してそんな異常な感情を抱いてしまった自分」を責めてしまうことになるんです。「私は母親失格である」と。


しかし、もしもそのお母さんが、それは「ごくふつうのことである」と知っていれば、不必要に自分を責めることがなくてすみます。


・大事をなすような人は、他の誰もが想像したり考えたりしなかったことをやったわけですから、逆に言うと、成功するまでは、まわりの人間に徹底的に馬鹿にされ、笑われていたかもしれません。


・現在のお子さんを無理に「変えよう」とすることは、現在のお子さんを「否定する」ことになります。(中略)子どもには親にさえわからない能力や素質があるんです。(中略)


子どもは、たとえ無意識にでも、自分が否定されている、あるいは認められていないことを感じると、自分の持つ能力や可能性を大きく制限していまいます。子どもは「その存在をそのまま認めてあげる」だけで、無限の可能性が引き出されていくんです。


・何かあるたびに(※ある女子生徒は)自分をお父さんと比べてしまい、いかに自分が上手く物事をやれないか、いかに自分がダメかを感じ、自信を失い、物事に挑戦する気力を失っていました。(中略)


そして、私も機会があるごとに、彼女の話に耳を傾け、じっと目を見ながら、「あなたは変わる必要はないんだよ。そのままで十分素晴らしいんだよ」ということを、心のなかで、そして声に出して伝えるようにしました。


・人間が恐れるもの、不安に思うもの、それは「知らないもの」です。暗闇が怖いのは、そこに何があるかわからないから。「死」が怖いのは、本当に「死」のことを知っている人間が誰もいないからです。相手のことを「知らない」ということは、その相手が「敵である」可能性を意味します。


・否定語は使わない!(中略)

お母さんが「気をつけて、こぼしちゃダメよ!」と注意されます。それにもかかわらず、子どもは、その場で「デーッ」と水をこぼしてしまいます。(中略)


これは全部「お母さんの言い方」が悪いんです。子どもは、お母さんの言うとおりにやっているにすぎないんです。(中略)


脳は否定語を理解できないので、「汚すな!」と言われれば、無意識のうちにその肯定語の情報を受け取ってしまい、汚したくなったり、「落書きするな!」と書かれているところにこそ、落書きをしてしまうものなんです。(中略)


つまり、先ほどのお母さんは、わざわざ「コップの水をこぼしなさい!」「おもちゃを投げなさい!」と命令していたことになるんです。(中略)


いったい何といえばよかったんでしょうか?例えば、「コップを静かに置いてね」「おもちゃは片付けておこうね」などと言えば、恐らく何も問題は起こらなかったと思います。


・「ママごと」、「家族ごっこ」、「幼稚園ごっこ」。これらすべて、他人の立場を疑似体験し、社会性を身につけることができる、とても貴重な遊びなのです。「こういうことをするとママは怒る」、「こういうことをすると幼稚園の先生は褒めてくれる」など相手の気持ちを考えてみるきっかけにもなります。


・子どもがきたない言葉を使い出したら(中略)

「アイ・メッセージ」で教えることです。「アイ・メッセージ」とは「アイ=私」がどう感じているか、どう思っているかを明確に伝えるということです。


特に子どもが小さいうちは、ルールや決まりとして教えられるよりも、お母さんから「アイ・メッセージ」を通して教えられたほうが、響きやすいものです。(中略)


「死ね」とか「ウザイ」「キモイ」などの言葉を使い出した子どもに対して、(中略)「お母さんは、その言葉づかいは嫌いだからやめて」と言ったほうが、効果は高いでしょう。


・心に届くメッセージ(中略)

「○○ちゃん、そんなふうに友だちに意地悪ばっかりしてたらダメだよ。そんなことずっと続けてたら、そのうち、私以外、誰も友だちがいなくなるよ!」(中略)


「そんなことずっと続けてたら、友だちがいなくなるよ。でも忘れないで。私だけはずっとあなたの友だちだからね」というメッセージを含んでいるんです。


・しっかり甘えた子どもとこそが、本当の意味で自立できるんです。(中略)


まず、子どもは親に甘えることで、「安心感」を得ることができます(①、②)。そして、子どもは安心するなかで「自信」を持ち(③)、自信を持つことではじめて、親から離れての「挑戦」をしてみる気になる(④)んです。


そして「挑戦」に失敗して不安になる(⑤)と、親のもとに戻り(⑥)、甘える(①)ことで再び「安心感」を得る(②)んです。このプロセスを繰り返すことで、はじめて子どもは本当の意味の「自立」ができるんです。(中略)


誤解しないでいただきたいことが1つあります。それは、「甘えさせる」ことは「甘やかす」こととは、まったく異なるということです。


・サンタクロースは、子どもがその存在を信じなくなった瞬間に、もうその子の家には行くことができなくなってしまうんだ。だから、そういう家では、仕方なくお父さんが代わりにプレゼントを買ってきて、置いているんだよ。


・「礼儀」はなぜ必要か(中略)

世界が広がれば広がるほど、その世界に存在する人たちとの関係性は薄いものになっていきます。(中略)


よくわからない相手との最低限の関係構築のための共通語になるもの。それが「礼儀」なんです。


・「ニューロロジカル・レベル」とは、脳科学に基づく実践心理学「NLP」の考え方で、「意識のレベル」を体系化した理論です。(中略)


下のレベルから「環境レベル」「行動レベル」「能力レベル」「信念・価値観レベル」「アイデンティティー(自己認識)レベル」と、意識が5段階の階層になっていると考えます。


そして、相手を褒めるときには、上の階層レベルで褒めるほど、相手の意識の深い部分に影響を与えることができるんです。(中略)


女の子は、「素敵なグランドピアノを持っているんだね」(環境レベル)と褒められるよりも、「○○ちゃんって、ピアノを弾いているんだね」(行動レベル)と褒められたほうが嬉しいでしょう。「ピアノを弾くのが上手だね」(能力レベル)と褒められれば、もっと嬉しいでしょう。


そしてさらに、「あなたは人に感動を与えようと思って、ピアノを弾いているんだね」(信念・価値観)と言われたほうが嬉しいでしょう。究極的には「あなたは本当に素敵なピアニストだね」「あなたは素晴らしい」(アイデンティティーレベル)と言われたほうが、心に深く響いて嬉しいでしょう。


・ミスをなくさせるとっておきの方法(中略)

覚えたはずの暗誦文でどうしても同じところで間違えてしまう。それを直したいのであれば、「間違えない練習をする」のではなく、わざとそこを「間違えて」練習するのです。(中略)


私 「これくらいの計算問題を解くのにいつもだったらどれくらいかかる?」

長女 「5分くらいかな?」

私 「だったら、いまからその問題を、何個うっかりミスをしてもいいから4分以内を目指して、できるだけ速く説いてごらん」(中略)


「うっかりミスをしないように」意識しているときには、無意識の力で「うっかりミス」に気づけなくなるのですが、「うっかりミス」のことを意識から外し、より上のレベルの「スピード」に意識を置くことで、逆に「うっかりミス」の存在に気づけるようになったのです。(中略)

この方法で大切なのは、単に「いま問題になっていることから意識を外す」のではなく、「ニューロロジカル・レベル」における、より上のレベルのことに意識の焦点を合わせる」ことで、結果的に「いま問題になっていることから意識が外れる」ということです。(中略)


上のレベルに意識の焦点を合わせると失敗しにくくなる。


・結果が出せないような場合、逆に「その子どもから勉強を習う」ことをお薦めします。(中略)


翌日から、何となく目的がないまま授業を聞くのではなく、「ママに教えてあげるため」という目的を持って授業をしっかり聴けるようになります。しかも、人に教えるという目的を持つことで、頭の中を整理することができます。


・自分の子どものタイプを知る(中略)

すべての人間は、「視覚」「聴覚」「体感覚」のいずれかが「優位感覚」となっていて、それぞれ「視覚優位型」「聴覚優位型」「体感覚優位型」の3つのタイプに大まかに分類することができるのです。(中略)


一般的に、「視覚優位型」の人は、視覚を使って判断するのが得意で、図やイメージなどでものごとをとらえる傾向があります。


「聴覚優位型」の人は、音や言葉を大切にするので、論理的に筋道を立てて考える傾向が強くなります。


「体感覚優位型」の人は、感覚的で、判断するときに直感を大切にする傾向があります。


・「頑張れ!」と言い過ぎない(中略)「頑張ってるね!」と声をかけてあげてください。「頑張ってるね!」と声をかけてもらうと、自分が認めてもらえていると感じ、「もっと頑張る」ことができるようになるものなんです。


●書籍『サンタが贈るお母さんの教科書』より
木下 山多 著
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