このページは、書籍『痛風ウソ?ホント!』(大山 博司 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・わたし自身が以前の勤務先である病院、そして両国東口クリニックの通風外来で二十年にわたってのべ約一万人もの患者さんを診察・治療してきた経験と実績です。
・通風発作を起こして見えられた患者さんには、まず激痛を抑える薬を処方します。その際、アスピリンなどのサリチル酸には尿酸値を上昇させる働きがあるため、アスピリンを除く非ステロイド系の消炎鎮痛剤を服用していただきます。
・○高尿酸血症の薬物療法
高尿酸血症を抑える薬物療法は何よりもまず尿酸値を下げるためのものですが、患者さんの体質のタイプに応じた投薬が必要です。
・測定値を尿酸産生量と尿酸クリアランスの測定値と総合して、患者さんが三つのタイプのどれに該当するかを判断することになります。
尿酸排出低下型
尿酸産生過剰型
混合型
・通風の元凶である高尿酸血症を慢性化させることでもっとも恐ろしいのが腎臓障害です。
・テレビ番組では、アメリカンチェリーに尿酸値を下げる効果があるという宣伝がさかんにされていました。わたしが調べたかぎりではアメリカンチェリーにそんな効果があるという報告はありません。
かりにアメリカンチェリーに含まれているアントシアニンやビタミンCが尿酸値を下げる働きをしたとしても、そればかり食べたり、飲んだりすると、果糖をたくさん摂取することになりますから、結局、尿酸値を上げてしまうはずです。果糖は尿酸に代謝されるからです。
・Q1 はじめての受信でどんな診察や検査をするのですか?
A.大きく分けて①診察、②採血採尿、③レントゲン検査などの検査、④治療、⑤尿酸クリアランス検査予約の五つがあります。
・Q15 通風発作中なのに尿酸値は低いことがある?
(中略)
A.発作を起こしている患者さんの尿酸値を計ると、約三分の一の患者さんは低くなっています。あと三分の一の患者さんは正常値の前後、残りの三分の一の患者さんは高いままという結果が出ています。これは炎症の程度の差によるちがいです。通風の症状が重いか軽いかの差ではありません。
・通風の場合、発作を起こしているときは尿酸値がかなり低くなっていることがあります。痛みが完全に治まった時点でもう一度尿酸値を計ってもらってはどうでしょうか。
・Q36 ザイロリック(アロプリノール)とユリノーム(ベンズブロマロン)の違いは?
(中略)
A.尿酸降下薬の中でも、ザイロリックは尿酸の産生を抑える薬、ユリノームは尿酸の排出をうながす薬です。
・Q50 干物にプリン体が多いのは?
(中略)
A.魚のます干しにプリン体が多く含まれるのは内臓も一緒に食べる食材だからでしょう。また干物にすることで水分が抜けると、相対的にプリン体の含有量は増加します。これは干しシイタケにもあてはまります。したがって、生のアジ一尾と干物のアジ一尾のプリン体含有量は同じと考えてください。
・Q56 痛風発作中には水をたくさん飲むといい?
(中略)
A.水を飲むだけで通風の発作が治まったり、尿酸値が下がったりすることはありません。(中略)水を飲むことと発作が治まることのあいだに因果関係はありません。
ただし、通風の発作が起こったときに水をたくさん飲むこと自体はお勧めです。というのは、(中略)合併症として尿路結石や尿管結石が起こりやすいからです。その予防のために水をたくさん飲むことはいいことです。
・Q59 サプリメントはとればとるほどいい?
(中略)
A.現在、尿酸降下作用がある程度確認させているサプリメントとしては、尿酸排出作用があるものとしてビタミンC、キトサン、フコイダンなど、尿酸産生抑制作用のあるものとしては葉酸、そして両方の作用があるものとしてアンセリンが挙げられます。これらのサプリメントを食事療法の補助的な手段として利用することも有効でしょう。ただし、あまりサプリメントに依存するのは考えものです。くれぐれも食事をおろそかにしないように、
●書籍『痛風ウソ?ホント!』より
大山 博司 著
悠飛社 (2010年6月初版)
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