このページは、書籍『世界でいちばん小さな三つ星料理店』(奥田 透 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・取材許可を得に調査員の人が身を明かして来たのですが、覆面調査員と呼ばれる人たちはミシュランの身分証明のようなものは見せても、個人の名前が入った名刺などはくれないということを知りました。
そのときに聞いた話ですが、自分たちはこれでお金儲けをしようとしているのではなく、歴史文化としてミシュランタイヤから始まったガイドブックが世界の観光客のためになると思ってやっていることであって、本を売るためになにか仕掛けをしたりすることはまったくない。
・どんな食材でも、なにか変わったものが入ってくると、ぜんぶ首を突っ込んで自分にやらせてくれるよう頼みました。(中略)一度できるようになると、次からのその仕事を任せられるようになる。二度やれば三度、三度やれば四度と経験が重なっていき、いつの間にかスペシャリストになっていくわけです。
・徳島の〈青柳〉三代目店主の小山裕久さんが書かれた『味の風』という本でした。(これだ!)見た瞬間、全身に鳥肌が立ち、本を手にしたまま思わずその場にしゃがみ込んでしまいました。
・私と共にミシュランの星をとることになる東京・六本木の日本料理店〈龍吟〉の山本征治だったのです。
・料理が上達するための一番のコツはなにかわかるか?(中略)
料理はどれだけ気がつくかがいちばん大事なんや
青柳 小山裕久氏談
・この仕事をしていて感じるのは、本当に商売というのは心理学的な要素が強い世界なんだなということです。
・景気がいいときだけ成り立って、景気が悪くなればつぶれるような店は、最初からその程度の店でしかない。
・「やりたかった、やりたかった」という人は、結局「やらなかった人」なのではないかと思うのです。(中略)やって後悔するならまだしも、「やらなかった」ということで後悔はしたくなかったのです。
・苦しいときに助けていただいたご恩というのは、生涯忘れることのない宝物だと思います。
・私がまがりなりにもここまでくることができたのは「料理とは“気づくこと”である」といういちばん大切なことを教えてくださった〈青柳〉主人、小山裕久様。この方なくして、いまの私は絶対になかったと思います。
●書籍『世界でいちばん小さな三つ星料理店』より
奥田 透 著
ポプラ社 (2009年10月初版)
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