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書籍『出版クラッシュ!?~書店・出版社・取次 崩壊か再生か』(編書房 刊)より

このページは、書籍『出版クラッシュ!?~書店・出版社・取次 崩壊か再生か』(編書房 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・印刷会社のなかには、版元になりたがるところもありますよね。印刷会社では自分で仕事を生むわけではない。常にどこかからもらうわけでしょう?子会社として出版社を作れば、それで原稿が集めるだろうという考えがある。自社の仕事を作るために、出版部門を作るんだというわけですよ。

小田 光雄 氏談


・いつも業界三社、つまり出版社、取次、書店だけで出版流通を語っちゃうから突破できないんですよ。やっぱり著者と読者を含めた五者で語るべきです。

安藤 哲也 氏談


・かつて講談社がDC・POSという調査店システムをやっていましたね。売上スリップを宅配便で回収して集計するシステムです。あの調査店は五百軒ぐらいでした。その五百軒で講談社の売上のシェアの半分だといいます。ということは講談社の書籍の販売は一千軒の書店で成り立ってしますということなのか。

永江 朗 氏談


・取次の管理しているのは、送品金額と入金金額なんだよね。売上管理はしてない。チェーン店だと物流は取次から各店舗に行くけど、入金は本部からの一括ということになる。だから各店舗で何が売れているかは取次は把握できない。

小田 光雄 氏談


・『トーハン週報』『日販速報』などの取次情報誌はタイトルの羅列で情報が薄い。表紙の写真もないから仕入れのモチベーションが高まらないんです。それよりも一般の雑誌、たとえば往来堂でよく売れる『サライ』とか『東京人』『太陽』などの書評欄を見て、それに載っている本を注文すて並べたりするほうがうちでは有効です。

安藤 哲也 氏談


・買切低正味(註・買切を条件にして、書店マージンを多くすること)

小田 光雄 氏談


・返品が限りなくゼロに近づいたら、取次って必要なくなる。

永江 朗 氏談


・みすず書房では特約店(常備店)の数が五百軒ぐらいです。新刊の八割はそこで売れる。特約店以外での本の売れ方っていうのは、ダイレクトメールで読者に直接案内したものだそうです。特約店もほとんどは首都圏と近畿の大都市、それと旧帝大のナンバースクールのあった都市に集中しています。

永江 朗 氏談


参考:旧帝大とナンバースクールって何ですか?
Yahoo! 知恵袋のウェブサイトへ


・一つのビジネスの好調期が何年も続くことはあり得ない。山もあれば谷もある。いい時期は長くて二年。だから一見脈絡なく分散しておけば、リスク分散できる

永江 朗 氏談


●書籍『出版クラッシュ!?~書店・出版社・取次 崩壊か再生か 超激震鼎談・出版に未来はあるか?〈2〉』より
安藤 哲也 著
永江 朗 著
小田 光雄 著
編書房 (2000年8月初版)
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