このページは、書籍『文書術~読みこなし、書きこなす』(工藤 順一 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・読み手に実感をもってわかってもらう文章を書くには、五感を通じて得られた感覚を言葉にしていくのは欠くことのできないステップです。
・書き言葉とは何でしょうか------(中略)話している言葉(=音声による言葉)を文字に換えたものが書き言葉であるという考え方はまちがえである(中略)
話している言葉が書き言葉になるためには、もう一つの要素が付け加わらなければなりません。つまり、文字のあるなしや語彙の違いはさておき、目の前にいない人(=「今、ここ」という状況を共有していない第三者)にもわかる客観的な情報をもった言葉遣いこそが、「書き言葉」の条件です。
・複雑に見え、どう整理したらいいかわからない状況に対して、どうすれば言葉で向かい合うことができるのでしょうか。一つの方法として「観察」「分類」「比較」してみることです。(中略)
たとえば、規則性、相関性、相補性、対称性、対照性、相同性、類似性そして矛盾などのルールです。関係性を表す言葉を知ることで、同時に現実が整理されて見えてくるものです。
・分けることはわかることにつながります。そして、これが、ロジカル・シンキングの基本で言う、「mece」(ミッシー)という考え方です。(中略)
M (mutually、互いに) E (exclusive、重複せず) C (collectively、全体を) E (exhaustive、網羅して)と、「お互いに重なりあうことなく、しかも全体をカバーして分類」することです。
・考えるための12の項目
①別の言葉を使って表現
②テーマに関係するいくつかのアイデアの共通項を括弧でくくって分類する
③さまざまな考えの共通点と相違点を比べる
④具体的な事例と一般的、抽象的な概念を往復しながら考える
⑤これまで語られてこなかった新しいストーリーを作る
⑥題材について似ているものを探してたとえる
⑦題材に対する自分の感情を確かめる
⑧題材について固定観念や思いこみや偏見はないかを調べてみる
⑨なぜ? と問い掛ける
⑩「もしも・・・・・・なら」という言葉を使ってさまざまな状況を仮定する
⑪題材の逆の立場を想定する
⑫全体と部分で考える
・考えるシート
①言い換える
②整理し、分類する
③比べる
④具体的には、抽象的には
⑤ひらめく
⑥たとえる=比喩
⑦思う・感じる
⑧先入観を意識する
⑨なぜ
⑩もしも・・・・・・なら
⑪逆にする=反転させる
⑫全体と部分を意識する
・AとBについて比較するときに、まず「何が同じで何が違うのか」に注目することをすすめます。
・物事には、比較しないと述べられない相対的なことと、比較せずに述べる絶対的なことの二種類があります。
・文章には大きく三種類あります。説明と論証と物語です。そしてそれぞれの型(=パターン)を知ることは、文章を理解するときにも、自分で書こうとするときにも役に立ちます。「説明的文章」そしてその派生型の「何かを論証するための文章」、さらに「物語」に分けて解説します。
・認知心理学・人口知能の学者であるデビット・ラメールハートによると、物語は、「いつ、どこで」(場面)、「誰が何をした」(出来事)、「そしてどうなった」(反応)という三つの要素から成り立っています。
・無知の知(中略)
「書いて知る、あるいは書きながら知る」知り方の大切さです。つまり、ほかならぬ知る、という能動的な知り方です。身銭を払い、リスクを負いながら、失敗を予測し、試行錯誤を繰り返しながら、知るということです。
・読むことも書くことも、対象や世界と自分との「対話」です。
●書籍『文書術~読みこなし、書きこなす』より
工藤 順一 著
中央公論新社 (2010年9月初版)
※amazonで詳細を見る)
Copyright (C) 2003-2024 eパートナー All rights reserved.