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(1) わざわざ書店に行かなくても済む。
(2) いつでも買えて、ダウンロードすればすぐ読める。
(3) 紙の書籍よりも値段が安い。ただ中古本より高い可能性もある。
(4) 書棚は必要ないし、置き場所にも困らない。
(5) 端末機に保存し、多くの本を持ち歩くことができる。
(6) 書籍の検索が容易である。
(7) 膨大の数の書籍が電子化されていくので在庫切れとか絶版が無い。
(8) ファイルそのものは永久的に保存可能である。
但しサービス業者が継続困難になったり、端末機を買い換えた場合の保証は定まってない。
(1) 読みたい本が電子化されていない。
(2) 配信されている電子書籍のジャンルが偏っている。
(3) 書き込みやメモ書きが手軽ではない。
(4) 読み終えた時の達成感が出てこない。
(5) 紙の質感が無い。
(6) 必要な電子書籍はどこにアクセスして良いのか分からない。
(7) 欲しい端末機はどこで買えるのか分からない。
(8) 専用の端末機を買わなければならない。
だがスマートフォンやタブレットPCなどの汎用端末機でも読める。
多機能な汎用機は様々な利用ができるだけユーザーには安心感があり、今のところ電子書籍の主戦場と言われている。
(9) 端末機を落とせば壊れる。
ただ、購入したサイトから再ダウンロード出来たりするので、改めてすべて買い揃える必要はない。
(10) 開きたいページや読みたいページがすぐには開けない。
電子書籍はページの概念がないでページをめくる直観的な動作は望めない。
しかし、見出しリンクで本文に飛んだり、気になった個所をしおり設定したり、似たような動作はできる。
(11) 紙の本のように本棚にコレクションはできない。
しかしバーチャルなコレクションはできるもよう。バーチャルなだけに本棚を共有できたり、気になる本のバーコードをスキャンするだけで本の評判がわかったり、新しい楽しみ方もある。
(12) 装丁の素晴らしさは電子書籍に置き換えられない。
以上現在の状況で消費者の立場から電子書籍の利用したい理由としたくない理由を提示してみたが、まだ多くある。いくらデバイスが優れていても、豊富なコンテンツが手軽に入手できないと普及しないので配信サービスが重要になってくる。豊富なコンテンツが揃うには出版社として3要素が必要である。1、著者の許諾 2、制作コストの低減 3、収益の確保。
根本的なことだが、電子書籍は書籍ではない。出版物=紙の本と同一価値を求めることには無理がある。電子書籍は『閲覧サービス』であって、『所有物』ではないことが一般的に認識されていないことが気になる。本の場合、コンテンツと再生装置(紙)がセットになって定着しているのが、電子書籍に対する誤解の温床と感じる。
電子書店の乱立で何処にアクセスして良いかも分からないが、いずれ淘汰され3~4社だけ残るであろう。どのような電子書籍の世界が実現するかは推測で議論されているに過ぎず、デバイス側とコンテンツ側も試行錯誤を繰り返している。読者の購買行動は不透明であり電子書籍の端末機が先かコンテンツが先かと言われるとコンテンツが先のようだ。
文字コンテンツの消費のあり方が多様化しているだけなのに、まるで『電子が紙に置き換わる』『電子書籍に呑まれて、書店がなくなる』という極端な論調は、大きな誤解。本格的な電子書籍市場を形成するには日本人に最適なプラットフォームとなるデバイスと配信サービスが必須条件となるが、狭い日本語圏の中で電子書籍のビジネスモデルが成立するとは考えにくいので当分は電子書籍と紙の本は併走するであろう。
寄稿:出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏
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