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出版社の読書スタイル　～いつ、どこで、どれ位、本を読んでいるか

　
　　本をつくる人たちは、どの程度、本を読んでいるのだろうか？

　　一般の読者と違って、変わった読書法はあるのだろうか？

そんな素朴な疑問から、出版社を対象にアンケートを始めました。本づくりにたずさわる人たちは、いつ、どこで、どれ位の時間と量を読むのか、そして、いくら位のお金を使っているのか、「出版社の読書スタイル」を追ってみました。アンケートの調査期間は２０１１年９月１６日～１０月７日まで。出版にたずさわる１８９社(者)の読書スタイル。その結果と集計表をご紹介いたします。
　

【調査概要】

　　○　調査方法　　　　　：　　FAX (一部、メールとホームページ)
　　○　調査対象　　　　　：　　出版社勤務者
　　○　調査期間　　　　　：　　２０１１年９月１６日～１０月７日
　　○　回答サンプル数　：　　１８９サンプル
　　○　FAX送信数　　　　：　　８１５１社（１社に複数送付含む）

１、あなたの「職種」をお教えて下さい。（回答は1つのみ）

２、いつ本は読みますか？（複数回答）。
　　また、その中から"最も"重視することを一つだけ挙げて下さい。
　　（回答は１つのみ）

短評

本づくりに携わる人であっても、読書するタイミングは「定番」が上位を占めました。

　　　１位　　寝る前　　　　６２．４％
　　　２位　　休日　　　　　５８．２％
　　　３位　　通勤途中　　４９．７％

その中から、最も重視しているランキングは、

　　　１位　　通勤途中　　　３１．７％
　　　２位　　寝る前　　　　　２９．６％
　　　３位　　休日　　　　　　１６．９％

こちらも定番が上位を占めました。とはいえ、昨今、電車内を見ていると、ケータイを見る人が圧倒的です。そんな中でも、読書に勤しんでいることが理解できます。また、まとまった時間を取ることが難しい現代、「昼食前後」や「お風呂」などの隙間時間を有効に使っていることも垣間見れます。よく本を読む人ほど、５分１０分の短い時間を有効に使っているのではないでしょうか。

３、その本はどこで読みますか？（複数回答）。
　　また、読む場所の中から"最も"重点的に利用するところを一つだけ
　　挙げて下さい。（回答は１つのみ）

短評

読む場所のランキングでは、

　　　　１位　　寝室　　　　　５６．６％
　　　　２位　　リビング　　　４８．１％
　　　　３位　　電車・バス　　４７．１％

と「自宅」と「通勤途中」が上位を占めました。
最も重点的に読む場所のランキングは、

　　　　１位　　電車・バス　　３４．４％
　　　　２位　　寝室　　　　　　２８．０％
　　　　３位　　リビング　　　　１５．９％

と「通勤中」と「自宅」となりました。１の設問と同様に、「昼食時」や「喫茶店」、「病院の待合室」、「トイレ」、「お風呂」など、どこに行くにも本を持ち歩いていることがわかります。

また、変わった回答では、「自動車」や「歩きながら」、「居酒屋」といったものもありました。「自動車」や「居酒屋」で読む人は、書斎が持てない人が多い中、ひとりで静かに読める場所に、これらが選ばれているのではないでしょうか。読書に集中できる環境を確保することの苦労がわかります。出版社勤務者ならではの「書斎化」です。

４-Ａ、一日の読書時間は、おおよそどれくらいですか？
　　　　※「雑誌」と「書籍」含む。（回答は１つのみ）

４-Ｂ、そのうち、"仕事以外"で読む本の読書時間はおおよそどれくらい
　　　　ですか？／１日（回答は１つのみ）

短評

一日の読書時間ランキングは、

　　　　１位　　３０分～１時間　　４７％
　　　　２位　　１～２時間　　　　　３２％
　　　　３位　　２～３時間　　　　　　９％

となりました。
仕事外で読む時間ランキングは、

　　　　１位　　３０分～１時間　　５１％
　　　　２位　　１～２時間　　　　　２３％
　　　　３位　　３０分以内　　　　　１９％

毎日新聞社が行っている『読書世論調査２０１１年度版』のなかで“マスコミ接触と接触時間”、書籍・雑誌読書における「読む時間」全体１位は、読まない・無回答で３０％、２位は、１～２時間未満　２６％、３位は、３０分～１時間未満　２０％です。それと比べると、本を読んでいる時間が多いことがわかります。

一日２４時間のうち、睡眠を８時間、仕事を８時間と考えると残り８時間のなかで読書する時間を取り込んでいると言えるのではないでしょうか。また、読書は「仕事の中の一部」と予想していましたが、実際は、プライベートで本を読んでいることが多いようです。逆にいうと、仕事で携わる本のジャンルをどの程度、読んでいるのか、といった見方も出てきます。