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親野 智可等 氏 書籍『「否定しない」子育て』より

このページは、書籍『「否定しない」子育て』(親野 智可等 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・できていないのを見て叱りたくなったときは、ひとまずぐっと我慢するのです。そしてしばらく待って、ほんの少しでもできているところを見つけてほめるのです。


・私は、「~しなさい」という言い方は好きではありません。なんといっても、自分が言われたときに気持ちのいい言葉ではないですから。(中略)

「~してください」
「~してね」
「~しましょう」
「~してみようか」
「~してみよう」
「~しよう」
「~しようか?」
「~しますか?」
「~するといいよ」
「~したらどうかな?」


・とかく親は、わが子に“ない物ねだり”をするものです。(中略)おとなして優しい子には、「もっと気が強くなってほしい」と言います。活発で元気いっぱいな子には、「もっと落ち着いてほしい」と言います。(中略)でも実際問題として、子どもは、そんなに簡単に変われないのです。


・子のありのままを受け入れる

大事なのはまず、子どものありのままを受け入れることです。たとえば、人前ではっきりものを言えない子でも、それでよしとすることです。その子はそれでいいのです。それそも、“それ”は大した問題ではありません。大人になるころには、できるようになります。


親が目をつぶって、そういうものだと開き直ればいいのです。そのための勇気を持つことです。それが子どもを救います。


・その子のありのままを受容し、共感する言葉が大切です。こちらのほうが、叱ったりいやみを言ったりするよりはるかに効果があります。


・悪いことは「ダメ」と言うべきか(中略)

ちまたではよく、「ダメなことはダメと言わなければいけない」とか、「悪いことは悪いと言うべきです」などと言われます。しかし私は、「ダメなことをダメと言うだけではダメです」「悪いことを悪いと言うのは悪い言い方です」と言いたいと思います。


つまり、大切なことは言い方なのです。(中略)


「~しちゃダメでしょ」「それは悪いことだよ」「~はいけません」などといった言い方ばかりしていたらどうしょうか?子どものほうは嫌になってしまうだけでしょう。


「ダメ」「悪い子」「いけない」という言葉を聞き続けていると、だんだん自分自身が「ダメな子で悪い子でいけない子」と言われているように感じ始めてしまいます。ですから、親の言い方がとても大事なのです。


・NGを上手に伝える三つの方法(中略)

①プラスイメージの言い方にする

「~するといいよ」「~するとうまくいくよ」「~すると気持ちいいよ」などとプラスイメージの言い方にするだけで、受けて(子ども)の気持ちは変わります。


②アイ・メッセージを活用する

「あなたが~すると、お母さんは心配だよ」「~してくれるとお母さんはうれしいな」というように、アイ・メッセージを使った言い方も効果的です。


③ほめる場面から入る

叱る場面から入るのでなく、ほめる場面から入るのも、とても効果的です。

・「今からでも、がんばれば子どもは変わってくれるのでしょうか?」とのことですが、まさに親はそれを求めてしまうのです。


もちろん、子どもは変わります。親が進むべき道を進んでいれば、必ず変わります。でもそれは、親の強い思いを一度脇に置いて、初めて可能になることです。


・マイペースはその子の「特性」(中略)親の発想を変えること(中略)なぜなら、子どもを変えることはできないからです。はっきり言いますが、マイペースを直すことはできません。それに、そもそも直す必要もないのです。(中略)


直せるはずのないマイペースさを無理に直そうとして親子で苦しむより、そこには目をつぶって子どものよい面を伸ばすことです。


・自分がやりたいことを見つけて熱中する楽しさを味わい、その能力を育てること、それは、「生きる喜び」であり、「人生の喜び」そのものなのです。


・「おまえはうそつきだ」「ずるい子だね」「ごまかしが得意だね」などといった人格を否定する言い方は、けっしてしてはいけなません。そうではなくて、「ごまかし」「うそ」「ずる」などの“行為”だけを注意することが大切です。


人格を否定する言い方は口が裂けてもしてはいけません。


・子どもが失敗や間違えをしたときに、きつく叱りつけたり怒鳴りつけたりしてはいけません。それだと、子どもは自分を守るために「ごまかし」「うそ」「ずる」を身につけるほかなくなってしまいます。毎日の生活のなかで、受容と共感を心がけてください。


・使う漢字が必ず増える方法

では、作文や日記の漢字を増やす方法を考えてみましょう。私がよくやったのは、使った漢字に赤丸をつけてやることです。難しい漢字を使っていたら、その漢字に花丸をつけてやるのもいいでしょう。


・続けるより合うものを見つけるのが先決


・本人が意欲的にチアダンスに取り組んでいるときは、大にほめてやってください。大切なのは、ほめ続けることです。そして、他人と比べないことです。


・子どもとの貴重な時間を取り返す一〇の方法(中略)

③親子の交換日記や手紙など、「書いて伝わるコミュニケーション」を増やすといいでしょう。子どもが家に着いたら読んで返事を書く、というようにするといいと思います。


・突き放さず、不安を取り除く(中略)

「お姉ちゃんとしての自覚を育てなくては・・・・・・」とか、「お姉ちゃんらしく自立させなければ・・・・・・」などという考えで、これまでより少し突き放すようにする。これが親の最大の間違えです。これは、まったくの逆効果にしかなりません。(中略)


なぜなら、子どもは一人で生きていけないということを知っていて、親の愛情だけが頼りだと本能的に感じ取っているからです。


・無理に自立させると自立できなくなる。
無理に自立させないと自然に自立する。
自立させたかったら無理に自立させるな。


・いじめ(中略)

直接学校に行って、きちんと話をしたほうがいいでしょう。事前にアポイントを取って、校長・教頭・生活指導主任・学年主任・担任が揃っているところで依頼するのがいちばんよいと思います。


こちらも父親と母親と揃って出向いたほうが真剣さが伝わります。服装もきちんとした、フォーマルなものにしてください。「買い物ついでの来ました」という印象を与えては、ことの重大さとこちらの真剣さを伝えることはできません。


・いじめ(中略)

非難しても相手は「守り」に入るだけ(中略)「うちの子がいじめられているのをどうしてくれるんだ!」という言い方で責めたり、苦情を言うのはなく、「相談に行く」という姿勢を貫くことが成功のポイントです。


・子どもを否定するのをやめる(中略)

アイ・メッセージも有効です。「五時まで帰らなきゃダメでしょ」ではなく、「帰ってこないと、お母さん、心配だよ」という言い方です。これらは、相手を「非難する要素」がないので、子どもも素直に聞けるのです。


●書籍『「否定しない」子育て~親の「話す技術」「聞く技術」21』より
親野 智可等 著
講談社 (2008年3月初版)
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