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阿部 紘久 氏 書籍『文章力の基本』より

このページは、書籍『文章力の基本』(阿部 紘久 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・文章には幹があり、そこに枝葉が付いています。枝葉ばかりが見えて、幹がなかなか見えない文章は、明快な文章とは言えません。


・文章力は次の7つの要素から成り立っています。

①よいテーマを見つける「着想力」
②テーマに関するさまざまな事象に連想を広げる「連想力」
③その中で書くべきことを峻別する「優先順位の判断力」
④書きべきことを「構造的に把握する力」(脈略なしに言葉を並べても、読み手は理解してくれません)
⑤そこに自分独自の考えを加える「創造性、独自性」
⑥読み手の立場、心情、知識レベルなどを理解する「人間理解力」
⑦言わんとすることを、読み手に伝わる簡潔・明快な言葉で表現する「言語表現力」


・文の前半と後半をかみ合わせる(中略)

「特徴は」「特技は」「長所は」「役割は」のように誰(何)かの「属性」について述べるときには、「こと」で受けます。名詞の形にするためです。


原文 文章を書く上で第一に留意したい点は、文章を短くまとめる。

改善 文章を書く上で第一に留意したい点は、文章を短くまとめることだ。(中略)


「留意したい点は」「頭に浮かんだのは」なども、「こと」で受けます。

・日本語の「てにおは」(助詞)は、人と人、人ともの、ものとものの関係を示すとても大事な役割を担っています。(中略)

原文 私は将来ユニセフで働きたいという夢がある。

改善 私には将来ユニセフで働きたいという夢がある。

    または

    私は将来ユニセフで働きたいという夢を持っている。


・「run」は普通、「走る」という意味だと思われていますが、それ以外にも、「動く」「継続する」「流れる」「展開する」「立候補する」などの意味でも使われます。(中略)適切に使える語彙を少しづつ増やしてください。


・私は、「1つの段落は、長くても250字以内にしよう」と指導しています。一方では、1つの意味の固まりがそこにあるなら、1つだけの文だけの短い段落があっても一向に構いません。ですから、平均すると、1つの段落の長さは150~200字程度になります。


・読み手に頭を使わせない

文章は、「最後まで読んで考えれば、分かるはずだ」ではいけません。「考えなくても、読むそばからスラスラ分かる文章」が、いい文章です。


・「これ」「それ」は直前の言葉を指す

「これ」「それ」「あれ」、「ここ」「そこ」「あそこ」などの指示代名詞は、しばしば読み手に混乱をもたらします。誰が読んでも誤解の余地のない直前の言葉を指すときにのみ、指示代名詞を使うべきです。


・読点は、意味の切れ目に打つ

読点(、)は、息継ぎ記号ではありません。1つの文の中で、意味の固まり(言い換えると、意味の切れ目)を視覚的に示すものです。


・読点がほしいところ

①「長い主語」「長い述語」「長い目的語」の切れ目
②「原因」と「結果」、「理由」と「結論」の間
③「前提」と「結論」の間
④「状況・場の説明」と「そこで起きていること」の間
⑤時間や場面が変わるところ
⑥逆説に変わるところ
⑦2つのものを対比するとき
⑧隣同士の修飾語の間に、予想外の関係が生じてほしくない場合
⑨よく使われる別の意味の表現と区別したいとき
⑩ひらがなばかり、漢字ばかり、カタカナばかりが続く場合


・同じ意味が続いて出たきたら、1つにする

ムダな言葉を削るときに真っ先に考えるのは、同じ意味を重複して書かないことです。

原文 地球環境に優しい住まいの条件として、2つの条件があげられる。

改善 地球環境に優しい住まいの条件は、2つある。


・同じ意味の言葉を重複して書かない

言葉を変えて同じ意味のことを重複して書いてあるケースは、意外にも多いものです。そのような重複も省いて、「1語でも短く、1字でも短く」と心がけましょう。


・「なぜなら」「理由としては」なども省く

これも、言われなくても読み手には当然分かる表現の例です。(中略)

「よく」「しばしば」「何度も」「主に」「多い」「少なくない」も、言葉は違いますが意味はほとんど同じです。ですから、2つ重ねるのは余計です。


・「という」を削る

「という」という言葉は、しばしば省くことができますし、省いたほうが良くなります。

原文 人と約束した時間を守るということを大切にしている。

改善 人と約束した時間を守ることを大切にしている。


・感動を押しつけず、読み手自身で感じてもらう(中略)

一番望ましいのは、「感動」とか「感激」に類する言葉はいっさい使わずに、その場の状況を淡々と目に浮かぶように描き、それを読んだ人が自発的に「素晴らしい」「感動的だ」と思ってくれることです。


・自分のことは、「できます」「できます」と言わずに、たとえば次のようなトーンで書くのがいいでしょう。


●私は物事を客観的に見ることができ、主観に偏らずに考えたり判断したりできます。

●私は物事を客観的に見て、なるべく主観に偏らずに考えたり判断しようと常に努めています。


・カッコをいくつか並べるときには、間に読点(、)を打ちません。読点がなくても何ら誤解を与えることがないからでしょう。無用なものは取り去るにしかず、です。


・文章の中に『 』を多用する人がいますが、二重カッコはセリフの中のセリフと、書名だけに使うことが習慣になっています。


・横書きでも漢数字を使う言葉がある

横書きのときは漢数字ではなく算用数字を用いるのが原則です。しかし、以下のような言葉は、横書きであっても漢数字を使います。

原文 そのことが私にとって1番重要です。

改善 そのことが私にとって一番重要です。(中略)

十数人、数百件、五十数億円(中略)第二次世界大戦、北方四島、五大陸(中略)一日千秋、二束三文、七転八倒(中略)、一時しのぎ、一日一日、四つ角、第六感(中略)三回忌、六代目菊五郎


・良い文章を書くための基本的な資質も、3つあると思います。第一に、「自分の頭で感じたり、考えたりする習慣」です。(中略)

第二に、「相手の身になって感じたり、考えたりする想像力」です。(中略)

第三に、「健全な言語感覚を持つこと」です。(中略)的確な言語表現力です。


●書籍『文章力の基本』より
阿部 紘久 著
日本実業出版社 (2009年7月初版)
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