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毎日新聞社が毎年行っている「読者世論調査」から、“メディアに使う1日平均時間”を紹介したい。
出版物 |
新聞 |
ラジオ |
テレビ |
ネット |
|
全体 |
52 分 |
35 分 |
52 分 |
179 分 |
44 分 |
男性 |
56 分 |
39 分 |
61 分 |
166 分 |
54 分 |
女性 |
49 分 |
30 分 |
44 分 |
192 分 |
3 分 |
10歳代後半 |
58 分 |
8 分 |
12 分 |
147 分 |
78 分 |
20歳代 |
56 分 |
14 分 |
26 分 |
172 分 |
96 分 |
30歳代 |
49 分 |
20 分 |
33 分 |
171 分 |
66 分 |
40歳代 |
47 分 |
31 分 |
56 分 |
154 分 |
52 分 |
50歳代 |
50 分 |
35 分 |
50 分 |
183 分 |
34 分 |
60歳代 |
57 分 |
49 分 |
77 分 |
201 分 |
18 分 |
70歳以上 |
53 分 |
61 分 |
74 分 |
207 分 |
7 分 |
大都市圏 |
58 分 |
35 分 |
35 分 |
176 分 |
54 分 |
中都市圏 |
53 分 |
31 分 |
31 分 |
177 分 |
49 分 |
小都市圏 |
49 分 |
35 分 |
35 分 |
181 分 |
38 分 |
町村部 |
50 分 |
38 分 |
38 分 |
186 分 |
37 分 |
※毎日新聞読者世論調査資料・出版物は雑誌も含む
※大都市圏は東京23区と政令指定都市・中都市圏は人口20万人以上
出版物は別資料の書籍だけを見ると、50歳代から年齢が上がるにつれて読む時間が減る傾向にある。若者世代は、雑誌の利用率が高いため高い数値が出ているが、雑誌を除くと低くなっている。
昨年の厚生労働省調査によると、『子どもの読書量は両親の読書量に正比例する』との結果が出ている。しかし、30代・40代の両親の読書時間が少ないことで、子どもたちの将来の読書時間量は少なくなることも推測されてくる。両親が読まないのに子供が読むわけが無いし、親の背中を見て子供の読書量は決まると考える。
新聞を閲覧する時間は、10代後半が最低の時間となった。また、年齢が上がるにつれて読む時間が増加している。10代・20代の年齢層の10年後には紙の新聞からネット情報へと変化することが伺える。
大都市圏と町村部の読む時間に変化が無いことは、新聞配達の努力の結果。ネット利用者が増えてくると、たとえその情報が間違っていなくても、表面的・断片的な情報に左右される傾向が強くなるだろう。
団塊の世代以下の層から、閲覧時間は減り続ける確立が高くなってきたことが伺える。これは単に紙の新聞離れであってニュースや情報離れでは無い。団塊の世代以下もそれが断片的であっても情報の塊はインターネットから収集するので、出版社も新聞社も自前のコンテンツをデジタル化すればするほど収益は上がらなくなってくるだろう。
読売新聞・朝日新聞を含めて、新聞の販売量は下げ止まらず新聞もネットへ移行する実験中だが、ネットでは広告収入が大幅に減収となり、今のままでは経営が更に厳しくなると思われる。
ラジオも年齢層が上がるにつれて、聞く時間が多くなる傾向にある。特に、60代・70代が極端に聞く時間が多いのはNHKラジオの深夜放送番組が影響していると推測する。表には無いが男性・女性のポイントの差はテレビとラジオの逆転で推測できる。
ネット利用時間に関しては20代が一番多く、年齢が上がるにつれて少なくなってくるが高年齢層はネット情報に接触する機会が少ない為と考えられる。パソコンが企業に導入され使用した最初の世代が団塊の世代であり、この世代は定年で退職始めたが高年齢になってもパソコンは使い続けるだろう。
近未来には、5つ目のメディアに新たに電子書籍が参加する可能性はあるが、未だ実験段階である。昨年は電子書籍に対する期待が恐ろしいばかりに膨れ上がった。但し、それは出版物の販売額が増加しない出版社の淡い期待が高いだけで、読者は冷めた見方をしているのが現実である。
電子書籍は本では無いことが公取の発言で理解できるが、紙の出版物と電子書籍は当分の間は併走を続けるだろう。狭い日本語圏での電子書籍の拡大は正直誰にもわからない。
寄稿:出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏
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