このページは、書籍『ほんわか!』(北尾 トロ 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・出版広告は“車内吊り”にイノチを賭ける!?(中略)
中央線に乗り込み車両にある広告を片っ端から数えてみた。
●車内吊り 28
●側面壁貼広告 42
●ドア上壁貼 32
●ドア上横長広告 10
●目線位置 20
●シール広告 20
立ち位置目線より上に、計152もの広告がひしめきあっている。出版関係は11あり、8本が車内吊りだった。壁より目立つからだろう。明らかに吊り重視だ。
・●JR山手線 総広告数:130 出版関係の広告数:18 →割合:14%
吊り:28 出版関係の広告数:14 →割合:50%
●営団地下鉄東西線 総広告数:58 出版関係の広告数:8 →割合:14%
吊り:28 出版関係の広告数:8 →割合:29%
●JR総武線 総広告数:88 出版関係の広告数:19 →割合:22%
吊り:22 出版関係の広告数:15 →割合:68%
●JR京浜東北線 総広告数:118 出版関係の広告数:18 →割合:15%
吊り:28 出版関係の広告数:18 →割合:64%
●JR高崎線 総広告数:57 出版関係の広告数:1 割合:2%
吊り:10 出版関係の広告数:1 →割合:10%
●東急田園都市線 総広告数:75 出版関係の広告数:8 割合:11%
吊り:24 出版関係の広告数:8 →割合:33%
●ほか、JR常磐線、JR横浜線、営団地下鉄有楽町線(2パターン)でも同様にカウント調査。
●合計● 総広告数:959 出版関係の広告数:132 →割合:14%
吊り:246 出版関係の広告数:109 →割合:44%
全体に対する出版広告の割合は14%だが、吊り広告に限ると出版広告の占める割合は44%に激増!
・山手線や総武線、京浜東北線なんか見出し天国だよ。もっとも、これは都市部の傾向であり、高崎線は見てもわかるように、地方になるとガクンと減るようだ。
・この仕掛けに対する乗客の反応だが、食い入るように広告を見ている人は案外少なかった。(中略)座るにしろ立つにしろ、居場所が決まったところでおもむろにナナメ前方に目をやるパターンである。だいたい発車直後のタイミングでチラリ光線を発するね。
・広告に依存する傾向は通勤電車で顕著になる。混雑で新聞も本も読めない状況だし、人の頭ばかり見ていてもしょうがない。情報性と娯楽性を備え、眺めていても不審に思われないものといったら広告しかないのである。(中略)雑誌広告は情報の幅でも量でも他を圧倒する存在感を示す。
・木俣編集長が気になる存在だと言っていた『AERA』は、車内吊りの下の部分に毎号掲載されているダジャレコピーの注目度が高い。「私、ファンなんですよ。朝日新聞社がどうしてダジャレっていうギャップが何ともいえないんですよね」
・読んだ人の多くが“わかるわかる”ってものにしなければならない
・あなたはきっと覚えていない、そう繰り返すことで、ぼくは片時もあなたを忘れられないのだと恋ゴコロを訴えてる作戦だ。
・静かに座って読書に集中することで、地震の恐怖から逃れられた。本には気持ちを鎮める効果があります。私は震災後、生きているうちにできるだけ多くの本を読もうという気になった。
※ダ・ヴィンチ 震災地在住読者FAXアンケートより
・当初、よく売れたのは地図や週刊誌などの雑誌。受験期だったので学習参考書を求める人も多くいた。変わったところでは借地権などの法律書や六法全書が売れたらしい。
※神戸元町にある『海文堂書店』
・本というのは必需品ではない。ライフラインや交通が揃って生活の基盤が整った状態で、初めて人は本の世界に入っていける。コンビニでも震災直後は食料品ばかり売れ、雑誌や化粧品なんか、誰も見向きもしなかった。
・なくても困らないものに関わって生きている。本という、なくても困らないものを好きでいられる幸福を、大切にしなきゃならないと自分に言い聞かせる。
●書籍『ほんわか!~本についてわからないこと、ねほりはほり!』より
北尾 トロ 著
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