このページは、書籍『新・心理学入門』(宮城 音弥 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・心理学というの科学は、「心」という「もの」を研究する学問ではなく、精神現象とか行動(感じることも、考えることも、すべてこれにふくめる)を研究する科学である。
・行動には、物事(情況)に対する主体の態度、あるいは価値づけを伴っている。これを感情という。
一般的に言って快はわれわれにとって都合のよいもの、不快は不都合なものである。快を求めるのは、適応することであるし、不快を感ずるものは不適応の証拠である。
しかし、いったい、快を生じるようなものは、かならず、よいものであり、ヤクにたつものであろうか。不快を生じるものは、つねにわるいもので有害なものなのであろうか。
・無意識の世界には抽象的な観念がない。夢をみるといい、夢を考えるといわないのは、夢が具体的な像として展開するからである。
・コドモの知能の発達には四段階がある。
(一)感覚運動的知能期------生まれてから二歳までの時期の知能の段階で、思考とか言語を使わず、感じて反応するだけの時期である。(中略)
(二)前操作的思考期------二歳から七歳までの時期で、考え方が自己中心的で自分の好き嫌いで判断するだけである。(中略)
(三)具体的思考操作期------小学校時代(七歳から青年前期)で、この時期には可逆的な思考ができるようになって、(中略)抽象的な考え方は発達していないが、具体的には推理できる。(中略)
(四)形式的思考操作期------物事を具体的操作で考えるだけでなく、仮説的に考えたり、抽象的なものについて考え得るようになる。
・記憶と忘却(中略)
記憶するためにくりかえして学習するばあいに、一日八回ずつ三日のばあいと、一日四回ずつ六日および一日二回ずつ一二日に分けるばあいとでは、回数からいうと、すべて二四回であるが、一日二回ずつのばあいが一番成績がよく、一日四回がこれにつぎ、一日八回で三日くりかえすのが一番成績がわるいこと、すなわち、間をおいた方がよいことが示された(ヨーストの法則)。
●書籍『新・心理学入門』より
宮城 音弥 著
岩波書店 (1981年3月初版)
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