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通常、書店と取次は委託制度で取引され、本屋は売れない本を返品できます。つまり、書店側には大きなリスクはない形です。それゆえ、返品は減らず大きな問題となっていました。一方、書店側にはリスクがない代わりマージンは多くありませんでした。
そこで、出てきたのが責任販売制です。責任販売制とは、一般的に書店側に仕入れや返品について一定の条件を課す代わりに、マージンの引き上げや希望数を出荷するなどを与える取引方法のことを指します。
では、責任販売制 「SCM銘柄」とは何なのか。書籍『12人の優しい「書店人」』(山本 明文 著、商業界)よりご紹介したいと思います。
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出版社、取次は「責任販売制」(中略)実行に移してきた。(中略)その一つが、日販が進めているのが「SCM銘柄」だ。まず、日販と出版社、日販と書店がそれぞれ別個に「SCM基本契約」を結ぶ。
日販が「SCM銘柄」を選定し、その書籍を書店が日販に注文を出せば、出版社は必ず二週間以内に全数出荷する。書店はその書籍の返品率を一五%以下にするように売り、仮に一五%を超えることがあれば契約を解かれる。
日販は出版社へペナルティを支払う。三社がリスクを背負って返品率を引き下げようという制度だと言われている。
一方、二〇〇九年から筑摩書房など出版社八社が始めたのが「35ブックス」だ。現行、二二~二三%の書店の利益を三五%に引き上げる代わりに、売れずに返品となった書籍の引き取り価格も三五%にする。
現行の委託制度では売れ残った本の代金はまるまる返る計算だが(中略)、「三五ブックス」では三五%しか返らない。書店にとっては、売り切れば今より高いマージンが手に入るというインセンティブが働き、売り残ればペナルティになる。
●書籍『12人の優しい「書店人」』より
山本 明文 著
商業界 (2011年3月初版)
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