このページは、書籍『笑いの仕事術』(村瀬 健 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・漫才は「ボケ」と「ツッコミ」で形成されます。常識とズレた発言をするのがボケ。そのズレを指摘するのがツッコミ。漫才の笑いは、ボケを起点として生まれるわけです。
・「今日は、どういった髪型をお考えですか?」
「パーマンにしてください」
「えっ?」
「パーマンにしてください、あっ間違った、パーマを当ててください」
「・・・・・・パーマですね。どんなパーマで?」
「2号で」
「パーマンですよね、それ?」
・たとえばコンビニなら、レジで雑誌を渡して、こう言ってみましょう。「あたためてもらえますか?」これを1回言うだけでも、かなり度胸がつきます。
・「ボケのつくり方」(中略)
ボケというのは、常識を「ずらす」ことから生まれます。この基本さえ押さえておけば、それほど難しいものではありません。「傘がない人に、傘を渡すのではなく、シャンプーを渡す」(中略)「シャンプーを渡す=雨を利用して頭を洗ってください!」という選択をするわけです。
・千原ジュニアから学ぶ「比喩ボケ」の極意
「チャーシューが入っていないラーメンなんて、徹子のいない『徹子の部屋』や!」(中略)
「チャーシューが入っていないラーメンなんて、ムツゴロウのいないムツゴロウ王国や!」
「チャーシューが入っていないラーメンなんて、ポケットのないドラえもんや!」
・ボケがおかしなことを言う人なら、ツッコミはそのおかしさを正す人です、このおかしさは、「違和感」とも表現できます。
・今田耕司から学ぶ「やさしいリアクションツッコミ」の極意(中略)
出演者の誰かが、番組中にスベったとします。今田さんは体を両手にこすりながら、次のようなツッコミをします。「あれっ、今日。なんか冷えるな・・・・・・」安易に「お前、寒いんだよ!」と言わないところが、今田さんのすごいところ。
・失礼なことを言われたときは・・・・・・(中略)
「お前、すごい太ってるな。単一電池みたいな体形だな」(中略)「ちょっと、プロの芸人みたいないじり方、やめてくださいよ!」
・タモリさんのように「大変でしょ?」「腹が立つこともあるでしょ?」とツッコミで情報を聞き出して、そこから共通点を探っていくのです。初対面の人との会話は、相手との共通点が見つかれば、盛り上がりやすいですからね。
会話例
「鈴木さんって、お仕事はなにをされているんですか?」
「商社で働いています」
「商社ですか。でも、商社も、不況で大変でしょ?」
「そうなんですよ。売り上げもガタ落ちですよ」
・ツッコミの代わりに乗っかって、お偉いさんを喜ばせる(中略)
「500円あげるから、千円をくれない?」
こんなボケをされたときも、「私が損するじゃないですか!」と反発するのではなく、あえて「いいんですか?」と乗っかってください。
・「取引先に嫌われない断り方」(中略)
「個人的には好きなんですけど・・・・・・」
この返しだと、あなた自身は、その商品を認めていることになります。このあとに否定しても、相手へのダメージは少なくて済むのです。(中略)
相手の意見を認めづらいときも同じです。「個人的にはいいと思うんですけど・・・・・・」この返しを覚えておくだけで、人間関係は違ってきます。
・落語の世界で、よく使われる言葉があります。
「ネタをくる暇があったら、間の使い方を覚えなさい」
この「ネタをくる」というのは、「ネタをおもしろくする」という意味です。つまり、「ネタをおもしろくするよりも、間の使い方を覚えるほうが、笑いが大きくなる」ということなのです。
・間を取ることには、実に多くの目的があります。
言葉を強調する。
味わい深さを表現する。
聞き手を引きつける。
怒りを代弁する。
居心地を悪くする。
あきれを表現する。
スベったボケをウケさせる。
ツッコミを入れる。
・レポーターの多くは、口に入れてすぐに、「うまい」とは言いません。数秒は黙り込んでから、「・・・・・・・・・・・・うまい」と言います。この数秒があるからこそ、その後のコメントに説得力が増します。テレビの前の視聴者は、おいしそうに聞こえるわけです。
・有吉弘行(中略)さんは、テレビ番組で「仕事で気をつけていることはなんですか?」と質問されて、このように答えています。
「テレビ番組のAD(アシスタントディレクター)に頭を下げることです。プロデューサーにはもう、気に入っている連中は決まっています。僕のことなど気に入ってくれませんし、ADはすぐにディクレターに出世するので、だからこそ、ADにほうにゴマをするんです」
・「また一緒に仕事ができるといいですね」
「ぜひ、ぜひ!」(中略)
2回繰り返すことで、「また一緒に仕事がしたくて仕方がありません!」と言っているように聞こえるのです。(中略)
ありきたりの表現も、次のような飾りつけで、印象は大きく変わります。
「うれしいです!」 → 「死ぬほどめちゃくちゃうれしいです!」
「がんばってくださいね」 → 「マジでマジで、がんばってくださいね!」
「お疲れさまです!」 → 「鈴木部長、お疲れさまでございます!」
・リアルな「愛想笑い」をする(中略)
腹筋に力を入れて笑うと、体が小刻みに揺れます。5秒ぐらい体を揺らしてから顔を上げ、目尻が下がった表情を相手に見せつけるのです。
・予想されるボケに対して、ツッコミを決めておく(中略)
「お前、なんで来たの?」(中略)
「私がいなかったら、始まらないじゃないですか!」
・途中で帰るときは、全員に頭を下げる(中略)
「空気が読めない感じで、本当に申し訳ないんですけど・・・・・・」(中略)心の声を言ってしまうテクニックです。誰もが「えっ、もう帰るの?」と思っていることを、あえて逆手に取るわけです。これを言うだけで、「よっぽどの用事があるんだな」という空気になります。
・出版コンサルタントの糸井浩さん
●書籍『楽しく生き抜くための 笑いの仕事術』より
村瀬 健 著
マガジンハウス (2011年3月初版)
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