このページは、書籍『日本語 ことばのルーツ探し』(吉田 金彦 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・さくら
舞台と客席、役者と見物のつなぎ役(中略)
「私は花咲かじじいです。枯れ木に花を咲かせましょう」と言って舞台に出てきた主演者、見物に向かってザルの中の灰をまく真似をする。すると観客の中から花の枝を差し出して、客席いっぱい花盛りとなる。(中略)
客席から花をかざすのは、あらかじめ三、四人の世話役が見物中に混じって座っており、役者が灰をまくと同時に、用意していた桜の花をいっせいに上げ、頭に挿すのが仕組みになっている。(中略)
このように客と見せかけ、客の間に混じって主演者を助け、座興のおもしろみを作るのがもともとのサクラであって、舞台と客席、役者と見物とが一体となって楽しむつなぎ役なのである。
・ごめんください
武家社会で生まれた挨拶?(中略)
ゴメンは「お役御免」「御免蒙る(ごめんこうむる)」など言われ、もと免許の敬語。容赦する、免許がおりる意である。クダサイはクダサルの命令形で、私に与えてくれというもの。だからゴメンクダサイは「あなたの好意と恩恵によってお許しを与えてくれ」という意味である。
●書籍『日本語 ことばのルーツ探し~意外な由来、面白い語源』より
吉田 金彦 著
祥伝社 (2003年4月初版)
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