このページは、書籍『「暮しの手帖」とわたし』(大橋 鎭子 著、暮しの手帖社 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・田所(太郎)さんと花森(安治)さんは、旧制松江高校から同期で、松江では、いっしょに「校友会雑誌」を作り、東大に入って「帝大新聞」でもいっしょで、大の親友でした。
・日本出版文化協会の主な役割は、内閣情報局のもと、出版物の統制、検閲の強化です。戦時中の出版界は、出版社が本を発行するときは、著者の原稿を、まず出版文化協会に提出します。
・創刊号は昭和二十三年九月二十日発売。表紙は花森さんの絵で、こんな言葉が入っています。「美しい暮らしの手帖 第一号 新しい婦人雑誌」
表紙を開くと、まず、とびこんでくるのが次の一文です。
これは あなたの手帖です
いろいろなことが、ここには書きつけてある
この中の どれか 一つ二つは
すぐ今日 あなたの暮らしの役立ち
せめて どれか もう一つ二つは
すぐには役立たないように見えても
やがて こころの底ふかく沈んで
いつか あなたの暮らし方を変えてしまう
そんなふうな
これは あなたの暮らしの手帖です
花森さんが書いた、いわば「暮らしの手帖宣言」で。六十数年後の今も続いています。
・プランは私や妹たちも出します。「こんなプランはどうでしょう」。すると花森さんは、「おもしろいんじゃない。やろう、やろう。でもそのままじゃだめだから、こうしたらいいんじゃない」などとおっしゃる。
・雑誌作りというのは、どんなに大量生産時代で、情報産業時代で、コンピュータ時代であろうと、所詮は〈手作り〉である、それ以外に作りようがないということ、ぼくはそうおもっています。
※花森安治氏談
●書籍『「暮しの手帖」とわたし』より
大橋 鎭子 著
花森 安治 イラスト
暮しの手帖社 (2010年5月初版)
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