FaxDMトップ > 会社案内 > 成功者の知恵 > 川崎 真衣 氏 書籍『サービスパーソンのための ディズニーランドのハッピーサイクル研修』より

川崎 真衣 氏 書籍『サービスパーソンのための ディズニーランドのハッピーサイクル研修』より

このページは、書籍『サービスパーソンのための ディズニーランドのハッピーサイクル研修』(川崎 真衣 著、こう書房 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・ディズニーランドのエントランスの床の色は濃いグレーなのですが、実はお客様が通る入り口のところだけは、赤く塗られているんです。なぜ「赤」なのか。(中略)


入り口を通るお客様=すべてのお客様は「レッドカーペット」の上を歩くに値する「VIP」である!(中略)


入り口から「歓迎」と「お客様を大切に思う気持ち」を表現しているんですね。


・パークの床がメッセージを発していることを知ったスタッフは、自分のそのメッセージにふさわしい行動を取ろうと考えます。(中略)床が赤色であることで、まず最初にスタッフの意識が変わり、それがお客様へと大きく影響していき、お客様の満足感が高まる結果へとつながる


・「ワールドバザール」という名前がついているのは日本のディズニーランドだけです。他の国では「メインストリートUSA」という施設名になっています。(中略)


日本って雨がすごく多いですよね。それなのに、もしワールドバザールに天井がなかったら、雨の日はお土産を買うのにもひと苦労、楽しい思い出も雨と一緒に流れていってしまいます。


・ワールドバザールの建物は、遠近法を利用して、奥行きや高さを錯覚するようにつくられているんですよ。たとえば、建物は上のほうにいくほど縮尺が小さくなっていたり、メインストリートはエントランスからシンデレラ城へ近づくにしたがって、道の幅がどんどん狭くなっていきます。そうすることで、屋根があっても閉塞感を感じずに、のびのびショッピングを楽しむことができるようになっているんですね。


・お客様は、工夫していることよりも、手抜きしてしまったことのほうが敏感に感じてしまう。だから、ディズニーランドは細かいところまで「手を抜かない」んです。


・実際のシンデレラ城の高さは51メートルしかありません。なのに、なぜそんなにも大きく見えるのか?(中略)遠近法が使われいるんです。石垣が上にいくにつれてだんだん小さくしてあったり、窓なども高くなるにつれて徐々に小さくなっています。こうすることで実際の高さよりもずっと高く見せているんですね。


・ウォルト・ディズニーは、こんな言葉を残しています。「パークにいるあいだは、お客様には現実の世界だと思ってほしくない。まったく別の世界にいると感じてもらいたいんだ」


・ディズニーランドは「本当の大きさにこだわること」よりも「まったく別世界にいると感じられる空間をつくること」のほうが大切だと考えている(中略)


一説には、だからディズニーランドには観覧車がないとまでいわれるくらいです。観覧車(中略)で高いところまで上がっいってしまったらパークの外の現実世界が丸見えです。(中略)“非現実世界”=夢と魔法の王国を守ることはできませんから。


・シンデレラ城のトリビアをひとつ。このお城には全部で29の塔があります。塔の屋根の色はだいたい青なのですが、いちばん背の高い塔は屋根の色が金色です。その金色は、なんと本物の金で塗られているんです!


・キャッスルカルーセル(回転木馬)(中略)

白馬に乗ると必ず棒につかまる(中略)その棒は金色で、そこにも本物の金が使われているんです。(中略)


お客様は、この「本物の金」を手にするに相応しい、大切な存在です。


・ディズニーランドのスタッフは、いつも楽しそうに仕事ができるのか。そこには秘密があるんです。もちろん、ディズニーランド内だけしか使えない秘密なんかじゃありませんよ。アナタのお店でも「サービスの魔法」が使えるようになる秘密です。


・ディズニーランドでは「スタッフ」ではなく「キャスト」と呼ぶ理由(中略)

キャストが指すところとは、「演技をする人」(中略)

ディズニーランドでは舞台で、スタッフは、その舞台で「役」を演じる人。ディズニーランドという舞台の上で、それぞれのスタッフが自分に与えられた役をきっちりと演じきることで、お客様を魅了し、楽しませ、よろこばせる


・ディズニーランドの「キャスト」たちは「仕事」をしているのではなく、「ショー」を演じています。というか、「ショーを演じる」という仕事をしているんです。


・「キャスト」つまり演者には、演じるうえで絶対に欠かせない「あるもの」があります。その「欠かせないもの」って何でしょう?(中略)


ディズニーランドという舞台での「設定」がそれぞれ細かく決められている(中略)この「設定」のことを、ディズニーランドでは「バックグラウンドストーリー」と呼んでいます。


バックグラウンドストーリーには、「その施設がどうありたいか、その施設のキャストはどんな立ち振る舞いをすればよいのか」についての基盤となる考え方が、物語仕立てにしてあります。この「基盤となる考え方」が、台本代わりとなるんです。キャストがキャストであるための「行動指針」みたいなものですね。


・ホーンテッドマンションのキャストは、幽霊に雇われている執事とメイドです。そして彼らは、屋敷内では笑顔を禁止されています。(中略)


幽霊に雇われているメイドですから、やっぱり笑顔より、むしろ表情のあまりない、陰気で不気味な感じのほうが似合います。(中略)


「なんだかんだいって、結局“笑顔が大事”ってことなんじゃん!」という疑問は解消されたでしょうか。お客様に接するときには「笑顔が絶対」------なのではありません。笑顔になることでストーリーが壊れるなら、たとえお客様の前でも笑顔にならないほうがいいのです。


・キャストには目指す「ゴール」がある(中略)「ゴール」とは、どんなことに向けて働くかを言葉にした最終目標のことです。(中略)


「ゴール」とは、【すべてのゲストにハピネスを提供する】


・すべてのゲストにハピネスを提供するために大切な「4つの鍵」とは、

①安全性
②礼儀正しさ
③ショー
④効率(中略)

①~④の順番は、その「大切な順」になっています。つまり、「安全性」がいちばん大切で、「礼儀正しさ」のほうが「ショー」より大切


・どんなにステキなショーを見せられても、効率よくパークを回れたとしても、お客様がケガをするようなことがあれば、ハピネスは一瞬でなくなってしまいます。だから、「礼儀正しさ」よりも「ショー」よりも、いちばん大切にすべきは「安全性」なんです。


・たとえば、お客様がジュースを床にこぼしてしまったとします。(中略)ディズニーランドのキャストは、手では拭きません。紙ナプキンをジュースのこぼれたとこに数枚置き、足で拭くんです。(中略)


「足で拭くとは、なんてズボラな!」と思いましたか?でも、これも「安全性」を第一に考えた結果なんです。


床にこぼれたジュースを手で拭くには、その場所にしゃがまなければなりませんよね。もそもキャストがしゃがんで拭き取り作業をしているところへ、小さな子供が前を見ず、うしろから歩いて来るお父さんお母さんのほうを見たまま走ってきたら、しゃがんでいるキャストに気づかず衝突し、転んでケガをしてしまうかもしれません。(中略)


ちなみに、どうしてもしゃがんで作業をしなければならない場合には、必ず2人以上のキャストで作業し、1人は見張り役になります。ここまで徹底して「安全性」が守られています。


・どんな職場だと楽しく働けますか?(中略)

私がいう「楽しく」とは、あくまでも「やりがいや充実感、達成感から生まれる楽しさ」のことです。(中略)腹をかかえて笑い転げるような「楽しさ」とは違います


・ディズニーランドで1年に1回、約2~3ヶ月間にわたって、キャストどうしで褒め合うというキャンペーンを行っています。やり方は、こうです。


まず最初に、キャスト全員に「Dカード」という、名刺サイズのカードがひとり10枚ずつ渡されます。Dカードには自分の名前を書くところがあって、10枚すべてに自分の名前を書き込んだら準備OK。あとはこのカードを、褒めたい相手に渡していくんですね。


たとえば、「彼のいまのお客様への対応、すごくよかったな」と思ったら、そのキャストにDカードを1枚渡します。(中略)


相手をやる気にさせるだけではないんです。誰かを褒めるためには、一緒に働く仲間たちをよく観察しなければなりません。よく観察すると、いままで気づかなかった「相手の良いところ」に気づけます。


その気づきは、一緒に働く仲間の素晴らしさを再評価し、信頼を深めることにもつながるし、「自分はそれをできているか」を見直すきっかけにもなるんです。


・サービス業の仕事とは、「対価のためにサービスをする」ことではありません。(中略)「お小遣いが欲しくて、おじいちゃんの肩たたきをする」のではなく、「肩たたきをしてあげたら、おじいちゃんはとっても気持ちよくて嬉しくなったので、お礼にお小遣いをくれた」という考え方です。


・ディズニーランドには、アトラクション、ショップ、レストランすべてあわせて約150の施設があります。その施設の数だけ、施設へのこだわりが存在するということです。さらにバックグラウンドストーリーへのこだわりとなると、施設の数以上になります。


・ディズニーランドには看板がほとんどないって、ご存じでした?

あれって、お客様とキャストがコミュニケーションをとる機会をより多くつくるために、意図的にそうしているんです。


●書籍『サービスパーソンのためのディズニーランドのハッピーサイクル研修』より
川崎 真衣 著
こう書房 (2011年4月初版)
※amazonで詳細を見る