このページは、書籍『女性のこころをつかむマーケティング』(ブリジット・ブレナン 著、海と月社 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・男女の違い①
女性と男性では、「達成」の定義が違う。男性は、独立した存在になろうと努める。女性は、かけがえのない存在になろうと努める。(中略)
女の子は、お医者さん、お母さんと赤ちゃん、学校、お店などのごっこ遊びをする。人形を使って子育てごっこをすることも多い。
育てること、そして公平さが、女の子の遊びの根本にある。(中略)
男性はスタイタス、女性は横のつながりを重視する
・男性は、助けを求めるのは弱さのしるしで、どうしようもなくなったときの最後の手段だと考える。女性は、人に道を聞くのは賢明な方法で、時間の節約にもなると考える。
・男女の違い②
女性は自分の気持ちを語り合い、弱いところを見せ合うことで結びつく。
男性はおなじ活動にたずさわり、自分の弱みを隠すことで結びつく。
・共感は効果的なセールスのツール。
弱みを明かすことで、販売員は女性の顧客とのつながりを築くことができる。「私もやっぱり、このコンピュータプログラムを初めてインストールしたときは、ずいぶんややこしいと感じましたよ」などというだけで、女性の気持ちは休まる。このテクニックは複雑で高価な品、たとえば保険、住宅、自動車、抵当、家電、金融サービスなどを売り買いするときには、とくに威力を発揮する。
・感謝の気持ちを示すことが、女性のあいだに口コミを広め、リピーターになってもらうための最もかんたんな方法。女性のクライアントには、なるべく早く、何度も感謝のしるしを示すこと。女性は感謝を示す会社と取引しようとするし、そうした会社のことを友人や同僚たちに話すだろう。
・男女の違い③
女性は男性よりも口が立つ。女性は細かな点に注意を向け、製品やサービスへの愛着の気持ちを友人たちに伝えようとする。
・女性がおしゃべり好きなのは二つの主な理由があり、どちらの脳の仕組みに関係している。ひとつは前にも触れたように、女性は言語をつかさどる左脳に神経細胞が多くあるから。もうひとつは左脳と右脳のつながりが強いためか、男性よりも話を聞き、しゃべることが得意だからだ。
・男女の違い④
女性は楽しい経験でも不快な経験でも、細部の記憶にすぐれている。科学者によれば、その理由は、女性の海馬(脳のなかの記憶と学習の座)が大きい点にある。
・男女の違い⑤
女性は争いの場面を避ける。男性は感情的な場面を避ける。(中略)
脳科学者のルーアン・ブリゼンディン博士によれば、女性の脳は社会的な調和を求めるようプログラムされている。種の存続がそこにかかっていたからだ。野生の暮らしのなかで保護者であり扶養者である男性を失った場合、子どもたちもろとも捕食者や飢えの危険にさらされることになる。
・女性にモノを売りたいのなら、暴力的なイメージや言葉は避ける。
・ある研究によると、母親たちの気を最もうまくひく広告は、たとえばつぎのようなものだ。
①子どもと楽しく過ごしている女性を描く。
②マルチタスク(ながら仕事)でできることを見せる。
③笑わせる。
・男女の内面の違い
(女性の心の中は)
●かげがいのない存在になりたい。
●つながっていたい。
●ステイタスの差を最小限にしたい。
(男性の心の中は)
●独立していたい。
●尊敬されたい。
●グループのなかでの順位を意識する。
(女性の心の中は)
●感情や弱みを見せる。
●話すことで他者とつながる。
(男性の心の中は)
●弱みを隠す。感情を語り合わない。
●なんらかの活動や仕事、政治、スポーツなどの話をすることで、他者とつながる。
(女性の心の中は)
●他者を助けることで自分の力を感じる。
(男性の心の中は)
●他者の上に立つとき、自分の力を感じる。
(女性の心の中は)
●人間の細かな点は、会話で最も大事なところ。
●細部はいくらあっても多すぎない。
(男性の心の中は)
●他人にまつわる細かな話は退屈。
●技術的なことやスポーツ関連の細部なら、おもしろいと感じる。
(女性の心の中は)
●争いごとはストレスをもたらす。
●協力のほうが楽しい。
(男性の心の中は)
●争いごとが好き。血が沸きたつ。
●協力が楽しいのは、勝つ、相手を負かすという目標があるときだけ。
(女性の心の中は)
●自尊心はさまざまな人間関係の質から生じる。達成は内面的な目標にもとづくもの。
(男性の心の中は)
●自尊心は他者からの助けなしに独力で何かをなしとげることから生じる。
(女性の心の中は)
●製品でいちばん興味があるのは、自分のために何をしてくれるか。
(男性の心の中は)
●製品でいちばん興味があるのは、その仕組み。
・世界的トレンド③
出生率の低下が、少ない子どもにたくさんのモノを与える(中略)世界的に見ても、数少ない大事な子どもたちに親がかける時間と関心、お金は増える傾向にある。
・厳粛な事実がひとつある。アメリカの赤ちゃんのなんと三分の一は、未婚女性のもとに生まれている。そして全世帯の四分の一以上(二七パーセント)を独身女性は切り盛りしているのだ。
・女性にはいつも、新しい自分に生まれ変わりたいという願望がある。こうした欲求をかきたてるメッセージは、とりわけ人生のこの時期には強く訴えかける。
・子どもが手を離れた女性たちは、自分のためにお金を使うことができる。(中略)一般的にいえば、学びたい、旅行したい、もっと教育を受けたいといった意欲が強く、その助けになるような会社やブランドにひきつけられる。
・アップルは隠れた女性ブランドなのだ。iPodを例にとってみよう。この製品は、男性主導のオーディオ装置の世界を完全に女性のものにした。小さくてきれいで曲線的で、使い勝手がよく(マニュアルも必要ない)、直感的でカラフルで、従来のオーディオ装置にはなかったものをすべてもっている。
・女性向けの製品をつくるときに、犯しがちなミスが二つある。ひとつは、既存の製品のピンク色のバージョンをつくること。もうひとつは、既存の製品を女性のニーズにちゃんと適応させずに売ろうとすることだ。
・ジレットの製品を買うのは、いまや半分が女性だ。ヴィーナスは女性限定の製品に対するニーズを折り起こすことで、彼女たちの気持ちをつかんだ。
・女性は 「進歩する」というメッセージに反応し、男性は「勝つ」というメッセージに反応する
女性は自分のことを、製作中の作品のように考える。そして。自分自身や自分の健康、環境、家族の生活を改善しようと努力を続ける。
・女性にアピールするためのマーケティング戦略を練ろうとするときには、以下のチェックリストを参考にしてほしい。すべて女性に対して効果があることがわかっているテクニックだ。
□ストーリーを語る
□個人的な感謝
□使用前、使用後の比較
□価値ある大義との連係
□ユーモア(だれかを笑いものにするのではなく------女性は冗談で笑われる側に同化する)
□ほめ言葉
□謙虚さ
□人生の節目への言及(記念日、誕生日、休日)
□ライフステージへの言及(年齢への言及ではなく)
□製品ではなく、女性を主人公にする
□安いというのではなく、買い物上手だと感じさせる
□ぜいたく品を買う理由を与え、安心させる------うしろめたさを取り除く
□仕組みではなく、なんの役に立つか
・販売には、三つのシチュエーションがある。対面、店舗、オンラインだ。
・相手のいったことをくりかえす。
女性は何も知らないと思われるのがいやで、あまり質問をしたがらないことがある。その場合は、相手のいったことをくりかえすかたちで問い返すのがいい。
●書籍『女性のこころをつかむマーケティング』より
ブリジット・ブレナン 著
谷川 漣 翻訳
海と月社 (2010年6月初版)
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