FaxDMトップ > 会社案内 > 成功者の知恵 > 藤村 和夫 氏 書籍『蕎麦屋のしきたり』(日本放送出版協会 刊)より

藤村 和夫 氏 書籍『蕎麦屋のしきたり』(日本放送出版協会 刊)より

このページは、書籍『蕎麦屋のしきたり』(藤村 和夫 著、日本放送出版協会 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・出前の蕎麦や汁は、分かりやすく言えば、「小麦粉」が入り、汁は薄くなります。どの程度の割りかと言えば、"「二杯一杯」という江戸伝統の蕎麦粉と小麦粉の混合比率でしょう。小麦粉二割で打つ「二八」がよく知られていますが、それでも「種物」にすると蕎麦が少しふやけます。


・つきだしの最高傑作は「藪蕎麦」ではじめた「蕎麦味噌」でしょう。「藪御三家(神田連雀町、浅草並木、上野池之端)」でも中身は少し違い、神田では刻み牛蒡(ごぼう)が入っていますし、他の二軒では「煎りヌキ」(脱穀した蕎麦の実を煎ったもの)が混ざられています。


・「蕎麦がき」は、普通「蕎麦粉八勺(一五〇ミリリットル)にお湯一合(一カップ)」が一人前の標準ですが、つまみにする場合には延ばしたり細く切ったりする必要がないので、もっと柔らかく、箸でちぎれるくらいにします。


・多いほめ言葉は「腰がある」ですが、これもいつも「腰が立つ」と言ってくださいとお願いしています。「腰がある」のは、「噛みしめる」時の表現で、それでは食べてから楊枝がいります。


「腰が立つ」というのは「ノビ」ていないで、しっかりと立っていることで、口の中で蕎麦の角がはっきりわかり、しかもしなやかで、フッツリと歯切れが良くないといけません。


・「三たて」ばやりで、「揚げたて」を強調するために、蒸籠から水が滝のように流れるのを喜ぶ向きもありますが、あれはいただけません。揚げて、ひと水切ってからでないと、蕎麦の味もわかりません。香りも水臭いだけです。

●書籍『蕎麦屋のしきたり』より
藤村 和夫 著
日本放送出版協会 (2001年11月初版)
※amazonで詳細を見る