このページは、書籍『映像メディアのプロになる!』(奥村 健太 著、藤本 貴之 著、藤原 道夫 監修、河出書房新社 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・もともとは「隠語」、つまり「人に聞かれたくない」ことを公の場で話すために生まれた言葉で、別にテレビの世界に限ったものではなく、医療、金融、警察、政治、すべての「業界」に独自に言葉が存在している。身内にしかわからない言葉を使うことで、仲間意識を高めるという意味合いもあったはず
・テレビ番組が単独で「制作」していることは「ほとんど」ない(中略)テレビ番組は、それが放映される「テレビ局」と、その制作を請け負う「制作会社」の両社によって制作されます。もちろん、テレビ局側で制作される場合もありますが、一般的には、制作会社が制作していることがほとんど
・テレビ産業のお金の流れ
残金
1億円 【0】スポンサーが1億円を拠出。
8,000万円 【1】広告代理店が手数料20%を取得
3,200万円 【2】テレビ局側が電波料として60%を取得。
1,600万円 【3】テレビ局が人件費・諸経費さらに50%を取得。
【4】上記の残金が番組制作費として確定。
800万円 【5】テレビ局が番組に関わる局員の人件費・諸経費として50%取得。
400万円 【6】テレビ局から番組制作を委託された大手制作会社が50%を取得し。孫請けに委託。
・「企画書」「構成表」「台本(ナレーション)」は「ディレクターの三種の神器」と呼ばれています。(中略)3つのアイテムを独力で書き上げることがディレクターの仕事
・2010年1月現在で、中堅以上の番組制作会社による業界団体であるATP(社団法人全日本テレビ番組製作社連盟)に加盟している制作会社は130社。(中略)加盟・非加盟を合わせても、中堅制作会社とされるのは多くても200社程度と見られています。
・エンドロールとは、テレビ番組や映画作品など、映像コンテンツの最後に、エンディングテーマなどとともに挿入される制作スタッフや関係者・協力者・関係企業あるいは著作権表記などに表示される部分のことです。(中略)このようなエンドロールに表示される内容を「クレジット」と呼びます。
・視聴率を獲得する「魔法のレシピ」は存在するです。
・日本の視聴率調査は、1962年からは外資企業のACニールセン社と国内業界が出資した株式会社ビデオリサーチによる、「外部と内部」の2社調査体制となります。(中略)2000年3月に外資・ACニールセン社の日本撤退によって終止符が打たれてしまいました。
・視聴率の測定には、大きくわけて「オンライン機械による測定(1分単位)」と「アンケートによる測定(5分単位)」の2手法が存在しています。関東地区・関西地区・名古屋地区・札幌地区など、全国を27地区に分け、最大600世帯のサンプルを抽出し、測定しています。
・視聴率が高い番組(中略)
「お年寄り」層をターゲットとした番組は一般に視聴率が高くなる傾向を持つと言えるのです。(中略)また「ながら視聴」が主流である以上、番組作りで重要なのが「音」ということになります。
・視聴率を獲得する「魔法のレシピ」
①お年寄りをターゲットにした番組づくり。
(ネタの選別も含めて、テロップは大きく、見やすく、わかりやすく!)
②生の情報をふんだんに取り入れる。
③「ながら視聴」「耳視聴」を意識し、音ですべてがわかる「親切」な作り。
④常套句の使用は禁止!
(「~とみて警察は全力で捜査を進めています」など、ありふれた表現は視聴者の興味関心を引かない。言葉のセンスを磨け!)
⑤一瞬一瞬の視聴者の満足を、視聴習慣につなげる。
・「面白い企画」を立てるために(中略)
「常日頃から、社会に対して幅広くアンテナをはり、何にでも興味や疑問を持ち、知的好奇心と行動力を高めよう!」です。
・NHKでは、どんなに長い番組でも短い番組でも、作品規模とは無関係に、提案する企画書には決まった書式・フォーマットがあります。それをすべてA4用紙1枚に紙に収めなければなりません。
・事前の構成を捨て、目の前で起きていることを、いかに「ドキュメント」するか・・・・・・これが番組作りの極意とも言えるでしょう。現場で構成を「捨てる」のは勇気がいること
・「写真」と「映像」の違いはどこにあるのかを考えてみましょう。その本質を理解することが、「映像」の魅力を十分に引き出すことにつながっていきます。
「写真」は「連続している時間」を、たとえば100分の1秒の「ある瞬間」を止めることで、見ている人にその前後の時間や状況を想像させるメディアです。(中略)
それに比べ、「映像」は「連続する時間」の中で、何かが起こり、変化していく様をカメラに写し取ることで見手の想像力を喚起させます。
・撮影
カメラワークの基礎(中略)
動くものは止まって撮影する、これが基本その1です。(中略)撮影者側が動くことによって、画面に動きをつけることができますし、被写体に対する、撮影者の思いや意思が強く感じられる映像を生む出すことができます。
基本その2は、止まったものは動いて撮影する、ということになります。
・「アップ」サイズは5秒、「バスト」サイズは6秒、「フル」サイズ8秒
これが人間の生理にとって、最も心地よい長さだと言われています。あくまでも目安にしかすぎませんが、経験から生まれ、脈々と受け継がれてきた偉大な知恵です。
・ズームという手法は、視聴者の感情や生理に対し、「こっちを見てください!」というように、強引に別の画面に誘導するわけですから、ある意味、力づくで映像を見せているともいえます。
・通常、ドラマであれば、放送あるいは完成作品の長さの1.5倍から3倍くらいのテープが、ドキュメンタリーでは10倍くらいの素材が撮影されます。
・流れを組み立てていく中で、視聴者にとって「心地よいリズム」を作り出す作業こそが、編集の極意です。
・日本語の読解スピードは、1秒間あたり4文字と言われています
・無理をさせ 無理をするなと 無理を言う
・景気が悪くとなるとラーメン番組が増える。これギョーカイの常識。
●書籍『映像メディアのプロになる!~テレビ業界の実像から映像制作・技法まで』より
奥村 健太 著
藤本 貴之 著
藤原 道夫 監修
河出書房新社 (2010年3月初版)
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