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[ 出版業界の専門用語 ]

自己出版とは? 「自費出版」との違い

「自己出版」とは、著者、自らで本を制作して販売する形態のことです。「セルフパブリッシング」と言われ、電子書籍として作品を作り、アマゾンやアップルなどで売り出す形です。
 

「自費出版」との大きな違いは、読んだ字の通り、著者が自らで費用を負担して紙の本を作るのではなく、電子ファイルを作れば、ほとんど費用ゼロで出版できる点にあります。


とりわけ、誰でも自分の意思で簡単に作れ、低コストで、短期間で本を出版・販売できるので、電子書籍端末が普及するにつれ、ますます増えていくだろうとされています。実際、アメリカでISBNを管理しているバウカー社によると、2006年から2011年までの5年間で約4倍に増加しているというリポートを発表しています。


一方、自己出版には、出版社や印刷会社の客観的な視点が入らないので、自慢話や興味のない内容になる可能性があります。つまり、著者の主張が読者が求めているかの判別が欠かせません。もちろん、自己出版には誤字や脱字など校正作業はありませんので、自らで行うことになります。


「自己出版」と「自費出版」との違い 5つ

1、自己出版の場合、出版社や印刷会社を通さず、自分で本を出せる。
  自費出版の場合、出版社や印刷会社を通して本を出す。
  
2、流通が異なる。

   自己出版の場合、著者→電子書籍販売会社→読者 といった経路を通る。
   自費出版の場合、著者→出版社か印刷会社→著者→読書
       または、著者→出版社か印刷会社→取次→書店→読書

    ※ただ、自費出版は商業出版とは異なるため取次を通さず書店に
     並ばないことが一般的。つまり、自らで売ることが大半。

3、流通が簡易な分、自己出版のほうが印税が多いことが一般的。

4、自己出版の場合、「実売」で印税が発生する。
  自費出版の場合、作りたいものを作るので印税は基本なし。
  ※商業出版の場合、読者に必要とされるものを作ることを前提しているため、
    刷り部数や実売に対して印税が発生する。

5、自己出版の場合、売れ残りからくる紙の制作費の負担や、在庫コストなどの
  リスクがない。一方、自費出版の場合、リスクがある。


※参考:バウカー社のウェブサイトはこちら