このページは、書籍『グーテンベルクのふしぎな機械』(ジェイムズ ランフォード 著、あすなろ書房 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・ぼろきれをこまかく切りきざみ、水であらって、水車の力でたたいてほぐし、ドロドロにする。パルプとよばれるこのおかゆのようなものを、おおきないれものにながしこみ、網の目のこまかい「すのこ」の上にすくいあげ、うすいシートにする。このシートをおしつぶして乾燥させると、こんどはあたたかい液体の糊にひたす。糊は動物の骨や皮、角、ひづめなどを煮て作ったものだ。このシートをもういちどしつぶして乾燥させると、糊のおかげでかたくなって、風にふかれるとパリパリ、カサカサ音をたてる。
ぼろきれと骨から作られたシート、いったい、なんだとおもう?
そう、それは紙。
・種は亜麻とよばれる植物からとる。種を圧搾機でくだしてしぼると、「亜麻仁油」という金色の油がながれでる。この油をハチミツのようにトロリとするまで煮つめる。つぎに、ふせたまるいボウルの下でマツヤニもやす。ボウルの内側には、まっ黒なススが、ぶあつくこびりつく。このススをこそげおとして亜麻仁油とまぜ、石の台の上ですりつぶす。ススと油がなめらかにまざりあって、くらやみよりも黒くなるまで。
ふれたものをなにもかも黒くそめてしまう、このベタベタしたものは、いったい、なんだとおもう?
そう、それはインク。
・グーテンベルクは金属の活字を鋳造する方法を発見し、その活字をつかって印刷機で紙に印刷する方法を確立しました。このアイディアは画期的なもので、グーテンベルクは過去千年間でもっとも影響力のある人ともよばれています。
・グーテンベルクが作った本のなかに聖書があります。180冊刷りました。一部は紙に刷りましたが、羊皮紙に刷ったものもあります。現在、のこっているのはそのうちの47冊ですが、完全な形のものは21冊だけです。
・グーテンベルクの印刷方法によって最初の本が作られた1450年代以降、ヨーロッパじゅうに印刷機がひろまって、たくさんの本が印刷されるようになったということです。(中略)その後、500年のあいだ、本の作り方に大きな変化はありません。
●書籍『グーテンベルクのふしぎな機械』より
ジェイムズ ランフォード 著
千葉 茂樹 翻
あすなろ書房 (2013年4月初版)
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