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樋口 裕一 氏 書籍『文章力の鍛え方』(ソーテック社 刊)より

このページは、書籍『文章力の鍛え方』(樋口 裕一 著、ソーテック社 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・文章で書こうとすると、しっかりとものごとを考えます。書こうとしなければ見えないことも、書こうとして考えるからこそ見えてきます。そして、実際に書こうとしてこそ、論理的にものごとを分析できます。


・決めつけずに掘り下げて考える(中略)

決めつけてしまうとそこで終わってしまいますが、決めつけなければ思考が深くなります。そして分析力もつきます。このトレーニングは間違いなくスキルアップにつながります。


・A型とB型で話をする(中略)

A型というのは、「はじめに結論を言ってから、根拠になることを言う」パターンです。対してB型というのは、「先に根拠を言って、最後に結論を言う」パターンです。(中略)A型がいいかB型がいいかはその状況によって使い分けをします。


・話をするときに、最初にズバッと言っては気まずい場合、たとえば上司の意見に反対するときなんかがそうです。「一般的にはこうこうこうだといわれています。それを踏まえて私はこうこうこう思います。だから、反対です」このように、最後に結論を言うのであれば、上司もそれなりに反対理由を理解してくれるかもしれません。


・小論文の基本的な文型は、四部構成でなりたっています。それをパーツに分けると、「~だろうか」「たしかに・・・・・・しかし・・・・・・」「なぜなら・・・・・・」「したがって・・・・・・」となります。(中略)


①「~だろうか」と問題定義します。
②「たしかに」で反対意見に譲歩しつつ、「しかし」で自説を示します。
③「なぜなら」とその根拠を言います。
④「したがって」で結論に到達します。(中略)


論理的な話のつくり方


・論理的にものごとを考えるうえで、はずせない要素、それは「定義」「現象」「結果」です。


・イエス・ノーの両方を考える(中略)

「私はイエスだ」という立場なら、「イエス」のことに対してだけ考えるというのではなく、自分が「イエス」であっても「ノー」の考えるということです。(中略)


いい点は、自分とは別の考え方。、反対の考え方が理解できるようになるわけですから、何よりも友人や同僚と話をするときに、相手の言い分が深く理解できるようになります。


・上手な文章の書き出し方(中略)

文章の書き出し方として、すぐれた方法はあります。一番簡単なのは、台詞ではじめることです。たとえば「今日はついに医者に行くことにした」とか「今日こそは君に話をしなくてはいけない」といった感じです。(中略)「臨場感」を生むわけです。


・中ずり広告に反論する(中略)

たとえば「目を覚ますために缶コーヒーを飲む人70パーセント」というキャッチコピー(中略)日本人の70パーセントが、朝、目を覚ますために缶コーヒーを飲んでいるような印象を受けます。(中略)

分母が見えない数字のトリックを使った広告が、中ずりばかりでなく、新聞や週刊誌にも出ています。


・ひたすら同じ「語尾」が続くと、恐ろしいくらい単調な文章になってしまいます。語尾がずっと「~だ」となったら、「~だ」ではない終わり方をするためにはどうしたらいいかを考えます。


・書評欄の読書のすすめ(中略)

書評を活用することをお勧めします。情報として、ここまで端的に要約してくれたうえに、意見まで書いてあって、こんなにありがたいものはありません。


・「反論」であって「誹謗中傷」ではないということです。「あなたはこうだから、おかしんだ」といったように、「あなた」という他人を直接攻撃してはいけません。


・声に出して読む理由は「記憶に残りやすい」とかいうことではなく、あくまでも「リズム」を感じるためです。つまり文章というのは、基本的に「意味」と「音」からなっていて、音同士も実は非常に大事な関係性を持っているということです。


・翻訳という作業は、語学力と文章力の両方が必要な、高いレベルの作業です。(中略)単純な英語力だけではなく、読解力も論理力も必要だし、それをまとめて日本語の文章にする力も必要になります。


・古典から文学の原点を汲みとる(中略)

一番のお勧めは、「オイディプス王」です。とにかく一番面白い。(中略)人間の本質が、作品の中にそのままある(中略)「オイディプス王」は紀元前427年ごろに書かれたといわれています。となると、2500年くらい前から人間って代わってないじゃないかということに、びっくりしてしまうわけです。


・読みたくなるタイトルのつけ方(中略)

自分がこの文章の中で一番言いたいことをタイトルにつけています。そこに、読んだ人が興味を持つように手を加えていけばいいわけです。(中略)


たとえば、「仕事は朝が勝負」ということが一番言いたいとしたとき、(中略)「仕事は朝の5分で片づける」とか、読み手の興味を引っ張れる方向に落とします。「成果主義は間違っている」というのを「成果主義の危険な罠」というように少し危ない感じにもっていくのも、興味を引く方法のひとつです。


●書籍『文章力の鍛え方』より
樋口 裕一 著
ソーテック社 (2007年7月初版)
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