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厚生労働省が発表している母親と子どもの読書量調査を紹介したい。
母親の 読書冊数 |
子どもの 読書冊数 |
|||||
冊数 |
% |
1冊 |
2~3冊 |
4~7冊 |
8~11冊 |
12冊以上 |
12冊以上 |
2.3 % |
3.7 % |
14.9 % |
16.2 % |
9.5 % |
55.7 % |
8冊~11冊 |
1.5 % |
6.1 % |
18.8 % |
27.9 % |
20.0 % |
27.2 % |
4冊~7冊 |
5.9 % |
6.6 % |
25.5 % |
30.7 % |
14.8 % |
22.4 % |
2冊~3冊 |
16.4 % |
9.6 % |
30.5 % |
29.0 % |
11.1 % |
19.7 % |
1冊 |
23.7 % |
17.4 % |
34.1 % |
26.3 % |
9.0 % |
13.3 % |
※厚生労働省 小学2年生 対象 2010年7月 調べ
※母親の読書習慣=1ケ月に読む文庫・単行本などの冊数
※子どもの読書習慣=1ケ月に読む児童書・絵本などの冊数
小学 2年生が 1ケ月に読む冊数は両親、特に母親の読書量とほぼ比例することが調査で分かった。厚生労働省は両親とも読書量が多ければ、子どもの冊数は多くなり、少なければ子どもの読書量は減る。両親の読書習慣が大きく影響していると分析している。
両親どちらかが 1ケ月に 1冊しか読まない場合は、子どもは 3冊未満で 50%をこえている。母親の読書量が 1ケ月に 12冊以上の時は、子どもも 12冊以上が 55.7%となっている。
子どもに読書習慣を付けるには、親が率先して読書を実行することが一番の早道。朝の読書運動や読書会は、やらないよりもましだが、結果的には両親の影響が大きく締めていることはこの統計を見ても明らか。
夏休みの課題図書というのがあるが、学校の教師の手抜き作業で、読みたくない題材を子どもに押し付け、宿題にするから、ますます子どもたちが本を読まなくなっているのが現実ではないだろうか。
「親の背中を見て子は育つ」というが両親・先生が本を読む姿を見せずに、子どもに本を読めと強制しても中学・高校になると次第に読書から離れていき、数学の文章問題が解けず、最後は想像力のつかない大人になる。
年齢を重ねると本のある生活から極端に遠のき、読書の習慣がないから大人になっても仕事以外は、書籍や雑誌、新聞も読まない様な生活になる可能性があるのを子どもに教えるのが親の務めではないだろうか。
老齢人口(65歳以上)が団塊の世代の退職で拡大し、2013年には全人口の 4人に 1人が 65歳になった。今まで増加傾向にあった団塊の世代の読書好きは半減することは間違いない。
ほとんどが生産性は無く老齢コストだけが増えることになり、出版物の販売量が増加することは考えられない。それよりも、どうにかして年少人口を読者にすることを考えた方が近道である。
寄稿 : 出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏
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