このページは、書籍『だから、売れちゃう! 』(河瀬 和幸 著、こう書房 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・お客様の心をつかむとは、眠っているニーズを思い出させてあげること(中略)
人はだれでも「○○なものがあったらいいな」という“ニーズ”を心のなかに眠らせています。お客様自身も、その眠ったニーズには気がついていません。お客様が、眠らせているニーズを思い出す(に気づく)とモノは売れるのです。
・どうしたら売上が上がるのでしょうか? たくさんの人に来店してもらい、1つよりは2つ商品を買っていただき、さらには、1ヶ月に1回のお客様が月2回きてくださるようにすればいいわけです。
□ 売上 = 客数 × 客単価 × 購買頻度
・どうしたらモノは売れるのか? ------販売を科学する
“接触”で、売れる/売れないの8割が決まる
・モノを売るとは次の3つのステップを踏むことだと考えています。
販売のステップ① 接触する
販売のステップ② 説得する
販売のステップ③ 納得してもらう
・販売のステップ① 接触する
ⅰ 遠くにいる人を商品の前に引っ張る
ⅱ その人の意識を商品のなかに引っ張る
・販売は科学(中略)科学とは、だれにでも再現可能なものでなければなりません。
・販売とは、ある行為に対して、人はどういうふうに感じるか、どういった反応や行動をとるかといった法則を見つけることであり、心理学をベースに人間の行動や仕草にパターンを見つけることだと考えてきたからです。
・「右脳」は、イメージ脳と言って、物事を一瞬にして判断する脳です。「左脳」は、論理脳と言って、言葉や数字を理解する脳です。(中略)人がモノを買うときには、まず右脳で「かわいい」「何これ」と一瞬で判断し、そのあとに左脳でそれが本当に役立つものなのか、値段と懐具合の兼ね合いなどを考えます。ですから、商品が欲しくないお客様に、はなから理屈であれこれ言ってもダメ。
・お客様の右脳に一瞬にしてイメージしてもらうキッカケづくりが大切です。右脳に一瞬にしてイメージしてもらうには、「音」「匂い」「絵・写真」「色」というもののが効果的です。(中略)とくに「音」は商品の性質や機能を効果的に表します。(中略)
そこで私は、「擬声語」でその商品の特徴的な音を表現します。私はウインナーを売るのに、「パリッ、ジュワッ、ウマーッ!」と言って、爪楊枝を刺したウインナーをお客様に食べていただきます。
・売上2.5倍を達成した単純なこと(中略)
額や顔を隠すように髪の毛が垂れ下がると、はたから見て暗い雰囲気がします。ところが、その長い髪を後ろにまとめ上げることで、明るい雰囲気になるお客様が近づいてくるようになった(中略)
昆虫が明るい電灯の下に集まるように、人は明るい販売員の周りに集まる。
・ディズニーランドの声かけです。「いらっしゃいませ」を言わないかわりに、午前中は「おはようございます」、午後は「こんにちは」を言います。(中略)お客様も「おはようございます」、「こんにちは」と挨拶を返してくださるものです。(中略)
お客様との関係を築くキッカケを、挨拶でつくる。
・人が発するこのメッセージには、“表”と“裏”のメッセージが必ずあります。多くの場合、“裏”にあるメッセージこそが、相手に影響を与えるものです。(中略)
「お客様、いま買って絶対損はないですよ!」「この商品は便利ですよ!」と言う販売員の裏返る声、甲高い声に、お客様は「今日はさぞかし売れなくて、俺はいいカモなんだろうな」と受けとる人が多いのです。これでは当然、モノは売れません。不自然な声は、メッセージを歪んで伝えるのですよ。
・陳列するときに最初に意識することは、次の2つです。
① Zの法則
② 右側に売りたい商品を並べる(中略)
※補足:お客様が商品に向かった際に、「右」に並べること。
Zの法則 人の目線はZ字に移動する
・小さなモノを集めて大きく見せる(中略)
たとえば、座布団を売ることになったら、ドーナッツ状の柔らかい丸座布団、椅子用の座布団、正座用の座布団、ビーズクッションの座布団------などなど、座布団らしきものをお店のフロア、コーナーに関係なく隅々から集めてきて「とことん座布団」フェアを企画し、提案するのです。(中略)
座布団1品だけを店頭に並べても、お客様の多くはきっと認知してくれないでしょう。認知されなければモノは売れません。認知されないモノでも、売場面積を大きくすると目につくようになり、認知されます。
・フェアを企画するときのポイントは、もともとあるコーナーにとらわられず、
□ 広く商品を集め、これまでとは違うコンセプトを表現する
□ とことん専門家する
このどちらかを徹底することです。
・キレイな陳列をしない!(中略)
整然と並んだものを崩すことは、その美しさを壊してしまうことになり、心理的抵抗を生じさせます。その一瞬の躊躇が、お客様の心を「買わない」という方向にもっていってしまうのです。(中略)
キレイに陳列することは、販売員にとっては陳列の基本を守っているつもりでも、お客様にとっては実は、“手にとりにくい”のです。(中略)
・キレイな陳列をしない!(中略)
ちょっと崩した部分を意図的につくっておく陳列方法です。(中略)
①左側を高めに積んでアイ・キャッチをつくり、右側は手にとりやすいように陳列する
※左側とは、商品を正面に向いて
②デコボコ数か所つくり、他のお客様が買っていかれた雰囲気をだす
・お客様から「これ、何?」って聞かれる商品とモノは売れていくのです。聞いてくるということは、聞く相手が少しでも興味をもっらわけだから、その興味をさらに湧かせることを言ってあげられると「エエエエー、ほんとう!」とさらに興味津々となるわけです。
・ゴミ箱に捨てられているチラシは、大きなものばかりです。具体的なサイズは、ハガキ2枚以上の大きさ。ゴミ箱のなかのチラシは、ほとんどがこのサイズ以上のものでした。一方、ハガキ大サイズのチラシも配っているのに、あまり捨てられていませんでした。
・捨てられないチラシの黄金律(中略)
縦7cm、横5cmくらいの、手のひらに収まるのがいい。
□ 縦長がおすすめ
□ 2つ折り・3つ折りにすれば、色々と書ける(中略)
お役立ちひと口メモのような切り口で「うんちく」が書かれたチラシがいいのです。「この商品は、こんなつかい方がありますよ」「こうつかうと便利ですよ」という内容を書くわけです。
・枝幸(えさし)町はいい町です
「?」=イメージできない
流氷の流れるオホーツク海
毛ガニ水揚げ日本一
カニまつり
イメージしている
「流氷の流れるオホーツク海。その寒い海で育つからこそ身が詰まって美味しい毛ガニが獲れる。毛ガニ水揚げ日本一、安くて新鮮なカニが食べられると、毎年、全国から数千数万人の人が押しよせる『カニまつり』が開かれる“枝幸町”」(中略)
イメージを想起できないモノは、売れてはいかないのです。知られていない商品の名前をいくら連呼しても意味がありません。売れているモノ、よく知られていること、大きなカテゴリーをつかって、お客様の五感に訴えるように、商品の名前を飾ってあげましょう。
・お客様を遠ざける「売ろう、売ろう」という気持ちの消し方(中略)
適度に忙しそうにしている販売員に、お客様は声をかけやすいのです。
・お客様は、子どもではなくお財布を握っている親です。では、親のニーズはなんだろう・・・・・・。そう考えてたどりついたのが、子どもの喜ぶ姿でした。子どもが笑顔で楽しそうにする姿は、親の求めるもの=ニーズです。だったら、このオモチャに喜ぶ子どもの姿を見せれば、親はきっとこのオモチャが欲しくなり(=ウォンツのスイッチが入り)、子どもと一緒に遊びたくなるはずだ。
・人は明るいところに引き寄せられます。人が楽しそうに集まっているとついつい「なんだろう?」とのぞいてみたくなります。
・トランプのようなカード型の商品で、33種類がワンセットになっています。カードにはそれぞれ絵が描いてあり、身につけていると、そのカードに描かれた絵が示す願いがかなうというものでした。金持ちになる、恋人ができる、健康になる------などとこの世の欲望を集めたようなものです。ワンセットで3300円(中略)
大きなパネルに33枚のカードを貼り、それぞれのカードの下に、描いてある絵の意味を書きました。それを通りすがりの人に見せ、気に入ったカードを一枚だけ差しあげるという作戦にでたのです。
私は通りすがりの人にこう言いました。
「お好きなカードをこのボードから選んでください。夢が叶ったら、東急ハンズに報告にきて枕を買ってください」
するとお客様は、楽しみながらそのカードを選び、「枕っていろいろあるけど、どれがいいの?」「ベッドも、これとあれとどう違うの?」などと聞いてきて、カードをキッカケにお客様との話が弾んだのでした。
・人がモノを買うとき、必ず通る“購入の5ステップ”があります。
購入のステップ① エッ、何?
購入のステップ② デッ、それで・・・・・・?
購入のステップ③ ヘーッ! なるほど!
購入のステップ④ 欲しくなっちゃったなあ
購入のステップ⑤ ヨシ、決めた!
・相手を驚かせることのできる部分が何かを探し、それを表現する。
・「買おうか買うまいか、それが問題だ」と悩みはじめるのです。このときに、「いま、買ったほうがいいですよ」という言葉は厳禁です。一瞬にして、買う気が失せてしまいます。(中略)お客様に「どうぞゆっくり悩んでください」と時間を差しあげるわけです。(中略)
お客様が悩み、自ら結論をだすことで、お客様の満足感が生まれます。
・サンプルをチラシがわりに配っている姿をよく見かけますが、私はそういった行為は意味ないと思います。(中略)すぐに忘れて、「つかい道がないや」とせっかくのサンプルもゴミ箱ゆきです。サンプルは、商品に興味を示したお客様に差しあげるべきです。
・「人は目に見えないモノは信じません」と私はいつも言っています。(中略)お客様の目の前で見せられない効果を、私がどんなに声高に一生懸命叫んだところで、お客様はだれも信じてはくれませんでした。さらに、叫べば叫ぶほど自分も商品も胡散臭くなっていくように感じたのでした。(中略)
あるダイエット商品を売ったときのことです。脂肪を固めて排出効果があるというので、私は色々考え、試しました。最終的に、蛇腹のペットボトルのなかに油を入れて、実演することにしました。
お客様を実演台の前に連れてくると、健康食品をそのペットボトルのなかに入れ、「腸のぜん動運動」と言ってペットボトルを振ります。そして、固まったあとにひと言、「でる」とだけ言ってペットボトルの口を下にして絞り、固まった油をニョッキリだします。
たったこれだけの動作で、30包8800円のダイエット食品が売れたなんてもんじゃありませんでした。
・他社商品の悪い点をあげることは、浅ましく見えるためにお客様を引き寄せる効果がないばかりか、いまいるお客様も逃げていき、さらにはお店の人の印象も悪くなります。(中略)「あちらは、こんなこともできない。あんなこともできない。だから、こちらが絶対いいです!」といった比較の仕方は絶対やめましょう。
・お客様が「うーん」と唸るのはブランドで迷っているか、価格で迷っているかどちらかです。ですから、そんなお客様の視線の先が、価格にいっているのか、ブランドにいっているのかを私は追います。
お客様の視線が価格にいっていると判断すると、さほど有名なメーカーではありませんが、値段の安いタイヤをもってきます。そこで、先ほど見せたタイヤと品質が変わらないことと、なぜ安いのかを説明します。ブランド品のメーカーと技術提携していて品質は変わらないが、CMなどにつかわれる販促費が少ないために安いことを伝えると、だいたいのお客様が満足して、有名ではないメーカーのタイヤを買っていかれます。(中略)
はじめに提示する2つは、お客様がどこを重要視するかを見極めるために示すのです。
・味方につけておきたい3種類の人(中略)
□ 警備の人たち
□ 掃除の人たち
□ 他社の販売員たち(中略)
通用口で、ガードマンから「持ち物拝見!」と言われて、それを不満そうにもちあげるのでは芸がない(中略)
大きなハンカチをとりだしてグーに握った左拳にかぶせて左拳を隠してから、パッとハンカチをはぎます。グーのままの左拳がでてくるだけですが、「今度は、鳩がでてくるように練習します」と言うと警備室が笑い声で包まれます。(中略)
バックヤードで掃除の方たちに、サンプルなどをできるだけあげるようにしています。「この石鹸をつかうと、明日から松嶋菜々子になります」と言って差しあげるのです。
・経験したことのないことは、真実にはならない。真実のないことは人には伝わらない。
●書籍『だから、売れちゃう! お客様の心を一瞬でつかむ接触の法則』より
河瀬 和幸 著
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