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江戸時代の出版業者は、書林(しょりん)、書肆(しょし)、書買(しょか)、書物屋、書物問屋などと呼ばれていました。一方、本屋はどのように言われていたのでしょうか。書籍『「本屋さん」読本』(本の雑誌社 刊・1987年9月初版)によると、「物之本屋」、「唐本屋」、「浄瑠璃本屋」、「書本屋」と言われ、各名前ごとに扱うジャンルが異なったようです。詳細を同書籍より紹介いたします。
「本屋」という言葉は、江戸時代においては、物之本屋、唐本屋、浄瑠璃本屋、書本屋といったぐらいに使われた。このうち、物之本屋とは、物の本(もと)、万物の根源を究めるような本をあつかう本屋で、和漢の儒書、仏書、神書、歴史書、医書、歌書などをあつかい、唐本屋は支那発行の本を売買し、浄瑠璃本屋は浄瑠璃本をあつかい、書本屋は書写本をあつかうが、江戸時代においては、本屋も多様化し、専門家していったのである。
●書籍『「本屋さん」読本』より
本の雑誌社(1987年9月初版)
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