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[ 出版業界について ]

図書館貸出冊数と書籍販売部数の比較  寄稿:冬狐洞隆也氏

図書館における貸出冊数と、書籍販売部数の推移を2000年から2012年まで紹介したい。
 

図書館数
個人貸出冊数
(万冊)
書店数
書籍販売部数
(万冊)
2000
2,639
52,357
21,495
77,364
2001
2,681
53,270
20,939
74,874
2002
2,711
54,629
19,946
73,909
2003
2,759
57,108
19,179
71,585
2004
2,825
60,969
18,156
74,915
2005
2,953
61,696
17,839
73,944
2006
3,082
61,826
17,582
75,519
2007
3,111
64,086
17,098
75,542
2008
3,126
65,656
16,342
75,126
2009
3,164
69,168
15,765
71,781
2010
3,188
71,172
15,314
70,233
2011
3,210
71,618
15,061
70,013
2012
3,234
71,497
14,696
66,790

※図書館数は日本図書館協会、書店数はアルメディアより
※書籍の販売部数は文庫・新書も含む。


library-bookstore-comparison-1.jpg


lending-library-bookselling-comparison.jpg


書籍の販売部数より、図書館の貸出冊数のが多くなった

書店数は商品を陳列していない軒数もカウントしている。よって、実際この数字よりも1,000店舖以上少なくなっていると予測する。2010年から図書館の貸出冊数と書籍の販売部数が逆転した。しかも大学図書館・学校図書館の貸出冊数はカウントされていない。公立図書館のみの貸出冊数である。図書館の貸出冊数の上限が増加したのも影響している。


書籍の販売部数は文庫・新書も入っているので、単行本・専門書が売れなくなってきたのは団塊世代の退職の影響が出ていると考えられる。出版業界は三重苦に陥っている。生産年齢の人口減・図書館の貸出冊数増加・少子化、この傾向は今後も続くと確信する。


電子書籍の拡大は2015年以降となると考える。とりあえず海外からの配信には消費税が掛からず、国内の配信は消費税が掛かると、お粗末な結論になったようだ。


なお、ブックオフを始めとする中古本店は新刊書店が売れていないので仕入に苦労している。CD・DVDの中古もインターネット販売に客をさらわれている。本の中古より衣料品・スポーツ用品・携帯・貴金属の中古にカジを切ってきたようだ。


寄稿 : 出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏