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電子書籍のデメリットを個人的な見解で紹介したい。
1) 紙より可続性が低い
2) デバイスやアプリ毎に操作性が異なる
3) 電子書籍を読める端末機を買わないとコンテンツは読めない
4) 複数の電子書籍を同時に開く事は出来ない
5) ブックオフより高い電子書籍を買うバカはいない
6) 災害時の応急処置のマニュアルは紙の本でないとダメ
7) 電子書籍は立ち読みが出来ない
8) 電子書籍は不正コピーが一層容易になる
9) 書籍にしては重過ぎる
10)電子書籍の入っている端末機が壊れたら数百冊のデータが一瞬で失われる
11)複数の人にデータを貸す事は出来ない
12)長く読み続けられない
13)電子書籍のフォーマットが不統一
14)電子書店が乱立気味でも、あちこちで買うわけにはいかない
15)思考を助ける余白への書き込みが出ない
16)電子書籍は使い捨てなのに、コストが掛かっていない分、販売価格が高すぎる
17)インテリアデザインにならない
18)現時点ではスマ―トフォン・タブレット端末機には興味があるが、電子書籍には興味が無い
以上好き勝手に電子書籍のデメリットを上げたが、タブレット端末機が進歩すれば数年たつと消える項目もあるかもしれない。電子書籍が読まれていると言うが、その内78%がコミックであり、残り22%で他のジャンルをカバーしている異常な世界である。
読書は所詮、趣味の世界でライフスタイルの違う米国と比較するには無理があり、出版社は未だリアル書店に遠慮しているのか、積極的に電子書籍コンテンツの開発には余り関わってはいない。日本では2015年過ぎないと電子書籍は拡大しないと考える。当分の間、電子書籍では出版社も新たなコストが掛かって儲けは出てこないが、新刊書籍がこれ以上売れるという保証も何処にもない。今、人気なのはレンタルコミックだけ。中古本書店も売上は落ちており、本以外の商品に注力している。
来年、消費税が8%と増税になるがアマゾンと楽天の電子書籍はサーバーが外国にあるため、政府税調の下部組織である国際課税グループは課税準備作業の遅れで2014年4月よりの消費税は掛からない事が決まったもよう。同一コンテンツが二重価格になって本来の電子書籍になる。国内にサーバーを持っている電子書店は2社に対抗上、電子書籍のコンテンツが同じであれば値段を下げるしかない。
出版・新聞の軽減税率の要望に対し、活字文化議員連盟等は消費税率が10%になってからの話であると言われたよう。しかし、国会議員の票にもつながらない相手に本気で取り組むとは思えない。仮に軽減税率が可能になっても出版も新聞も売上は上がらず、下がるだけと認識している。
寄稿 : 出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏
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