このページは、書籍『「嫌消費」世代の研究』(松田 久一 著、東洋経済新報社 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・200万円を下回る低収入層が増える一方で、「嫌(けん)消費」層が増えている。嫌消費とは、収入に見合った支出をしないことである。
・「クルマ買うなんてバカじゃないの?」(中略)
「環境に悪くて、たまにしか乗らないのに、駐車場代などの維持費が高く、燃費の悪い自動車をもっている人の気が知れない」と現在の20代の独身女性は考えている。したがって、(中略)男がもてる条件でないどころか、「見捨てられる要素」にさえなっている。
・嫌消費度は、年収が「200万円未満」層よりも「300~400万円」層のほうが高く、「非正規雇用層」よりも「常時雇用の管理職以外従業者」層(いわゆる若手サラリーマン)のほうが高い。つまり、収入や雇用条件ではなく、消費支出に対する何らかの心理的な要因がこの世代の嫌消費の背景になっていると思われる。
・バンドワゴン消費(中略)経済学の「バンドワゴン効果」に由来する。「バンドワゴン」とはパレードの先頭の楽隊車のことであり、その効果とは、同じ商品サービスを消費する人が多ければ多いほど、また、他人の消費量が多ければ多いほど、自分のその財を消費することの効用が高まるというものである。他人がもっているもの、他人が欲しがっているものが欲しいという流行に乗っていく心理でもあり、自分が何も知らないのに、行列のできている店に入りたくなるような効果である。
・この世代は、なぜ、消費しないのか。(中略)それは、消費欲望が、あまりにも他者依存であるからである。「他人がどう思うか」「他人にどうみせたいか」が先行すると、他人の評価されないものは欲しいとは思わない。また、周りの目を気にしすぎて、自らの購入目的が曖昧になり、購入動機が弱くなり買えなくなる。
●書籍『「嫌消費」世代の研究~経済を揺るがす「欲しがらない」若者たち』より
松田 久一 著
東洋経済新報社 (2009年11月初版)
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