このページは、書籍『本屋さんで本当にあった心温まる物語』(川上 徹也 著、あさ出版 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・万引きで本屋の経営がどれだけ大変になるか知っているか? 一冊万引きされたら、その損を取り戻すのに十冊以上売れんとあかんねんぞ
・本屋さんは、いろいろな夢や可能性を実現させるための場所でもあるんだよね(中略)
司法試験などのような資格試験の参考書もあれば、会社をつくるときに参考になる本もあるし、様々な職業において目標となるような人の本も置いています。自分の生き方を発見したり、働き方を激変させたりするような本も無数にあります。(中略)
なりたいあなたになるための宝の蔵ともいえるでしょう。宝探しをするつもりで、本屋さんをのぞいてみると、あなたの可能性をもっと広げることができるかもしれませんね。
・街から書店が消えた!
北海道・主婦
私たちが住む留萌市(るもいし)は、北海道の北西部になる夕日が美しい街です。(中略)図書館で出逢った本好きの主婦たちの会話から、すべては始まりました。私たちは「S書店を留萌に呼び隊」を結成し、どうすれば、S書店に留萌へ出店したいと思ってもらえるかを考え、活動することにしたのです。(中略)
利益を産み出さない慈善事業になってしまうようでは、会社として継続する意味がありません。
「だったら『S書店を応援し隊』として活動を続けてはどうだろう?」
そのひと言で、隊の継続が決まりました。出店してもらうための活動から書店を応援し続ける活動にシフトしたのです。
・文芸書が好きな書店員は多いが、ビジネス書好きなのは珍しいのだ。
・その本屋さんには、店頭に一冊のノートとペンが置かれていました。ノートに本やお店の感想やら質問やらを書く込むと、書店員さんがそれに対する返事を書く込んでくれるのです。
・彼女が『ゼクシィ』を立ち読みしている姿を見た。『ゼクシィ』とは、そう、あの恐ろしく分厚い結婚情報誌だ。そうか、結婚するのか------。(中略)
それから何年経っただろうか。(中略)一冊の雑誌を差し出した。雑誌は『たまごクラブ』だった。主婦向けの出産準備雑誌だ。(中略)
そしてまたしばらく姿が見せなくなったと思ったら、最近は、定期的にやって来ては『ひよこクラブ』(※育児雑誌)を買っていってくれる。(中略)
買っていく雑誌で、お客さまの人生のステージが変わっていくのがわかる。それを見守る書店員。
・このままいくと数年後には、書店のない街がかなりの数になるでしょう(二〇一二年五月現在、全国の自治体の十七%にあたり三一七市町村が「書店ゼロ」の状態)。
・人、情報が集まる、いわゆる「モテる」書店になれるかについて(中略)
「モテる書店」になるためのコミュニケーション術(中略)
次の三つの方法が考えられます。
①お客さんとの接点を増やす
②コミュニティをつくる
③期待値異常の驚きを与える(中略)
②コミュニティをつくる(中略)手軽にできる書店向きのイベントを三つ紹介しましょう。
a. 読書会(中略)
b. ビブリオバトル
もともとは京都大学で広まったもので、簡単に言うと本のプレゼン合戦。自分のお気に入りの本を五分の制限時間でプレゼンし、いちばん読みたくなった本を観客が投票で選ぶというシンプルなルールです。
全国で開催されていますが、紀伊國屋書店新宿南店では隔月で、このイベントを行っています。
c.Share Reading(シェアリーディング)
開店と同時に店内の本を見て回り、はじめて見つけた書籍を一冊購入し、併設のカフェで三十分間読書(その時間は貸し切り)。その後、グループで選んだ理由や内容についてシェアするというイベントです。店主催ではなく、場所を貸しているだけですが、同じく紀伊國屋書店新宿南店で定期的に行っています。
●書籍『本屋さんで本当にあった心温まる物語』より
川上 徹也 著
須山 奈津希 (イラスト
あさ出版 (2012年11月初版)
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