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[ 出版業界について ]

出版物推定販売額 2004年~2013年  寄稿:冬狐洞 隆也 氏

出版物推定販売額における、ここ10年の推移を紹介したい。
 

書籍
前年比
雑誌
前年比
合計
前年比
2004
9,429
4.1
12,998
▲1.7
22,428
0.7
2005
9,197
▲2.5
12,767
▲1.8
21,964
▲2.1
2006
9,326
1.4
12,200
▲4.4
21,525
▲2.0
2007
9,026
▲3.2
11,827
▲3.1
20,853
▲3.1
2008
8,878
▲1.6
11,299
▲4.5
20,177
▲3.2
2009
8,492
▲4.4
10,864
▲3.9
19,356
▲4.1
2010
8,213
▲3.3
10,535
▲3.0
18,748
▲3.1
2011
8,198
▲0.2
9,844
▲6.6
18,042
▲3.8
2012
8,013
▲2.3
9,385
▲4.7
17,398
▲3.6
2013
7,851
▲2.0
8,972
▲4.4
16,823
▲3.3

※単位:億円

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2014年・消費税増税で本屋の廃業が増える

推定販売額は書籍・雑誌合計で前年比3.3%減と前年を下回っており、9年連続のマイナスとなった。2014年も消費税増税で1997年~同様マイナスとなることは間違いない。当時よりもマイナス幅が大きくなると予想され、書店の廃業も多くなると考える。


2013年度 出版市場の傾向

書籍・雑誌合計販売額は前年よりマイナス575億円となった。特に、雑誌の落ち込みが酷くマイナス413億円。その原因は、書店を含めてコンビニエンス・駅売店の雑誌離れが大きく影響している。雑誌はコミックスに助けられたようであり、ムックは相変わらず供給過剰、中でも、目立つのは週刊誌で約8.1%のマイナスとなった。


雑誌の落ち込みは大幅な需要減退が起きている。その原因は、雑誌そのものがつまらないのと、必要なものはネットで十分だと思っている人が多いからである。月刊誌・週刊誌の落ち込みを止めるのは容易でないが、ネットのニュースに勝てる方法を見つけられるかがポイントになるだろう。


書籍は映像化作品の文庫本が供給過剰で飽きられてきていた。映像で人気があっても書籍が売れるとは限らない。書籍全般では、売れ行きの二極化が進み、売れる本と売れない本の差が激しくなった。出版社が判断できない限りこの差は今年以降も続くと予測する。


書店における読者傾向

書店店頭では客単価は落ちていないのに、客数が落ちてきたのが顕著に表れているとの話が出ている。しかし、生産年齢人口が落ちているのに本を買う人が多くなるわけがない。とりわけ、団塊の世代(1947年~1949年生まれ)805万5千人が年金生活者に仲間入りし、消費行動の先端を行った人たちの本購入に変化が起きているのは周知の通りである。


人口動向から今後の出版マーケットをひも解く

問題は年少人口(0~14歳)が益々減少している状態である。年少人口は2015年に全国で11.8%に下がると推定されている。中でも、東京都がひどく10.4%となり2020年には9.5%になると予測されている。


一方、65歳以上は2015年には3,395万5千人となり、内、後期高齢者(75歳以上)は1,645万8千になる予定。つまり、48%にのぼり、約2人に1人は75歳以上となる。この状態で本が売れるのだろうか、やはりピンポイントマーケティングは益々必要となってくるだろう。


寄稿 : 出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏