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鯨 統一郎 氏 書籍『努力しないで作家になる方法』(光文社 刊)より

このページは、書籍『努力しないで作家になる方法』(鯨 統一郎 著、光文社 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・僕の小説の作り方は、簡単に言えば、次のようなものだ。

一、核になるアイデアを決める。
二、登場人物を決める。
三、プロットを組む。
四、執筆する。
五、推敲する。


・同じ表現を繰り返し使っているところも直す。まったく同じ表現を、近い位置で二度使ってしまうときがあるのだ。たとえば、“冷や汗をかいた”という表現を、三行の文の中で二度使っていたなど。これは語彙や表現力が乏しいと見なされるので、どちらかを“肝を潰した”などの違う表現に変えて、繰り返しを避ける。(中略)


あるいは、“違和感を感じた”という表現は、近い位置に“感”という漢字が二度使われていてうるさいので、“違和感を覚えた”に直す。


・“説明ではなく描写を”もよく言われることだ。“男はイライラした”と心境を直接書くのではなく、“男は煙草を乱暴にもみ消した”などと、登場人物の行動を通して表現する。


・デビューするのは簡単だ。でもそこからプロとして生き残ってゆくのは大変だ。


・エンターテインメント作品と純文学作品の違いを、僕は次のように考えていた。エンターテインメントは、他人のために書く小説。純文学は、自分のために書く小説。エンターテインメントの目的は、読者、すなわち他人を楽しませることだ。これに対して、純文学は、止むに止まれぬ内なる衝動に従って書く。もちろんエンターテインメント執筆にも止むに止まれぬ衝動は存在する。


・“よく知らないから、知りたい”だったのだ。書けば、必然的に調べなければならなくなり、その結果、詳しくなる。(中略)徹底的に調べて詳しくなろう。好きだから調べられるし、執筆にも力が入るというものだ。


・ゲラとは、手書き、またはワープロで書いた生原稿を、本にしたときと同じような体裁で仮印刷したもので、英語の galley が訛ったものらしい。


・文字の間違いを訂正してゆくのが校正、内容にまで踏み込んでチェックを入れるのが校閲です


・この作品は事実を元にして構想しましたが、あくまでフィクションです。作中に登場する作品、作家に対する評言などはすべて主人公の考えであり、事実と一致するものではありません。


●書籍『努力しないで作家になる方法』より
鯨 統一郎 (くじら とういちろう)著
光文社 (2011年6月初版)
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