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稲盛 和夫 氏 書籍『稲盛和夫の経営塾~Q&A 高収益企業のつくり方』(日本経済新聞出版社 刊)より

このページは、書籍『稲盛和夫の経営塾~Q&A 高収益企業のつくり方』(稲盛 和夫 著、日本経済新聞出版社 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・私は会社経営の真の目的は、エンジニアである私の夢を実現することではなく、従業員とその家族の生活を守っていくことだと気づかされたのです。(中略)


「稲盛和夫の技術を世に問う」という当初の目的を捨て去り、京セラの経営理念を「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」と定めました。


・本社はオンボロでもよい(中略)

外見が悪くとも、印刷機械さえ立派であれば、事業に差し支えないのです。(中略)メーカーですから工場にお金をかけても、本社にはお金をかけませんでした。


・業績を直接ボーナスや賃金に反映してはならない(中略)

なぜなら、人間というのは、業績が上がり、ボーナスが上がる時はみんな喜ぶのですが、業績が下がり、ボーナスが下がる時は、やる気を失ってしまうからです。(中略)


ですから、京セラでは、業績のいい部門には、ボーナスで報いるのではなく、その功績を賞賛することにしています。「みなさんの部門がよくがんばってくれたおかげで利益が増え、会社全体としても収益が上がり、みんなのボーナスを増やすことができました」と言って、精神的な栄養を与えているのです。


・多角化の進め方(中略)

多角化は経営者だけでなく、会社全体の資源を分散させます。そのため私は、現有する経営資源を活用することができ、シナジー効果を期待できる、保有技術の延長線上で、多角化を進めようと考えました。実際に京セラは、再結晶宝石、医療用セラミック材料、切削工具、太陽電池などへ次々と多角化を進めましたが、それは京セラが得意とするファインセラミック技術や結晶技術を応用した製品でした。


・売上の大きさを追わず、店舗ごとの採算を高めよ(中略)

植物でも動物でも、与えられた環境に適合したものだけが成長していくのです。(中略)つまり環境は、生物が生長する制約条件として働いているのです。(中略)


無理に売上高を増やすことよりも、今まで出店された店舗の収益力を高めることです。


・借金は、さらに五億円の融資を受ければ、(中略)売上が増える保証など、どこにもないのです。


・三方よしの買収が企業のさらなら隆盛をもたらす(中略)

力ではなく、徳をもって治める(中略)買収した新会社は、権力でも、財力でも、技術力でもない、経営者の徳をもって治めていかなければなりません。あの人とならぜひいっしょにやっていきたいと思わせる徳を積み、相手の会社を従えていくのです。これがM&Aを真に成功させる秘訣ではないかと思います。


・自社の能力は未来進行形で据える(中略)

技術者の中には「ウチにはそんな技術がありませんし、設備もありません」と、不可能な理由を並べ立てる者がいました。たしかに、現在の技術では無理だと思われるような製品を受注したのですから、無理はありませんが、それで諦めてしまえば、会社の発展は望めなくなります。(中略)


現在の能力で判断していては、革新的な技術開発など永遠にできない。だから、我々の能力を未来進行形で捉え、必ずできるはずだ信じて、がんばろうではないか


・業績スライド給は逆効果、一律賃下げを理解してもらうほうがよい(中略)人間には、理屈で分かっていても、感情の面で割り切れないことが実に多いのです。


・技術だけが強い会社というのは意外と脆いもので、それに勝る新技術が出てきた時、その優位性はたちまち消滅してしまうものです。


・京セラでは小集団の部門別独立採算制のアメーバ経営を行っていますが、この制度の下では利益を前面に出すのではなく、労働時間一時間当りどれだけの付加価値を生み出したかを表す「時間当り」を採算の指標として使っています。


・経営の原理原則に従う(中略)

「売上を最大にし、経費を最小にする」ことが経営の原点である


・人間には自ら燃えるタイプの自然性の人、火を点ければ燃えるタイプの可燃性の人、何をしても燃えない不燃焼の人、この三つのタイプがあるというお話を伺いました。


・どうしても幹部が変わってくれないのであれば、思いきって若手を抜擢するべきです。単に頭がいいとか、仕事ができるという人ではなく、あなたを信頼してついてきてくれる若手を起用するのです。その上で、抜擢した若手に任せきりにするのではなく、折にふれて教育・指導して、あなたの思想を十分に理解してもらうことです。


・筋肉質経営というのは、必ずしもやり手の人だけを選ぶことではありません。やり手の間に、人間味あふれるすばらしい人材がいなくては、会社は成り立たないのです。


・京セラが今日のような企業に成長したポイントは、二つあります。一つは、しっかりした経営理念を持っていること、もう一つはきちんとした経営管理システムを確立していることです。


・私は携帯電話の事業を分析し、契約事業、通話オペレーション事業、レンタル事業、付加品販売事業という四つの事業単位を分けることにしました。(中略)これらの四つの事業を独立した事業単位として分割し、それぞれ独立した採算管理をすることで、どの事業が儲かっているのか、損しているのかを明確にし、必要な対策がすぐにとれるようにしたのです。


・ガラス張りの独立採算管理を徹底(中略)

ベーカリーであれば、パン製造部門と小売部門がありますが、これらも別管理にします。


・アメーバ経営管理で大事なことは、部門ごとに売上が集計されると同時に、その部門が使った経費が明確になることです。そうしておけば、部門ごとに集計された売上から、その部門の経費をひいて、その部門の利益を把握することができるからです。


・「面白おかしく騒いだり、憂さ晴らしをするばかりが酒の飲み方ではない。人性について、仕事について、大いに語り合う、そういう飲み方をしようではないか」。京セラのコンパでは、飲めば飲むほど真面目に話をします。


・ダム式経営をしたいと心から思えば、なんとかしようともがき苦しみ、その中から解が生まれてくる。でも、そう思わなければ、何の解も出てこない。まず、余裕ある経営をしたいと、心から思わなければならないのだ。


(※松下)幸之助さんの言いたかったことは、人間はそうしたいと強く願わなければ、何事も成就できないということです。


●書籍『稲盛和夫の経営塾~Q&A 高収益企業のつくり方』より
稲盛 和夫 著
日本経済新聞出版社 (2007年11月初版)
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