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於保 哲外 氏 書籍『「うつ」は体を温めて治す』(成美堂出版 刊)より

このページは、書籍『「うつ」は体を温めて治す』(於保 哲外 著、成美堂出版 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・うつがまだ少なかった時代の平均体温は、いまより1度近くも高かったのです。35度台後半~36度前半だとしたら、現代人としては平均的ですが、冷えを疑ったほうがいいでしょう。


・「冷えを直せば、うつは治る」と、私はそう確信しています。


・「体を温めるようにしてから3か月。どんよりと心身を苦しめていた落ち込みが減り、人に会う気力がわいてきました。(中略)」(中略)


この方は、ゆるめのお風呂に毎日、長時間入るという方法を実行に移しました。その結果、いまでは抗うつ剤もいらなくなり、真っ暗に見ていた未来が明るく開けてきたといいます。


・たとえば、汗っかき、暑がり、体がすぐにほてるといった人は、冷えとは正反対の体質だと思っているでしょう。しかし、違います。実は、これらは、体の芯が冷えていることを示しているのです。


・私たちは、熱があると、「大変だ」と病院に行ったり、薬を飲んだりします。ですが、体温が低いからといって「危ない」と考えたり、対策を講じたりすることはまずありません。しかし、低い体温は、高熱と同じように、心身の危険信号なのです。


・体温が低いのは、体内のエネルギー活動が不活発だからです。また、私たちの体内では、生命活動を維持するための、3000種類以上のさまざまな酵素が活動しらり、科学反応が行われたりしていますが、それらに最も適した温度が37~38度といわれています。


・夏に膝かけが売られている(中略)

店員の話では、長袖のカーディガンはもちろん、下半身をおおう膝かけとか、厚手のソックスなどは、夏の必需品なのだそうです。エコ対策で冷房温度を28度程度に、といっても、建物の構造上、均一に冷えるわけではなく、場所によっては1日中冷えている


・のぼせる、ほてる、ちょっと動くと顔が真っ赤になって汗をだらだらかく、といった「暑がり性」は、実は、体温調節のアンバランスから起こる「冷え」の症状なのです。体の表面は熱くても、体の芯は冷えています。ほてりや汗は、そのアンバランスを調整しようとした結果です。


・脇の下に手を入れて、おなかにじかに当ててみるのです。「このときに、おなかがひんやり冷たく感じたら、体の芯が冷えている証拠です」と伝え、「冷えの自覚のない方、とくに男性にはよく、こうして自分が冷えであることを納得していただいているのですと」といいました。


・諸悪の根源「冷え」を改善するために、私は「冷え取り3点セット」と呼ぶ生活習慣をおすすめしています。

①長湯
②体を冷やす食べ物をできるだけ食べない
③頭寒足熱


・マタタビ湯

マタタビはキウイの仲間のツル状の植物です。このツルを適当に切り、陰干しにして乾燥させておきます。マタタビ湯にするときは、それを鍋にひとつかみと、水適量を加えて10分間ほど煎じ、煎じ液をお風呂に入れます。手間はかかりますが、体の芯から温めるといわれ、冷え症対先には抜群の薬湯です。


・背中をふくらませて息を吸う(中略)

普通の深呼吸は、胸を張って、背中すなわち肩甲骨を縮めて、大きく息を吸い込みます。それに対して、私のいう大きい呼吸は、両ひじを前に張り出しながら、すなわち肩甲骨を外へ広げて背中をふくらませて息を吸い込んでいくのです。(中略)


背中をふくませる方法のほうが、たくさんの空気を吸い込みことができる


・アロマと精神効果


・紅茶かホウジ茶がおすすめです。体を温める飲み物には、ほかに、ソバ茶や黒大豆茶もあります。


・2世紀ころに編まれた中国医学の古典『傷寒論』(しょうかんろん)にも「ショウガは体内のすべての臓器を活発に働かせ、体を温める」と記されています。実際、血行をよくする、体内の水分代謝を改善する、消化を助けるなど、ほとんど万能ともいえる薬効を備えています。


・[体を温める食材]

●寒い地方でとれる、冬が旬
●色の黒っぽい、濃い、暖色系
●地中(下)に向かって成長、エネルギーを蓄えたもの
●水分が少なく、固い
●塩、すなわちナトリウムが多い


・[体を冷やす食材]

●暑い地方でとれる、夏が旬
●色が白っぽい、薄い、寒色系
●地上(上)に向かって成長し、地上で身をつけるもの
●水分が多く、柔らかい

また、生野菜や酢の物、冷奴など火を通していない食べ物、冷蔵庫で冷やしたものは、体を冷やします。


・笑いで患者の自己治癒力向上を手助けする「笑い療法士」の養成・認定を進めている高柳和江。東京医療保険大学教授は、著書『笑いの医力』(西村書店)で、「1日⑤回笑って、1日5回感動しよう」と提唱されています。

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・仏典に「心身不二(しんしんふじ)」という言葉あります。「不二」とは、密接につながっている、二つに見えて、実は本来一つのものであるという考え方です。つまり、体が冷えれば心も冷え、心が冷えれば体も冷える関係になります。


・まわりと比べ、まわりより高い山に登ろうとするではなく、自分が登りたい山に登る、という生き方に切り換えるのです。自分を主人公にした生き方をすると意識をかえていくだけでも、心の冷えはかなり改善に向かいます。


・「適当」も、本来はよい意味なのです。適は「かなう」、当は「正しい、ほどよい」という意味であり、「適当」は、いちばんほどよく的確な状態を示しているのです。


・すべての人間は、どこかが抜けていたり、なにかが足りなかったりするのです。それを補い合っていくのが、仕事仲間であり、家族であり、社会なのではないでしょうか。


・「頑張る」のは、頑(かたく)なに、張りつめることです。自分を追い詰め、心を固く縮こまらせ、余裕や温もりを奪ってしまう生き方です。


・「わがまま」は「我儘」と書きます。自分があるがままに、自分らしく、というのが本来の意味なのです。人は「わがまま」に生きられたら最高なのです。つねに自分を抑え、まわりを優先し、まわりに合わせ、自分が突出することがないようにブレーキをかけ続けるのは、いわば「他儘(たがまま)」であり、心が冷え固まってしまうのは当然です。


・大らかに他人を受け入れられる人は、自分も大らかに受け入れているものです。他人との関係性がうまい人は、自分との関係性がうまい人なのです。


・人間関係を好転させたいのなら、相手を変えようと努力するより、自分が変わる王道に向かうことです。


●書籍『「うつ」は体を温めて治す』より
於保(おぼ) 哲外 著
成美堂出版 (2010年12月初版)
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