このページは、書籍『なぜレストランのメニューで3行目を選んでしまうのか?』(氏家 秀太 著、ディスカヴァー・トゥエンティワン 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・あなたも飲食店にただ空腹を満たすためだけに来るわけではないですよね。
「いい雰囲気の中、彼女とデートを楽しむ」ため、あるいは「家族とくつろぎ、ふだんよりもゆったりと団らんを楽しむ」ため、「会社の打ち上げで、みんなで盛り上げる」ため、家庭でも職場でもない空間で「ひとり、リラックスをする」ためというように、何かしら用途(目的)があってお店を利用していますよね。
だから、まずは「誰が・誰と・何のために(何を求めて)来店していただくか」を考え、それにきちんと応える計画をつくる------そうすれば、お客様は自然と集まってくるのです。
・お客様相手に戦争用語は使わない(中略)
仕事を通じてお客様に幸せを届けながら成功したいのであれば、今後一切、お客様に対して戦略や戦術、攻略や囲い込みなどとの戦争用語を使うのはやめましょう。(中略)
「戦場」は「ステージ」に。
「戦略」は「ストーリー」に。
「戦術」は「スタイル」や「演出」に。
「攻略」は「共感」に。
「戦力」は「表現力」や「ツール」に。
「囲い込み」は「ファンづくり」に。
それぞれに置き換えてみましょう。
・ソーシャルマーケティング時代で成功する大前提はSTPを明確にすることです。STPとはセグメンテーションのS、ターゲティングのT、ポジショニングのPの略。端的に言うと、どのように市場を分けるか、誰に向けて売るか、競合製品とどう区別するかということです。
・メニューは営業マンであり、演出家でもある(中略)
役割
たとえば、
お店を紹介する役割
商品カタログとしての役割
営業マンとしての役割
サービスマンとしての役割
コンセプトとこわだりを伝える役割
演出の役割
・メニューに商品をどう並べるかによって、売れ行きは大きく変わります。並べ方を決めるときのポイントは2つ。価格とポジション(位置)です。
・メニューでは1行目よりも3行目に置かれた方が注文されやすいなど、「出やすいポジション」「出にくいポジション」というのがあります。(中略)
たとえば飲食店のすぐの自販機では左上にお茶が、待つ人が多い場所では左上にはコーヒーが配置されるようです。立地によっても違いますが、特にコカ・コーラの自販機の左上をチェックすると面白いでしょう。土地柄や立地特性が出ています!
・売れないメニューをあえて残す必然性(中略)
たとえば「新潟」をテーマにしたお店で、地酒は非常によく出るのだけれど、郷土料理はあまり出ない、というケースがあります。それでもメニューから郷土料理を落としてはいけないのです。郷土感を出すためには欠かせない商品だからです。
・メニュー改定の内容はというと、主なものだけでも、
①新しい料理を増やす
②新しい料理と古い料理の入れ替え
③料金改定
④メニューの斬新
⑤コースメニュー、セットメニューの開発
⑥新商品群の開発
⑦商品群の改定
・意外に効果がある方法があります。それは⑦の「商品群の改定」です。これだけで、思いのほか売上を向上させた例は多いのです。
・お店の顔とは「店頭の顔」「外装・内装の顔」「メニューの顔」「サービスの顔」「スタッフの顔」などが主なところでしょう。(中略)どのような顔づくりをするか。常に「視点」と「切口」が大切です。
・ABCバランスというのは、売上を最大化するために、商品(メニュー)を売れ行きのいい順にA・B・Cの3グループに分けて分析し、その3グループの比率をどうするか、決めるというもの。
ABC分析は、基本中の基本。飲食店関係者やこれから飲食店をやろうとしている人は必須の分析ツールです。(中略)
商品(メニュー)を売上が大きい順に、Aグループ、Bグループ、Cグループの3つにランク分けします。売上の上位75%をAグループ、次の20%をBグループ、最後の5%をCグループとします。もし全部で30品目のメニューを出している店であれば、この3つのグループにそれぞれ10品ずつが当てはまる、というのが理想的。
・「こだわり」とは、まさに店のコンセプトであり、お客様(消費者)に対しての、お店のセールスポイント、つまり他店にはない魅力(差別化)を表現するものです。だから、「こだわり」は徹底的に表示して、お客様にきちんとアピールすることが重要なのです。
・「こだわり」をアピールする(中略)それだけで月の売上が3倍以上、230万円に跳ね上がったのです。(中略)「こだわり」を伝えた。それだけです。
・どの対策も目先、小手先の策。対症療法でしかありません。重要なのは、ボタンの掛け間違いを見つけ出すこと。それに尽きます。なぜなら、それこそが根本的なゆがみ(=売上不振)の原因をなくす方法だからです。そして、この店の場合は「こだわりを表示していなった」ことに尽きます。
・3カ月以内に2回以上来店したお客様の方が4・7倍、固定客化しやすいのです。(中略)そこでお客様をリピーターに変えるために、最初にやるべきこと、それがお客様の情報(顧客情報)を集めることです。
・埋もれてしまわない誕生日DMとは?(中略)
会員データ収録時に、大切な方、家族や恋人、友人の誕生日を登録しておいてもらうのです。そして、「シークレットパーティのお手伝いをします」という内容でDMを送るといいでしょう。たとえば、彼女の誕生日を記入してもらい、彼女の誕生日が近づけば、彼氏の方に送る、というわけ。
・RFM分析は、リピート率・利用金額が高い顧客を識別する手法です。(中略)RFM分析に必要な除法は、以下の3つです。
R:最近いつ来たか(最後に来たのはいつか)
F:今までに、何回来たか
M:今までに、合計いくら使ったか
・「上得意客」の場合は現在も進行している特別なお客様なので、DMも特別にしていきます。たとえば、「このたび新しいメニューができました。試食会を内々で開催しますので参加されませんか」など。単純に30%オフなどではなくて、特別感、プライドをくすぐるものがふさわしいです。
・ポイントカードもありますが、飲食店ではあまりあすすめできません。なぜなら、ポイントカードはなかなか持ち歩いてくれないからです。スーパーマケットのように週に何度も利用するお店の場合は携帯してもらえるだろうけど、せいぜい数カ月に一度の来店頻度の飲食店においては難しい。(中略)
その点、パスカード方式はメリットが多いのです。パスカードとは、見せるだけで、メリットを享受できる会員カードのことです。忘れても、顧客管理手帳で名前と番号を記録していて本人だと分かれば、会員特典を付与してあげればいい。
・料理の提供時間も大切なクオリティーのひとつです。ランチだったら8分、ディナーの主食は20分。これがクレームの分岐点です。(中略)ドリンクを提供する時間だったら、居酒屋では2分ぐらいとも言われています。
・お客様をロックインする
・今の消費者は「価格志向」から「価値志向」に変化しているのですから、安いだけでなく、そこにさまざまな付加価値が必要です。居心地の良さ、安心できるサービス、その店でしか味わえない味、こういうものを提供できるオンリーワンのお店をお客さんは求めているのです。
・店のイメージを具現化する方法
現状分析(7W3H)シート
WHEN 場面(中略)
WHO 誰が(中略)
WHERE どこで(中略)
WHAT 何を(中略)
WHOM 誰に(中略)
WHY なぜ(中略)
WHICH どれを(中略)
HOW どのように(中略)
HOW MACH いくらで(中略)
HOW MANY どれくらい
●書籍『なぜレストランのメニューで3行目を選んでしまうのか?』より
氏家 秀太 著
ディスカヴァー・トゥエンティワン (2011年10月初版)
※amazonで詳細を見る
Copyright (C) 2003-2024 eパートナー All rights reserved.