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著者の方から、こんなお問い合わせをいただきました。
Q:遺品に関わる書籍を出しました。出版2ヵ月後で何か対策がありますか?
それに対する私の考えはこうです。
私、仁藤雄三が本を売るときに考えるのは、まず川上と川下をどのように戦略を立てるか思案します。川上川下とは、以下です。
(川上) (川下)
著者 → 出版社 → 取次 → 書店 → 読者
川上となる著者には、こんな方法があります。まずは同ジャンルの本を出している著者を探します。そして、その人がどの程度のメディア影響力を持っているか調べます。
たとえば、メルマガの読者が1万人いるとか、
フェイスブックで友人が3000人いるとか、
読者数5万部の雑誌に記事提供しているとか、
ツイッターのフォロワーが数万人いるとかです。
そのように方に献本をして、紹介してもらう、もしくは協力を仰ぐようにします。もちろん、いうまでないですが、相手にとってメリットある提案が必要です。とりわけ、一方的に紹介してほしいといった内容だと無視される可能性が高くなります。
なぜ、このような著者に協力を仰ぐかというと、ビジネス系をよむ読者は、悩みを抱えていたら1冊だけではなく、同じようなテーマの本を何冊も読むものだからです。ということは、似ているカテゴリの作家と組めば、お客様の交換ができるということになります。
最近は、「終活」「遺品整理屋」「人生のかたづけ」といった本やセミナーなども盛況のようです。
このような方々を探してお互いの本を売れないかコラボするのが1つだと考えます。
実際、私どものクライアントは、同ジャンル同士で紹介し合い、お互いで売り歩く関係を築いている方が多くいらっしゃいます。
次に、川上に近い出版社というと、今回の本をつくった版元だけではありません。雑誌や専門誌や新聞を発行している社があります。マスコミということで考えると、73分類はあるので、対象となる出版社もあるのではないでしょうか。
そのようなところに、プレスリリースを実施することを考えます。
この場合、大きく3つの方法があります。
1、 記事として「本」を紹介してもらう。
つまり、書評欄や読者プレゼントとして。
2、 「ご自身」を記事として取り上げてもらう。
3、 クライアントの事例で、こんな問題や課題が起こっているといった
「お客様」のことを記事にしてもらう。
次は、読者対策です。想定読者層は、亡くなった方の親族や高齢者の人でしょうか。
であれば、たとえば、葬儀場の方にアプローチをして、本の内容を紹介したチラシを配ってもらうなどがあると思います。もちろん、葬儀場のメリットを用意する必要がありますが。私であれば、全国の葬儀場などにFaxDMを打ちます。
他に、以下のような業種に書籍が役立つことは考えられませんか。もししは、ビジネスの可能性はないでしょうか。
特別養護老人ホーム
介護老人保健施設
通所・短期入所介護事業
訪問介護事業
認知症老人グループホーム
有料老人ホーム
火葬業
墓地管理業
冠婚葬祭互助会
違った案では、介護の専門誌や業界紙、団体、組合はありませんか。その当たりの会報誌に広告を出す、プレスリリースを出して記事にしてもらう手法もあるかと思います。とりわけ、専門紙・専門誌は読者対象が濃く、本の内容とかぶさるようであれば、最適なツールとなります。言い換えれば、最小のコストで最大の効果を出せる可能性を秘めています。
まとめますと、本をどう売るかと考えるのではなく、想定読者はどこにいるのかといった“場” を探すことが大切だと考えています。
あと、出版2ヵ月後とのことで、読者から感想文が届いていれば、それらのコメントの中から、何かヒントとなるようなものがあるかもしれません。
いうまでもなく、本は一点一点が異なる新商品です。商品に合わせた販売方法が求められます。そもそも、読書層は本によって大きく異なるからです。
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