このページは、書籍『メディアの狩人~時代のコンセプトをどう読むか』(植田 康夫 著、花曜社 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・近藤出版社社長の近藤安太郎氏の執筆した「出版社による読者開拓の一事例」
・文庫本の十徳(中略)
安い(中略)小さい(中略)サイズが揃う(中略)種類が豊富(中略)捨てて惜しくない(中略)新刊書も読める(中略)奇書。珍書がある(中略)解説付き(中略)注が便利(中略)誰かの鑑定済み(中略)
“現代の文庫の魅力”の条件を満たしている。
・ふつう「タチカワブンコ」とよばれる講談文庫の「立川文庫」は、正確にはタツカワブンコと読むのだそうである。(中略)足立巻一氏(中略)出した『立川文庫の英雄たち』(文和書房)の第1章「考説立川文庫」の冒頭に書いてあることである。
・出版販売でのベストセラーづくり(中略)
大型店への重点配本は、その新刊が版を重ねて本物になった時に初めて成功するが、初版の重点配本(販売)はそのベストセラーを短命に終わらせてしまうことがわかった。“売れる匂いの強い”ものほど、我慢して広く薄くした方に妙味があることもわかった
・大型店には「“目利き”や商勘の人がいて、霜枯れた再委託品はすぐに見破ってすぐに返品してくるから」
・昨年(一九七一年)あたりから、出版物の売上げが総体的に低下しているということが、出版業にたずさわる、いろいろな人から口に出るからだ。しかし、誰も「困った、困った」とは言いながら、確たる原因をつかみ得てはいない。
・テレビでは話の七%しか伝わらない(中略)竹村健一(中略)
竹村氏はテレビにおいては、「話のなかみ」はわずか七%しか伝わらず、あとは口調など「話すことの周辺」が九三%を占めるということを、さきに引用した本で書いているが、活字は一〇〇%「話のなかみ」が伝わるメディアであり、それだけにハードな仕事を要請させるということを、この際、とくと認識していただきたいものである。
・水田洋氏(中略)
水田氏は「文庫はほんらい普及版であるから、一度出版されて、普及させる価値があると判断されたものだけが、文庫に生まれかわるというのが原則である」と、文庫の性格について定義している
●書籍『メディアの狩人~時代のコンセプトをどう読むか』より
植田 康夫 著
花曜社 (1985年11月初版)
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