このページは、書籍『リーダーのコミュニケーションの教科書』(沖本 るり子 著、同文館出版 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
・言ったことしかできない部下。
言わないとわからない部下。
言ってもできない部下。
もしかしたらそれは、部下自身の問題というよりも、本当は期待以上の成果を出せる部下という逸材を、あなたが活かしきれていないというだけかもしれません。
・リーダー 「・・・・・・という資料を来週金曜日までに作るように」
部下 「わかりました」
リーダー 「どうわかったのか、説明してくれる?」
部下 「来週金曜日の17時までに作る資料は・・・・・・」
リーダー 「それは、何年度の?」
部下 「平成25年度もののですよね?」
リーダー 「いや、平成24年4月から平成25年3月の24年度!」
このように、説明するときは、相手が「わかりました!」という言葉を発しても鵜呑みにせず、解釈の違いがないかを確認しましょう。
・嫌われたくないからとミスを指摘することができないリーダー(中略)
「部下が成長するならば嫌われていい」という覚悟で臨むくらいの行動を示すほうが、部下はあなたに好感を示すものです。
・忙しいときに、部下からのミスの報告、おまけに自分では考えもせず、どうしたらいいかと質問がくる。「新入社員じゃあるまいし」とイライラは募るばかりで、結果、部下に当たり散らす毎日でした。(中略)
忙しいときこそ、部下との関係を良好にすれば、育成のチャンスとなります。(中略)忙しいからこそ、部下を巻き込み、仕事を任せる
・厄介な「思い込み病」と「つもり病」(中略)
リーダー 「売上実績の一覧表なんだけど、(中略)プログラムを作ってもらえない? 今度の会議で使うから」
同僚 「OK! 再来週の会議ですね、来週末にテストして提出します」(中略)
同僚 「今度の会議って、営業会議だと思っていました。だって、売上実績と言えば、営業会議かと思うし・・・・・・。」(中略)
このように思い込みが根を張っていると、人の話が聴けなくなります。自分はきちんと説明したつもりで、相手の話を聴いたつもりというわけです。
・コミュニケーションは、「何を言ったか」ということより「どのように言ったか」が大切です。たとえば、「ありがとう」という言葉。口ではそう言っていても、ムッとしている表情をしていたり、自分から目をそらしていたら、どうでしょうか?
・「否定ばかりするな!」
相手の個性を観る(中略)
否定的な意見を言う人を「悪者」と考えるのではなく、「人が気づかないことを言ってくれる貴重な存在」と捉えることです。
・「あいつはだめな部下だ」などと言いふらしているようでは、あなた自身が「自分はだめなリーダー」だと言いふらしているようなものです。
・目的と目標の違い(中略)
目的は「何のために」。
目標は「どうする」(終了後にはどうなっている)。(中略)
・目的と目標の違い(中略)
課長は、部下に「この15枚の書類を30部ずつコピーしておいてくれ」と頼み、会議に参加。会議から席に戻ると、先ほど頼んだコピーが、ホチキス止めもしていない状態で、ボンと机に置かれていたそうです。(中略)
「○○社で、管理職30人に向けて今日プレゼンすることになってね。この15枚の書類を、1人ずつに配布するから30部ずつコピーしてくれない? 3時にはここを出たいんだ」(中略)
目的の意味づけがないため、リーダーの指示された言葉通りにしか行動できないのです。
・「(あなたは)○○するべきだ」
改善は「私メッセージ」で話す(中略)
「あなたはプレゼンのとき、右手をもっと大きく振ったほうがいいよ」
「あなたのプレゼンは、右手をもっと大きく振ると理解しやすいと、私は思ったよ」(中略)
どちらが、言われて素直に受け入れてくれると思いますか?
・「聴」という文字は「耳」に「+(プラス)」「目」と「心」と書きます。つまり、“目を心で聴く”ということです。「聞」という文字は、門構えの中に「耳」と書きます。つまり、門の中にある閉ざされている耳なので、あまり届かないのです。
・「その話を知っている」「以前に自分も経験している」「そんなのはわかっている」という気持ちで、先読みして意見を述べたり、決めつけて枠を作った考えで聴くと、「自分の話を真剣に受け止めてもらっていない」「軽く捉えられている」と思われ、相手は心を閉ざします。
・「頭にくるよね!」
共感できないときは感情のキーワードを繰り返して聴く(中略)
人が共感されたと感じるのは、事実や情報よりも、自分の感情を知ってくれたと感じたときです。
・「あなたなら、どう思う?」
アドバイスはありがた迷惑。まずは質問する(中略)
部下 「すいません! データ間違って削除してしまったんですけど。どうしたらいいですか?」
リーダー 「えぇ? まずは、あなたの考えを教えて。最初に何をどうしたらいいと思う?」(中略)
すると、部下自ら解決できる思考力が身につき、そのうち部下にいちいちアドバイスをしなくても、組織にとってプラスになる動きをしてくれる人材に育ってくれます。
・相手が期待通りに動いてくれる方法があります。たとえば、「食事に行くのは、いつがご都合いいでしょうか?」と質問します。すると、すでに「食事に行く」という前提で脳が捉え、「いつがいいのだろうか」と相手は考え始めます。
・部下のSOSに必要なものは、いったん部下の気持ちを受け取ることです。それから、質問によってじっくり状況や事実を把握し、答えを導いていけばいいのです。
部下「沖本さん、W商事の件なんですけど、仕入れ先の売上と額が大きく逆転しているんですよ。どうしたらいいですか?」
「W商事の件、仕入れ先の売上の額が大きく逆転して困っているのね。どうしたものか、ちょっと一緒に考えてみようか」
・欠点を追及しない議論では、リスクや危機について考えているとは言いがたいものです。(中略)否定的な意見が安心して言える仕掛けとして話し合いの場をおすすめしているのです。
リーダー 「今のアイデアのマイナス面を、皆で出していこう。野田さんから右回りで1つずつ言ってくれる?」(中略)
こうすると、誰か特定の1人だけが悪者になるということがなくなり、全員が発信しやすくなります。
・人間、どうしても他人の「いいところ」より「悪いところ」に目がいってしまうものです。でも、それでは人はついてきません。あなたは、部下の特技、できること。できたことをどれだけ挙げられますか?
・実は、私が人財育成や組織の活性化のお仕事のご依頼をいただくときに多いのは、「部下が指示通りに動かないので何とかしてほしい」というよりも、「期待以上に部下を動かせるリーダーを育成してほしい」という相談です。
・うまくいっている会社に共通するのは、リーダーのコミュニケーションスキルが高いことです。部下のせいにしたり、怒鳴ったり、責めたりすることはありません。また、自分の部署だけを考えず、周りとの調和を大事にし、協力し合える工夫をしています。そして何より、部下の可能性を信じています。
●書籍『相手が“期待以上"に動いてくれる! リーダーのコミュニケーションの教科書』より
沖本 るり子 著
同文館出版 (2014年6月初版)
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