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出版物の販売ルートには大きく6つある。
1、書店ルート
2、CVS(コンビニエンス)ルート
3、インターネットルート
4、駅売店ルート
5、学生協ルート
6、スタンド販売ルート
2013年度における出版物販売額と前年比、構成比、5年前との比較・比率を紹介したい。
ルート別 |
販売額 |
前年比 |
構成比 |
5年前比較 |
比率% |
書店ルート |
1,225,218 |
▲5.1 |
72.3 |
▲201,611 |
▲14.2 |
CVSルート |
225,217 |
▲8.1 |
13.3 |
▲87,196 |
▲28.0 |
インターネット書店 |
160,700 |
11.1 |
9.5 |
47,300 |
41.7 |
駅売店ルート |
34,201 |
▲14.9 |
2.0 |
▲25,328 |
▲42.6 |
学生協ルート |
34,900 |
▲1.7 |
2.1 |
▲5,868 |
▲14.4 |
スタンド即売ルート |
13,863 |
▲13.6 |
0.8 |
▲6,444 |
▲31.8 |
合計 |
1,694,099 |
▲4.4 |
100 |
▲279,147 |
▲14.2 |
※日販調べ 単位百万
書店は 5年間で 1,300店減少して 13,107店となっている。新規店もあるので5年間で 5,000店は廃業していると思われる。
CVSルートの店舗数は 53,451店舗となるが、出版物の売上は1店舗平均年商 420万円の売上で月平均 35万円。いかに雑誌が見放されているかが理解できる。駅売店ルートの減少も酷い。団塊の世代の退職の影響で通勤人数が減ったのが最大の理由。
インターネット書店ルートは順調に増加している。このルートはネット専業書店のみの売上で他の兼業ネット書店はカウントしていない。出版社の読者直販ネット販売もあるので出版物のネット販売を合計すると 2000億円は優に超えていると考える。
昔と違って読者の出版物の入手方法は多様化しているので、「出版不況」と叫んでいるのは取次と書店だけか。2013年出版社 (3,588社)総売り上げは 2兆7,481億740万円である。全てが出版物の売上ではないにしても出版社はそれほど困ってはいない。但し、雑誌を発行している出版社はCVSルートと駅売店の落ち込みで厳しい状況。
紙の出版市場の売上は 1兆 6,823億円(取次経由)。これに対して電子出版市場の売上は 1,013億円なので、紙の約 6%の規模となる。日本の電子出版市場は 77%がコミックだからコミックなしでは電子出版市場は今後も成り立たないだろう。他の書籍が電子市場で成長することは何かのきっかけが無ければ今のところ考えられない。
寄稿 : 出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏
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