このウェブサイトにおけるページは、書籍『小さなお店の数字に強くなる本』(鬼頭 宏昌 著、かんき出版 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・たとえば、営業利益を去年より1000万円増加させたから、月5万円給料を上げてもらいたいという具合に、数字をもとに話をしない限り、交渉は成立することはないでしょう。
・お店の数字を分析するときの基礎は、損益計算書の読み方を身につけることにあります。貸借対照表は、一定時点での会社の状況(資産・負債など)を表すためのものです。
・損益計算書(P/L)
集積、費用など、お店の運営と成績をつかむための計算書
・貸借対照表(B/S)
資産、負債など、会社の財政状況をつかむための計算書
・売上原価を下げるか、販管費を下げることで利益は増えることになります。
・「利益」には5種類ある(中略)
①粗利 (中略) (売上総利益) (中略)
売上から売上原価を引いたものが粗利になる(中略)
②営業利益(中略)
営業利益というのは、粗利(売上総利益)から、販管費を引いたものになります。売上から売上原価を支払い、そこから社員やアルバイトスタッフの給料である人件費、水道光熱費、広告宣伝費、家賃、福利厚生費、会議費、消耗品費、修繕費、保険料など、店舗にかかる全ての経費を差し引いて求めます。
③経常利益(中略)
新聞などを読むと、企業の決算が掲載されていることがあります。そうしたとき、利益の指標として最もよく使われているののが、経常利益です。(中略)新聞等のメディアで「利益」と呼ぶ場合、この経常利益を指している場合がほとんどです。(中略)
④税引き前当期利益(中略)
税引き前当期利益とは、③の経常利益から、店舗売却にともなう利益や損失、店舗閉鎖にともなう損失など、臨時的に発生した利益または損失を計上した後の利益になります。
⑤税引き後当期利益(中略)
④の税引き前当期利益から法人税を引いたものが、税引き後当期利益になります。新聞等のメディアではよく、最終利益と表現されます。
・営業利益を高めるために必要なのは、まず粗利を増やすことです。そして、販管費を最小限に抑えることです。
・会計には、財務会計と管理会計の2種類があります。(中略)財務会計とは、会社が貸借対照表と損益計算書などの財務諸表を作成し、それを外部の人や組織に開示するために作る会計のことです。(中略)
管理会計は、会社の内部で活用する会計になります。店舗の管理会計であれば、店長が意思決定することが目的です。会社全体の管理会計であれば、経営者や経営幹部が意思決定するために作られることになります。
・店舗の建築や設備などの初期投資を、法定耐用年数の機関、定率法と呼ばれる計算式にのっとって算出された金額を、減価償却費と呼ぶのです。
・儲かる店はROIでわかる
儲かる店は=「ROI」が高い
ROIは、(Return On Investment)の略語で、投資収益率と呼ばれる数字です。
・コントロールできる経費、できない経費
コントロールできる経費
材料費
アルバイト
人件費
コントロールできない経費
家賃
保険料
水道光熱費
正社員の給料
原価償却費
福利厚生費(中略)
店舗の運営努力でコントロールできるのは、売上原価とアルバイトの人件費しか残されていない
・売上原価の管理で重要なのは、ロスをなくすことなのです。(中略)ロスが出る要因は、小売であれば値引き販売、飲食であれば廃棄ロスとオーバーポーション(決まった分量より多く提供すること)です。
・アルバイトの人件費をコントロールをするうえで重要な指標は、人時売上高という数字です。これは、1時間の労働で売上高がいくらになるかという数字で、以下のように算出します。
人時売上高=売上高÷総労働時間
売上高が600万円で総労働時間が1200時間であれば、
600万円÷1200時間=5000円 となります。(中略)
小売業で7000円以上、飲食業で4000円~6000円、サービス業で5000円~7000円が適正な人時売上高の目安です。
・アルバイトを切り上げさせるのではなく、生産性を上げる努力をしましょう。買い上げ点数を増やしたり単価の高い商品を買ってもらうなど
・損益計算書を読み解く5つのステップ(中略)
STEP①売上高の絶対額、予算対比、前年同月比(中略)
STEP②営業利益の予算達成度(中略)
STEP③原価率はコントロールできたか(中略)
STEP④人件費はコントロールできたか(中略)
STEP⑤販管費はコントロールできたか
・毎月のように現金過不足が発生している店舗は、現場の管理がゆるい証拠です。すなわち、経営者としての姿勢がいい加減と言っても過言ではありません。
・棚卸しとは、店内にある仕入れ品、原材料の在庫金額を集計するための作業です。店舗もしくは会社全体に、数字で判断する文化を根づかせるうえで、実は極めて重要な役割をもちます。
・日時決算とは、毎日収益計算書を作っていくことです。これによりリアルタイムに経営状態を把握できます。通常、損益計算書は、月単位で作られます。
・日時決算を導入して、成果を最大限に高める一つのポイントは、毎日、仕入費とアルバイトの人件費を手入力することです。
・売上を上げることは最強のスキル
売上がなければ全てない
・原価率を落とそうと、人件費を削減しようと、その他のさまざまな固定費を削ろうとも、売上が減ってしまえば、必ず収益は減ります。
・売上高を分解してみよう
細かく分ければ解決策が見える。(中略)
フードデリバリーの売上高は、「新規顧客」「推移率」「利用頻度」「離脱率」「商品単価」「買い上げ点数」という6つの要素で構成されています。
・新規顧客を数を増やす(中略)
1 店前通行人をお客さんに変える
2 チラシやフリーペーパーで集客する
3 インターネットで集客する
4 口コミで集客する
・2回来店したお客さんは、3回目も来店してくれる確率が非常に高い
・メニューを増やせばハードルは下がる
商品ラインナップの拡充は、「利用動機」の拡大にも直結しています。(中略)
どうしてもとんかつを食べたい人もいれば、とんかつを食べたくない人もいるでしょう。メニューにとんかつ以外のメニューがあれば、とんかつを食べたくない人の逃げ道を作ることができ、その家族から受注できる
・使わなければ損をする、くらいに思ってもらえるような内容の値引券は、かなりのリターンが得られます。
・商品単価を上げる2つの方法(中略)
①3つの価格から選ばせる(中略)典型的な手法は、販売価格を3種類用意することです。(中略)
②品ぞろえを見直す(中略)品ぞろえを変えて商品単価を上げることは、小売にも飲食店にも有効です。
・買い上げ点数アップの例
レジ前のガムや電池
ラーメンのトッピング
おかわりドリンク
・売れる時間をもっと売れるようにするアプローチこそ重要なのです。居酒屋であれば、19時から21時までが集客のピークです。その時間帯に客数を満席にするための方法を考える方が、はるかに効果がありますし、やれることも多くあります。(中略)
売れない時間に売るというのは、極めて難しい
・ビジネスをするなら、男性にターゲットを絞った方が楽だと考えています。男性は女性と比べたら行動が直線的なので、顧客の獲得がしやすく、その関係が長期に続きやすいからです。
一方の女性は、(中略)「いろいろな店に行ってみたい」と思っていますし、そのお店に対する要望も非常にきめ細かいからです。
・顧客獲得コストはCPOと呼ばれます。CPOは新規顧客を一人獲得するためのコストのことで、下の式で算出します。
CPO(顧客獲得コスト)=広告宣伝費÷新規顧客の数
・取引先も会社の一部(中略)
事業活動というのは、共存共栄で成り立っているので、誰かの不利益を押しつけて円滑に回っていくことはできません。
・粗利額を増やすには、2つのベクトルがあります。
1 売価を上げる
2 売上原価を下げる(中略)
売れないときほど値上げする
・差別化は、顧客目線から見て魅力ある違いでなければ意味がありません。たとえば、ラーメンビジネスを始めて、接客で差別化しようとしても意味がありません。顧客は、ラーメン屋に気持ちのいい接客を求めていないからです。
●書籍『売上・利益を伸ばす! 小さなお店の数字に強くなる本』より
鬼頭 宏昌 著
かんき出版 (2015年2月初版)
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