このウェブサイトにおけるページは、書籍『トップセールスには、なぜ「いいお客さま」が集まってくるのか?』(横田 雅俊 著、ダイヤモンド社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・トップセールスと売れない営業マン、その決定的な違い(中略)
「お客さま(顧客)」という言葉に対する定義の違いにあります。
「お客さま(顧客)」の定義
9割の営業マン・・・・・・「すぐに買いたい人」
1割のトップセールス・・・・・・「すぐに買いたい人」+「買うか迷っている人」(中略)
モノ余りの時代に「すぐに買いたい人」を見つけ出すのは至難の業です。
・トップセールスを持っている3つの力
①ニーズを引き出す(中略)
②商品・サービスへの興味を高める力(中略)
③「選び方」を伝える力
・「買うか、買わないか」、お客さまが迷う3つの理由
①情報が氾濫している(中略)
②品質が相対的に向上している
品質での差別化が難しくなった
③不確定要素が増えている
リーマン・ショック 大震災
・お客さま(市場)は、4つのタイプに分類することができます。
①第1の顧客・・・・・・ニーズが高く、自社との関係性も強い
②第2の顧客・・・・・・ニーズは高いが、自社との関係性は弱い
③第3の顧客・・・・・・ニーズは低いが、自社との関係性は強い
④第4の顧客・・・・・・ニーズが低く、自社との関係性も弱い(中略)
この「第4の顧客」がいる市場を育てて、狩り取れるレベルまで持っていくのが、本書で提案する新しい営業スタイルです。
・「御社のホームページに掲載されていた○○について、次回お話させてください」
このように宿題をつくり、その回答=「気づき」を持っていくのです。これは、アポイントの回数を増やすと同時に、ヒアリングをするためでもあります。
・お客さま本人も認識していない「潜在ニーズ」をつかむ。これがトップセールスへの第一歩となります
・お客さまの潜在ニーズを拾えない営業マンには、共通して3つの弱点がある(中略)
1つ目は、「疑問に思わない」ことです。お客さまが「安いものでいいと言えば、「そうか、安ければいいんだ」と納得してしまい、言葉の裏にまで意識が向かいません。(中略)
2つ目は、「仮説が立てられない」ことです。(中略)
3つ目は、「質問ができない」ことです。(中略)「商談の中でこの仮説を質問しよう」(中略)と事前に考えておきましょう。
・潜在ニーズをつかむ2つの糸口
①状況を確認する(中略)
②理由を確認する
あと10万円安くなりませんか?
どうして10万円なんだろう?
安さにこだわる理由はなんだろう?
・潜在ニーズをつかむには、「お客さまの言葉の裏には、こういう真意があるのではないか」と仮説を立てた上で、「現実との差」を検証しなけれいけません。仮説を立てる場合は、データや根拠、経験則が必要です。
・お客さまの事前情報をホームページから収集するときは、以下の項目をチェックするようにしましょう。
ホームページの「ここ」をチェック!
●「トピックス」「ニュース」
企業の最近の取り組み、新商品、新サービス、注力している事業がわかります。(中略)
●「経営方針」「経営理念」
短期、中期、長期の経営計画の方向性がわかります。(中略)
●「沿革」「歴史」(中略)
●「組織図」
特にB to Bでは、「意思決定者(決裁権者)」が誰なのか、誰がキーマンなのかが大切です。(中略)
●「採用情報」
採用情報は、「その会社のことを知りたい人」に向けて書かれているため、会社の特徴がわかりやすく表現されています。
・アプローチの初期段階では、主語を「お客さま」にして話(仮説)を展開したほうが警戒心を与えにくいでしょう。
×「当社では、こう考えます」 「自社の商品は、こうです」
○「お客さまはどうお考えですか?」 「ターゲットはどのように決めているのですか?」
・「決定権者に会えない……」ときのアプローチ方法
【上層部へのアプローチ方法① ポジションパワーを使う】 (中略)
こちらが上司を連れていくと、先方も上司を連れて出てくる可能性が高くなります。
【上層部へのアプローチ方法② 大義名分を立てる】 (中略)
【上層部へのアプローチ方法③ タイミングを逃さない】
相手の時間軸から逆算して、「この時期に会いたい」と提案するのも1つの方法です。
・ヒアリングで確認すべき6つのポイント
確認すべきポイント 具体的な事例
1 お客さまの状況 「いま、何が一番大変ですか?」
2 問題と原因 「どこに問題があるとお考えですか?」
3 課題と優先順位 「どの課題を優先して解決したいですか?」
4 具体的な要望 「現時点で、具体的なご要望はございますか?」
5 お客さまの時間軸 「いつまでに決めればよろしいですか?」
6 意思決定のプロセス 「誰が、どのように決めていますか?」
・一番いい決定をするためのサポート役が営業マンである
・お客さまの不安をつかむ「10点トーク」
理想が10点だとしたら、いまは何点ですか?
8点かな
なるほど。2点足りない理由は何ですか?
うーん、実はね・・・・・・
お客さまの心の奥底の不安・不満をつかみ、改善策を考える
・断り文句の真意は次の2つの理由に集約されます。
①「メリット(価値)を感じていない」
②「話を聞くのが面倒くさい」
・断り文句に対する5つの切り返し法
切り返すときのポイント 具体的な事例
1 視点を切り替える 「最初は確かに高いのですが、2年目以降はどんどん安くなります」
2 解決策を示す 「ご予算に合う商品があります」
3 リスクを分散する 「お客さまの不安を一つ一つ見ていきましょう」
4 買わないリスクを伝える 「買わないときは、電気代が月々これだけ高くなります」
5 買うメリットを強調する 「この機械を使うことで、電気代が月々これだけ安くなります」
・初対面の営業マンにいきなり立ち入ったことを聞かれたら、「あなたに答える必要はない!」と拒否したくなるのも無理はありません。(中略)
「ワンメリット・ワンクエスチョン」という形で行います。
●「ワンメリット」
相手のとってのメリットを短いセンテンスで伝える
「今日はコストを30%削減できるご提案を持ってまいりました」
●「ワンクエスチョン」
メリットに関連づけて、相手の共感を呼ぶ質問を投げかける。
「原油の高騰で、コスト負担が重くなっていますよね?」
・「買う理由」を伝えれば、もっと話が聞きたくなる! (中略)
「購入すると、どのようなメリットがあるのか」
「購入しなかったら、どのようなデメリットがあるのか」
「何を、どのようの選んだら、正しい決定ができるのか」
「これから、どうやって考えたらいいのか」
・セールストークの基本は「メリット→裏付け→商品説明」
・人は、他人から売りつけられたり、価値観を押しつけられたりすることを嫌います。(中略)人間には、自分の行動や選択を「自分で決めたい/自分で選びたい」という欲求が備わっているからです。
・営業担当者のプレゼンテーションで「聞きたくない」と感じるのは?
1位 顧客のことを考えない商品の売り込み 42.3%
2位 自社の商品、サービスの列挙 22.4%
3位 長々とした会社案内 17.3%
4位 実績や自慢話 10.2%
5位 他社の悪口やネガティブ・キャンペーン 7.8%
※対象:購入意思決定者300名(購買担当者、総務責任者、世帯主など)
※複数回答可
・お客さまは商品ではなく、「価値」を買う(中略)
お客さまが必要としている商品知識は、商品スペックの情報ではありません。「自社商品と他社商品の違い」や「価値観に合った商品の選び方」についての情報です。つまり「違い」や「選び方」を含んだ商品知識を求めています。
・●営業マンがする商品説明・・・・・・自社商品のスペック、新技術、商品特性など
●お客さま求める商品説明・・・・・・他社商品との違い、購入後に得られる価値など
自社商品の性能や技術に詳しくても、その商品の相対的な価値がわからなければ、お客さまに振り向いてもらうことは難しい
・9割の営業マンが勘違い!
これがお客さまの聞きたいこと
営業担当者へのアンケート
Q.商品提案の段階で顧客に伝えたいことは?
1位 商品やサービスの特徴や良い点
2位 商品やサービスのメリット
3位 競合商品より勝っている点
※対象:営業担当者1000名
購入意思決定者へのアンケート
Q.商品説明の段階で営業担当者から聞きたいことは?
1位 その商品やサービスが他の商品とどのように異なるのか
2位 自社、自分にとって最も良い選択肢は何か
3位 商品やサービスの価値
※対象:購入意思決定者300名(購買担当者、総務責任者、世帯主など)
・お客さまは「スペック」ではなく、「他社商品との違い」や「購入メリット」を求めている
・購入の道筋を示す存在、それが営業マン(中略)
たとえば、目の前に険しい崖がそびえているとき、多くの人が立ち止り、引き返そうとします、ですが、プロのクライマーが「このルートを通れば、はじめての人でも、安全に山頂を目指すことができる」と教えてくれたなら、「じゃあ、進んでみようか」と一歩を踏み出せるはずです。
・迷っているお客さまに道筋を教えるには、次の4つの情報を伝えましょう。(中略)
情報① 購入と非購入、それぞれのメリットとデメリットの比較 (中略)
情報② 検討する際に考慮すべきポイント (中略)
情報③ 検討する際の時間軸
「マンションを購入するなら、これくらいの時期に契約を済ませておくと、○か月後には入居できると思います」
「この車種は人気なので、納車まで3か月待ちです。仮に、夏休みに間に合わせることをお考えでしたら、遅くとも5月までに決められたほうがいいかもしれませんね」 (中略)
情報④ プロとして「目からウロコが落ちる」ようなアドバイスをする (中略)
「実は、あまり知られていないのですが・・・・・・」 (中略)
「普通の営業マンは言わないことなのですが・・・・・・」
「あえて言わせていただきますと・・・・・・」
・沈黙状態になったときの対処法 (中略)
①相手が黙っている間は、自分も黙る
こちらの質問に対して、お客さまがなかなか返事をしてくれないのは、考える時間が必要だからです。 (中略)
②事例を投げかけてみる (中略)
「こんなお客さまもいらっしゃいましたし、こんな方もいらっしゃいました。こういうお答えをされた方もいます。御社は、どのパターンに近いですか?」
・「新しい情報」を提供するときは、情報とお客さまを必ず関連づける (中略)
「今度、法律がこう変わります。○○さんの業界ですと、3年後にはこういう影響が出ると思います」
・下位セールスは、「プレゼン」=「説明」ととらえ、会社説明、商品説明、技術説明のためのプレゼン資料をつくります。 (中略)
トップセールスのプレゼン資料は、会社説明、商品説明、技術説明よりもお客さまのメリットを具体的に、わかりやすく示しているのが特徴です。プレゼン資料は、「お客さまが知りたいことを、知りたい順番で、できるだけ簡潔にまとめる」ようにします。
・プレゼン資料の基本的な構成
1 表紙 お客さまのメリットを意識したタイトルをつける
2 問題定義 お客さまが抱えている問題を提示する
3 メリットの提示 企業として提供できる価値を提示。複数のメリットを提示できるとなお良い
4 事例 問題解決した事例を入れることで、信用度をアップさせる
5 商品説明 具体的な商品・サービスの説明を行い、クロージングする
6 会社概要 怪しい会社ではなく、きちんとしたノウハウを持っていることを伝える
・弱点は客観的に話したほうが、信頼される (中略)
自社に都合のいい情報だけでなく、「自社製品の弱点(デメリット)」を隠さずに提示したほうが、信頼を得ることができます。
・各社の違いがわかりにくいため、どの審査機関を選んでいいのか、お客さまも迷ってしまいます。そんなときは、各社がどのような特徴を持っているのかを項目ごとに整理・分類すると、違いが一目でわかるようになります。たとえば、58社は○○○型、○○○型、○○○型、と3つのカテゴリー(地域密着型、業界密着型、全方位型など)に分類した上で、項目ごとに比較していくと、「プロならここをチェックする」というポイントを、客観的に示すことができます。
・お客さまが迷っているときは、追い込みをかけてはいけません。そんなときほど、
「気になっているところは、どこですか?」
このように迷っている理由をもう一度、聞くことが大切です。 (中略)
「いいのはわかったけど・・・・・・」の後に続く本音を引き出すきっかけになります。
・1000人のトップセールス (中略)感情移入をする能力に秀でている (中略)
感情移入
・・・・・・個人の状況、立場、感情、動機を感じ取り、理解する力。または、自分を相手の立場に起き、感情を分かち合う力
・私が現役の営業マンだったころ、相手企業の「カンパニーカラー」を調べて、訪問するときにはその色と同じネクタイをしていったことがあります。カンパニーカラーが赤なら、真っ赤なネクタイをする。そして、「少しでも御社に近づきたいと思って、赤い色のネクタイをしてきました」と添える。
・営業の仕事は、商品を売ることだけではありません。市場のニーズを拾い、情報を集め、商品開発にフィールドバックするのも営業マンの大切な仕事です。
●書籍『トップセールスには、なぜ「いいお客さま」が集まってくるのか?』より
横田 雅俊 著
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