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本屋の魅力のひとつに「ブックフェア」があります。書店員や出版社が何かを伝えたいと独自の切り口で店の一等地の平台などで展開します。本屋の工夫があり、ついつい本を手にしたくなるものです。
では、そんな書店フェアにはどんなものがあるのでしょうか。いち書店員が開催するもの、出版社の営業マンがおすすめしたいものを集めたフェアや、近辺の書店員同士が集まり決めたもの、複数店舗を持つ書店が展開するものなどがあります。
ムック『本屋はおもしろい! ! 』(洋泉社 刊)から「この書店フェアがすごかった!! 30」をご紹介したいと思います。
開催年 |
フェア名 |
おもな 開催場所 |
フェアの内容 |
2003年 |
なぜだ!? 売れない文庫フェア |
くすみ書房 (北海道) |
売上下位の文庫本を集めたフェア。同書店はほかにも「本屋のオヤジのおせっかい『中学生はこれを読め!』」フェアでも話題に。 |
2004年 |
再開支援フェア |
青山ブックセンター六本木店 (東京) |
閉店から約1カ月半で始まった再開支援フェア。洋書を中心に販売し、同書店の復活をアピールした。 |
2005年 |
出版社営業マンが個人的にすすめるこの一冊フェアフェア |
サンクス宝塚ソリオ店 (兵庫) |
出版社の営業マン(ウーマン)に個人的にオススメの一冊を挙げ
てもらい、優勝者には特典として自社商品のフェアが展開された。 |
2005年~ |
酒飲み書店員共同企画文庫ヘストセラーを作れ!フェア |
千葉県とその周辺の書店 |
千葉県やその周辺の書店員が集まる飲み会から誕生したフェア。書店員・出版社営業マンがおすすめの1冊を推薦し、総合1位の文庫を参加全店で拡売。 |
2006年 |
前代未聞!バレたらクビ!?出版社かおすすめする「他社の本」アェア |
リブロ池袋本店 (東京) |
自社以外の出版社の既刊本を、出版社の営業・編集者が推薦。選書した推薦人の名前はイニシャルで表記された。 |
2007年 |
福岡の書店員65名が選んだ激オシ文庫フェア |
福岡県内の書店47店 |
福岡の本の祭り「ブックオカ」のイベントの一環として開催。県内の有志書店員が売|りたい文庫1点を推薦し、推薦者のコメントを掲載したオビを巻いて展開。 |
2008年~ |
旅する灯台フェア |
全国 |
KTC中央出版の出版レーベルであるアノニマスタジオによる、全国の書店・雑貨店を「灯台」とともに旅する移動式フェア。 |
2008年~ |
この本よかっ!!子どもの絵本大賞in九州 |
九州全域 |
前年1~ 12月に刊行された新刊絵本九州の書店員たちの投票でベスト10を選定、フェアを実施。2013年で第6回を迎えた。 |
2009年 |
読むんじゃなかった!?人生を変えた1ページフェア |
有隣堂 (首都圏) |
特設サイトを用意するなどウェブとリアル店舗が連動。選者が選んだ1ページに特設サイトヘのQRコードのついた付箋を添付。 |
2009年 |
後味の悪い本フェア |
伊野尾書店(東京) |
読後に重い気分になる文庫小説を集めた異色のフェア。 |
2009年~ |
タマダービー |
ブックスタマ (東京) |
参加出版社の各営業担当者が自ら推薦文を添えた選りすぐりのビジネス書1冊を集め、販売冊数を競う。 |
2011年 |
ココロにきくマンガフェア |
くまざわ書店 |
毎月、キーワードに沿って20作品を選書。コアミックスのゼノン編集部が出版社の枠を越えて選書・推薦し、くまざわ書店のスタッフと展開する作品を決めた。 |
2011年 |
まんききフェア |
往来堂書店 (東京)ほか |
往来堂書店のコミック担当者が発案。参カロ書店のコミック担当者が選んだ好きな作家に好きな作品を選んでもらい、各店舗でフェア展開。「漫画家さんに聞きました」の略称。 |
2011年 |
活字ばかりが文庫じゃない!2店合同「非活字文庫」フェア! |
B00KSルーエ (東京) ・往来堂書店 (東京) |
B00KSルーエと往来堂書店の共同企画。漫画や絵、写真など、活字がメインではない「非活字」文庫を集めたフェア |
2011年~ |
魂のPOPフェア |
久美堂本店 (東京) |
地元の桜美林中学校の3年生が、自分の好きな本を手書きのPOPで紹介。なかには紙粘土で立体感のあるオブジェを作る生徒も。2014年で4回目を迎えた。 |
2011年~ |
D坂文庫 |
往来堂書店 (東京) |
往来堂書店に訪れる客や仕事で付き合いのある人、街の店主や住人が、現在発売中の文庫本をセレクト。推薦文とともに紹介する。毎年夏と冬の2回。 |
2012年 |
ほんのまくらフェア |
紀伊國屋書店・新宿本店 (東京) |
文庫のタイトルと出版社名を隠す目的でかけられたブックカバーに、その本の「まくら部分」(あるいは文中の一文)を印刷して陳列。 |
2012年 |
本音を言えば、この本が売りたかった!!フェア |
ジュンク堂書店新宿店 (東京) |
約8年の歴史に幕を開じたジュンク堂書店新宿店。スタッフが自らの意思で企画して取り組んだ最後のフェア。「売りたい思いで本は売れる」ことを証明した。 |
2012年 |
もしも明日自分の店が閉まるとしたら、どうしても今日売っておきたい1冊フェア |
ジュンク堂書店 |
新宿店最後のフェアをまとめた書籍の発売を記念して展開。各店舗のスタッフが本への思いを表現、イチオシの書籍を紹介。 |
2013年 |
”食”本考察フェア |
ジュンク堂書店 吉祥寺店 (東京) |
「生活考察」vo1 4刊行記念のフェア。同誌執筆者35名とゲスト選者20名が食をテーマに選書し、コメント。 |
2013年 |
いっそこの際好きな本ばっかり!フェア |
海文堂書店(兵庫) |
閉店する同店が、それまで毎月、書店員が持ち回|りで企画していたフェアを、「みんなでつくるフェアにしたい」と書店員がそれぞれ3~8点を選書。 |
2013年 |
コミックケイジ課 |
京都・滋賀 |
京都と滋賀の若手書店員で構成されるるチーム「コミックケイジ課」が、おすすめするコミックを"捜索"し、各店でフェアを展開。ケイジとは「京滋」と「刑事」をかけたもの。 |
2013年~14年 |
OsakaBookOneProjectフェア |
大阪府内の書店 |
「書店、取り次ぎ会社が一致団結して、大阪発のベストセラーをつ
くりたい」を合い言葉に、府下900書店が協力、うち359店が店頭陳列コンクールに参加。受賞作の『銀二貫』高田郁(幻冬舎)を期間中に5万部以上販売した。 |
2014年 |
日本ノ夏、カレーノ夏 |
ブックスタマ武蔵関店(東京) |
カレー関連書とレトルトカレーを合わせて展開するフェア。ムックやレシピ本約20点と親会社のスーパー「マルフジ」から仕入れたレトルトカレーを並べて販売した。 |
2014年 |
ビジネス書じゃないビジネス書フェア |
代官山蔦屋書店 (東京) |
雑誌「WIRED」を発行するコンデナスト・ジャパンと代官山蔦屋の合同企画「みんなでつくるWIRED書店」で、ビジネス書ではないが、ビジネス書としても読める本を読者から募集、店頭でフェア展開。 |
2014年 |
復活 早川書店 |
リブロ池袋店 (東京) |
早川義夫氏おすすめの書籍を集めた選書棚を展開、購入者にはかつて早川氏が経営していた早川書店のものを復刻したカバーと栞をプレゼント。 |
2014年 |
出版の未来を創るひとり出版社をつくった100冊+100冊 |
東京堂書店 神田神保町店 (東京) |
ひとり出版社の代名詞ともいえる夏葉社の島田潤一郎氏の著書『あしたから出版社』刊行にちなんだフェア。11社がそれぞれ自社書籍10冊と好きな書籍10冊をセレクト。 |
2014年 |
今、この国を考える「嫌」でも「呆」でもなく |
あゆみB00KSほか |
中韓のバッシンク本が書店にあふれかえる現状に危機感を抱いた河出書房新社の30代編集者、営業担当4人が企画。身近な社会問題をテーマに選書、売場の多様性確保を提起した。 |
2014年 |
Bibliotherapy(ビブリオセラピー) |
silid&|lquid MACHIDA、オリオンパピルス (東京) |
同店が展開する「覆面フェア」の第3弾。立川市にあるオリオンパピルスとの合同企画で、「読者の心を癒す」をテーマに両店の店長が文庫本70点を選書。病院の薬袋を模した袋に入れ、「症状」に応じた効能書きも同封。 |
2014年 |
本文二段組み・500頁超・厚さ50ミリ本フェア |
ジュンク堂書店 各店ほか |
文字通り重厚長大な本のみを集めた珍しいフェア。 |
●ムック『本屋はおもしろい! ! 』より
洋泉社 (2014年10月28日発売)
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