このウェブサイトにおけるページは、書籍『心が安まる老子』(伊藤 淳子 翻訳、PHPエディターズグループ 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・戦争においては、戦っている者のどちらもが、正しいのは自分だと考えている。(中略)よいことと悪いことは、同じ場所にある。見る人によって、よくもあるが、悪くもある。
・真のリーダーは、たくさんの成果があがっても、所有物にしたり、自分の手柄にしない。大事業を成し遂げても、驕ったり、誇りに思わず、功名を成し遂げても、偉ぶらない。
・地位や名声などにすがりつくのはやめよう。すがりつかないから、その功名を比べるものがないのだ。比べないから、永久に奪われることもない。
・大きなリーダーとは、大自然のような存在なのだ。誰からもなんとも思われなくても、偉業を粛々と成し遂げていく。
・虚勢を張らない(中略)
虚勢を張ったり、見栄を張ることを、余食贅行(よしぜいこう)と言う。過度な食事やおせっかいのようなもので。他人から嫌われる行為である。人の上に立つものなた、そうしたふるまいは慎むことだ。
・他人と競争して勝つ人は、実力や能力が優れているからだが、自分に挑んで打つ勝つことは、他人と戦う以上にむずかしい。
やみくもに闘って、あれもこれも手に入れるのではなく、自分にとって必要なものだけで、満足しよう。それがほんとうの豊かさだ。
・優れた人は、知識を学ぶだけではなく、実行する力がある。ふつうの人は、役に立つアドバイスは受けても、そんな考えもあるのかな、として受け止めず、実行に移さない。ダメな人は、他人の意見を聞かないどころか、どうせ、そんなことをしたところで無駄だ、とバカにして笑いとばす。
・水のように、空気のように
世の中で、もっともやわらかいものは、世の中で、もっとも固いものを思うがままに、突き動かす。それが水であり、空気である。
かたちのないものは、どんなすきまにも入り込む。
・あれをやってはだめとか これをやってはだめという規制が増えると、人々のやる気はどんどん失せる。だから、ますます貧しくなっていく。
・初心を忘れずに、慎重に、こつこつと積み重ねていけば、失敗することはないのに。
・不浄の法則
立派な武将ほど、猛々しいところがない。交渉上手な人は、感情にまかせて怒ったりはしない。
最終的に勝利に持ち込むことがうまい人は、決して、相手と戦ったりはしない。また、人を使うことが上手な人は、腰が低いように見える。
戦わなくても手に入ることや、他人の持っている力を利用すること、運命に身をまかせることは、昔ながらの法則だ。
・人間は、生まれたばかりのときは柔らかくかか弱いが、死ぬときには固く、硬直する。
どんなものでも、最初は草木のように柔らかく脆いが、死ぬときには枯れれて、固くなる。
頑固に固執する姿は 死んでいくことに等しく、柔軟で弱々しなようすは 生きている証だ。
だから、強さばかりを誇っているものは、勝つことができない。なぜなら、固い木は必ず折れるからだ。
・大自然のように大きな心を
いつわりのない言葉は、美辞麗句ではない。美しく飾り立てた言葉は真実さに欠ける。
善人は多くを語らず、雄弁な人物は善人ではない。知識人と言われる人は、実はたいした知恵はなく、博識と言われる人もまた、広くものごとを知っているわけではない。
自分のスタイルを極めた人は、自分自身に積め込まない。なにもかも、すべて人々のために与えているが、それでいて、自分自身に蓄積していく。
すべての人々に利益を与え、害を与えない。大自然のようにいたい。
すぐれた人は、大自然の心を持っている。人々のためを考え、争うことがない。
●書籍『心が安まる老子』より
伊藤 淳子 翻訳
PHPエディターズグループ (2006年2月初版)
※amazonで詳細を見る
Copyright (C) 2003-2024 eパートナー All rights reserved.