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2011年から2016年度までの文庫市場の推移を紹介したい。
年度 |
新刊点数 |
増減比 (%) |
推定 販売部数 (万冊) |
増減比 (%) |
推定 販売金額 (億円) |
増減比 (%) |
返品率 (%) |
2011年 |
8,010 |
1.8 |
21,229 |
0.1 |
1,319 |
0.8 |
37.5 |
2012年 |
8,452 |
5.5 |
21,231 |
0.0 |
1,326 |
0.5 |
38.1 |
2013年 |
8,487 |
0.4 |
20,459 |
▲3.6 |
1,293 |
▲2.5 |
38.5 |
2014年 |
8,574 |
1.0 |
18,901 |
▲7.6 |
1,213 |
▲6.2 |
39.0 |
2015年 |
8,514 |
▲1.2 |
17,572 |
▲7.0 |
1,140 |
▲6.0 |
39.8 |
2016年 |
8,318 |
▲2.3 |
16,302 |
▲7.2 |
1,069 |
▲6.2 |
39.9 |
日本の出版流通システムが雑誌をベースに成り立ってきた。そして、その販売は中小書店を主力として2万店の書店が支えてきたのも事実。2015年の書店数(書籍・雑誌を置いている)は、日販調べで10,855店となり16年3月で1万店を割ったといわれている。
また、東京書店組合員数は370店となってしまった。他の県は推して知るべしで中には組合を解散した県も出現している。地方再生と声高に叫んで箱物を作っても所詮絵に描いた餅で人は集まらないように出来ていることを知らしめる人がいないのが悲劇の始まりだ。
地方の疲弊は今更始まったことではないが、少子化と生産年齢減少と首都圏一極集中は必然減少で誰にも止めることは出来ないと感じる。逆に、後期高齢化人口は首都圏から増加する予定のようだが、これが話題になるのはオリンピックが終わってからだろう。
文庫本の推定販売金額は3年連続の6%を超えるマイナスで2017年度は1000億円を割り込むことになると確信する。書店売上げの文庫本シェアは全体の14.5%であり、雑誌・コミックと並ぶ中小書店の主力商品であったが、文庫も同様売り上げは落ち続けている。
販売部数も3年連続7%マイナスが続き文庫の返品率は6年連続増加している。一方、これだけ販売指数がマイナスなのに文庫新刊点数だけはそれ程減少はしていない。出版社には色々と諸事情があるようだが、売れもしない商品を作り続ければ近い将来はどうなるかは分かっていないものもいるのかもしれない。
寄稿 : 出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏
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