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書籍『出版研究 no.47(2016年度)』(日本出版学会 著、出版ニュース社 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『出版研究 no.47(2016年度)』(日本出版学会 著、出版ニュース社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・“ネットファースト型”の出版企画についての事例報告

堀 鉄彦(中略)

ネット発の企画が増える背景は「ネットでの人気の作品は、アクセス数やお気に入り数が可視化されている.ネット発は、出す前から数字が見えている.部数を決めるときに参考にできる数字がある」(飯田一史「ウェブ小説の衝撃」)ため、読者属性,閲覧動向など,出版企画に必要な情報の取得が難しい紙媒体の欠点を補う形で、デジタルプラットフォームが機能し、分野によってはなくてならないものとなっている.


・ネットファースト企画の今後について(中略)

米国で数年前から運用されている「NetGalley」というシステムがおもしろい.出版社がブロガー・図書館関係者などに書籍のPRをすための「BtoB型」SNSサイト.一般読者には秘密の形で,発売前の書籍コンテンツ(紙と電子を含む)を出版業界の関係者やPRのキーマンで共有しながら,企画を修正したり、出版前に関係者間での関心を盛りあげるのに使われている.米国では300以上の出版社と31万人以上の出版関係者が参加して運用中.日本でも出版デジタル機構が中心となって導入の計画が進んでいる.


・ネットコンテンツと出版コンテンツの境目は急速になくなりつつある.出版企画にもネット同様「PLAN」「DO」「CHECK」「ACT」のPDCAサイクルを回しながら見直すという仕組みが必要となってくるだろう.紙であろうと電子であろうと、ネットと一体となった出版企画のワークフロー確率が重要だ.


●書籍『出版研究 no.47(2016年度)』より
日本出版学会 著
出版ニュース社 (2017年3月初版)
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